「被災地の瓦礫受け入れ」について思うこと

全国で侃々諤々の議論を巻き起こしていると思われる瓦礫の問題ですが、僕個人の意見は以下の通りです。

ツイートでは表現しきれなかったけど、この件に噛んでいる人の意見でもの凄く信用できないと思う点は、被災者のことを考えるべき場面では「放射性物質」の部分を付けてコメントをし、自分のことを考えるときは「放射性物質」の部分を外してコメントする人が多いことです。本心では基準値とかどうとかじゃなく放射能汚染の可能性がある被災地の瓦礫はすべて受け入れたくないと思っているのに、人道的には被災地の瓦礫は受け入れなくちゃいけないよねみたいにコメントをする。そういう、なんだか二枚舌になってる人たち。 「被災地の瓦礫を受け入れる」と総称した場合、そこに「賛成」以外の意見が成立しうるんですか?そのことに対して「反対」は成立し得ないんじゃないですか? 僕は放射性物質が基準値以下なら受け入れて良いと思います。被災地と一言に言っても原発にほど近い地域から遠く離れた地域まであるわけですから、安全だと思われる地域の瓦礫は一刻も早く受け入れてあげるべきです。ただ、その基準値の選定基準や測定方法が曖昧であれば、受け入れることは出来ません。被災地の瓦礫には賛成だけど、放射能に汚染されている地域についてはごめんねと。論点は受け入れ基準をどこに設定するかの話であって、受け入れるか受け入れないかの話ではないはずなんですよ。 もちろん、わかっている人はきちんとわかっています。でも「放射性物質に汚染された被災地の瓦礫を受け入れる」という問題を「被災地の瓦礫を受け入れる」と略して主張する人がいるために、問題をきちんと捉えられなくなっている人もいます。例えば岩手県の汚染レベルが極端に低い瓦礫を受け入れない理由は何なんですか?「低いのとゼロとは違う」という考え方の人もいますが…日本国内に、今現在ゼロである地域ってどれくらいあるんですかね? 震災がれきの受け入れに賛成する|河野太郎公式ブログ ごまめの歯ぎしり 自分の地域のごみが健康に影響を与えないように取り組んでいく過程で、同レベルの被災地の瓦礫を受け入れるというのは、とても合理的な話のように思います。 不安なのはわかりますけど「絆」ってのはそういうことじゃないんですか。悪影響が出ない程度に放射性物質を受け入れるというのが、被災地支援だと僕は思いますよ。被災地の瓦礫受け入れには「賛成」だが無条件に受け入れるのは無理、というのが論理的に正しい立場であって、「被災地の瓦礫受け入れ」そのものに対して賛成とか反対とかいうのはおかしいでしょう。そうやって論点を曖昧にしたままざっくりと「賛成派」「反対派」と名乗って行動する人を僕は信用出来ません。 (2012/03/17 後半の論旨が荒れていたので一部書き直し)

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世界報道写真展 2011(@立命館大学国際平和ミュージアム)

今年も、世界報道写真展に行ってきました。 2007年に初めて行ったようだから、今年で5回目。 『世界報道写真展 2008』 at 立命館大学国際平和ミュージアム – nplll 世界報道写真展 2010(@立命館大学国際平和ミュージアム) – nplll よくもまぁ、衣笠くんだりまで行くなぁと思うわけですが、やっぱり行くと感じることがたくさんあるので行くわけです。 料金も500円と格安だしね。

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観光客「実験はシーズンオフにやれ」…バカ言うな

タクシー規制混乱…車列消え、客が長い列 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

JR京都駅(京都市下京区)北側の烏丸口で客待ちのタクシーがあふれ、周辺道路の渋滞を招いているとして、業界団体とJR西日本は1日朝、タクシーの乗り入れを制限する社会実験を始めた。  客を降ろす車だけを進入させ、空車の乗り入れを禁じるという選別方式だが、スタートしたとたん、タクシーが足りなくなり、客から不満が噴出。午前中に実験を休止する場面もあった。秋の観光シーズンに合わせて古都の玄関口のイメージ一新を狙った試みは、いきなりつまずいた格好だ。今後、実験を続けるかどうかは、関係者で協議して決めるという。

京都駅でタクシー乗り場へのタクシー乗り入れに関する実験を行ってるみたいです。 発端は、タクシー乗り場へ通じる道にタクシーが溢れまくってて交通の障害になってるからだそう。実験とかぬるいこと言ってないで、業者と契約して24時間違法駐停車を取り締まれば済む話だろうと僕なんかは思うわけですが、さすがにそこまでは出来ずに乗り入れを減らす方式を実験したとのこと。 まぁぶっちゃけ言えば、これだけの客待ちスペースがある場所に対して「客を降ろすタクシーだけ入ってよし」とかどんだけ筋悪いんだよと思わなくはないですけど、何にせよやってみないと効果のほどは解らないわけだし、失敗するのは大いに歓迎すべきだと思うのです。だって、今京都は比較的暇な時期だし。
観光で訪れた大阪府枚方市の植田仁美さん(56)は「お昼に料亭で予約を取っているのに、このままでは間に合わない。観光シーズンなのに実験をやる時期を考えてほしい」といら立った様子。
何を言ってるのか解らないです。植田さん。 「京都のオフシーズンはいつですか?」と聞かれたとしたら、どう答えるか?正直な話、京都にオフシーズンなんか無いわけですが(1年中、修学旅行生はいます)敢えて答えるなら、正月が一段落して梅が咲くまでの2月と、夏休みが一段落して紅葉が始まるまでの9月・10月と答えるでしょうね。植田さんがどう考えてはるかは知りませんけど、相対的にそうなっています。 で、京都の2月に屋外でタクシーを待たされるような実験をして欲しいと思いますか?そんなの全然無理でしょう。 こういう面においての京都の悪いところは、「観光客がいるから」「今できないから」などといって、対策を先送りにしていつまでも抜本的な対策を取らないことです。んで、どん詰まりになってようやく動くと言うね。どうせだめならやっておけよと思うので、むしろ今やってるのは良いことなんじゃないかな。確かに植田さんには不快な思いをさせてしまって申し訳ないと思うけれども、ここで譲歩してしまうと、将来の大勢のお客様に対して申し訳ないのではないかと。 せっかく業界団体がやる気になっているのだし、このタイミングでどんどんやってもらって、良い解決策を見つけて貰いたいと思います。そうでもしないと、この街では何かが動いたりしないよ。気を遣いすぎてね。観光都市にだって、メンテナンス期間ってのは必要なんだよ。

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福島とチェルノブイリの話(各自要確認な)

夜中に目が覚めてしばらく眠れなかった間に、とても面白いエントリを読んだので。

チェルノブイリ原発事故と福島原発事故の比較に関して: 福島原発事故に関して

様々な場面でチェルノブイリとの比較が取り上げられていて、色々誤解もあるので、一応調べた限りでまとめてみる。

多くの資料にあたっていることもあり、少し長い。エントリの趣旨を簡単にまとめるなら、
福島原発事故の政府対応などへの批判として「チェルノブイリでさえ○○していたのに、福島ではしていない→怠慢だ!」という論理展開が良く行われているけれど、それが正当なのかどうか?という検証エントリ。
といった感じになるだろうか。先の論理展開は、福島原発事故がチェルノブイリでの事故と同等かより酷い場合に説得性を持つわけだけど、その辺が曖昧なので検証しようと。ちなみにコメント欄で脊髄反射している人がいるけれども、政府の対応が正しいかどうかとか、低線量長期被爆は人体に悪影響をもたらさないとかそういうことを言っているのではないので念のため。

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関西は冬も節電になるらしい

関電、冬の節電で生産調整要請も 「夏以上に厳しい」 – 47NEWS(よんななニュース)

関西電力の森詳介会長は12日、大阪市での関西経済連合会会長としての記者会見で、定期検査で停止中の関電の原発が再稼働できない場合、冬場は「夏以上に需給が厳しくなる」と述べ、メーカーの生産調整を含めた本格的な節電策を要請する考えを示した。  原発の再稼働が遅れれば電力不足が続くことを訴え、企業活動への影響を強調して、政府や地元自治体に対し再稼働に向けた調整を促す思惑がありそうだ。

「原発稼働させたいだけだろ」という読みが横行するんだろうなぁという予感はありますが、ぶっちゃけ電力を安定供給するためには安全性の確認できた原発から稼働させるしかないと思いますけどねぇ。
関電の原発は、停止中のものが再稼働できなければ、年末までに11基中10基が止まる。夏にフル稼働した火力発電所の一部も点検に入る。
ということらしいので。

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イギリスでの暴動がフーリガンそのものでちょっとアレな感じ

より大きな地図で London riots / UK riots: verified areas を表示 あんまり原因とかよくわからないんで書くのもどうかなぁと思うのですが。 友達のツイートを読んで、そうだよなぁと深く納得したので。 .bbpBox{background:url(https://a1.twimg.com/profile_background_images/237702090/qureation_bg_twitter.jpg) #ffffff;padding:20px;}

なぜに人為的に傷つけ合わなければならないのか暴力で根本的なことが解決できるなんて皆無なのに。2011年8月9日 12:16 via web

つまり、解決なんか望んでないのだよなぁ。行き着く先に解決がある場合の行動じゃないよなぁ。

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寛容な社会でありたい(アニメ「日常」と漫画「究極超人あーる」におけるアンドロイドの描写について)

まぁなんというか、毎週日曜日にアニメ「日常」をニコニコチャンネルで見ているわけですが。 結構最初の頃から思っていて、今回第16話を見てそうだなぁと特に思ったのだけど、 日常 #16:日常の第十六話 なんというかこれ、「究極超人あーる」(ゆうきまさみ)にあったのと同じテーマを感じるのよね。

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タバコの増税が相変わらず微妙な件

昨日見かけたニュースから。

政府が、東日本大震災からの復興策の財源として、たばこ税率の引き上げを検討していることが6日わかった。  菅首相の諮問機関である「東日本大震災復興構想会議」の提言を受け、政府は所得税、消費税、法人税の「基幹税」を臨時増税して復興財源を賄う方針だが、大幅な増税には強い反発が予想されるため、国民の反発を比較的受けにくいたばこ税の増税も検討対象に加えることにした。  政府内には、たばこ1箱当たり最大50円程度増税し、増収分を全額、復興財源に充てる案が出ている。早ければ来年度から実施したい考えだ。1箱50円増税した場合、販売量が減らなかったと仮定すれば、最大で年2000億円規模の増収になるとみられる。  たばこ税は2010年10月にも1本あたり3・5円増税され、メーカーによる本体価格の引き上げと合わせ、1箱当たり平均で100円を超える値上げが行われた。 (2011年7月7日07時36分 読売新聞)
 
税収のためなのか国民のためなのか、実施の時点でコロコロと根拠を変えることで、 以前からきもさ全開のタバコ増税ですが、今回は東日本大震災の復興のためですってよ奥さん。 消費税みたく国民全体からあまねく公平に集める税収を復興に回すというなら解りますけど、 喫煙者のみから集めた税収をってどういう理屈なんでしょうかね。 目的税だろうがなんだろうが財布に入っちゃえば同じではあるんですけど…なんか気持ち悪い。

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飲用茶の放射性物質の基準がよくわからん

生茶葉や、それを乾燥させた「荒茶」、さらに製茶については暫定規制値として1キログラムあたり500ベクレルが適用される。これまでに神奈川県南足柄市や茨城県全域などで、この数値を超えた茶の出荷停止が政府から指示された。 だが川勝知事は、暫定規制値を「根拠なし」と切り捨てる。理由のひとつとして、原子力安全委員会が規制値を見直す必要があるとの見解を示した事実を挙げた。6月2日、班目春樹委員長が数値を「非常に粗っぽいもの」と表現し、いつまでも暫定値を使っているのは「ちょっとおかしい」とコメントしている。専門家が見直すべきだと指摘する「物差し」など信用できない、というわけだ。
 
静岡出身者として静岡の肩を持ちたいと思っているのだけど、川勝静岡県知事のイメージ戦略がどう考えても悪くてなんとも擁護しづらい状況であります。静岡の財界や政界がどんなつもりだったかはよくわかりませんが、端から見れば「放射性物質に汚染されているのを隠してお茶を出荷しようとしている」とか見えないんですよねぇ。いや、絶対、「そんなつもりではない」と強く反論されるとは思いますけど、「人にどんな印象を与えるか」と「どんなつもりか」との間にいつも関係があるわけではないのですよ。本当に「そんなつもりではなかった」のであれば、やっぱり川勝県知事の立ち回りが下手すぎたと言うことだと思います。全然伝わってないもんよ。 まぁでもそれはそれとしまして。 県知事が上の記事で語っている「基準の不自然さ」については一理あるかなぁと思います。

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原発の話、なんで色んなことにずれを感じるのか

比較的まじめで素直で善良な市民である友人・知人が原発について語ることがいまいちピンと来ないことがあって、「これっていったい何なんだろう」「おかしいのは俺なのか?」と思っていたんですけど、なんでそうなるのかについて個人的にもの凄く腑に落ちる結論に至ったので書いてみます。 ていうかまぁ2行くらいで書ける話なんですけど、

  • 「原発の状況がどんどん悪くなって行ってる」と考えてる人がいるけど、それ間違いだよ。原発の状況は、地震発生1週間後くらいからずっと悪くなってないよ。
  • じゃあ良くなってるのかってそういうことじゃなくて、最初から最悪でそこから1つも変わって無くて多分これからもずっと変わらないんだよ。
頑張れば良くなるんだと思ってるみたいなんだけどね…… 別に善良な市民が悪いと言うことではなくて、徐々に出てくる悪いニュースを少しずつ摂取していったらそういう感覚に陥るのは仕方がないなぁという気もします。ニュースを詳しく読めば、4月や5月に出てきた「悪いニュース」の日付が3月後半だとか地震発生直後の話だとかしてる事が多いんだけど、理屈と感覚は必ずしも一致しないからねぇ。感覚としては「悪いニュース」が明らかになるたびに悪くなってるような錯覚に陥りますね。 確かにそれはそう。 んでもう一つ。 「徐々に悪くなっている」というイメージには、実は希望もくっついてきます。流れを変えれば徐々に上向くかも知れない、次に出てくるのは良いニュースかも知れない。一組のトランプからカードを引いて赤なら悪化、黒なら良化、というような。でも本当はそんなことは全然なくて、最初からずっと絶望的な状況だったのですよ。地震翌日にメルトダウンが起き、冷却水が漏れ、それは現在も全く変わっていない。ストロンチウムが発見された?それはね、今日そこに落ちたのではなくて、建屋の爆発からずっとそこにあったんだよ。 ずっと最悪な状況で、これからもずっと最悪な状況なんだ。 だからね、なんというかさ。見込みの薄い希望を押しつけるのはもう止した方が良いと思うんだよ。1ヶ月、3ヶ月、半年、1年待てば、元の家に帰って今まで通りの暮らしに戻ることが出来る、なんて今の段階でなんの根拠も実現性もないんじゃないの? 校庭の土の汚染度の基準をどうこういうのだって、帰ることを前提にした議論だと思うのだけど、現実的に考えたらその土地を利用し続けようとする試みは正しいのかどうか。基準が5mSvだろうが1mSvだろうが、子供はそこにはいてはいけないんじゃないか。「なんとかそこで子供が活動できるように」という目的自体が間違ってるようにしか思えないとね。 実際に被害に遭われている人たちが覚悟を決められないのは仕方がないと思う。 自分だったらと考えれば、やっぱりずっと引きずってしまうだろうとも。 生まれてからずっと住んできた土地をある日突然に離れなさいなんて受け入れられないよ。 でもさ、周りもそれに合わせていたらなにも出来ないじゃん。メディアはやっぱり明るいニュースも伝えたいと思って、希望のある「見込み」を積極的に報道するけどさ、何日までに復旧して収束しますなんていう見込みはひとつも達成できてないし、だいたい出来るわけもないよね。 だからもうね、暗い未来は憂鬱だけどさ、それをきちんと直視して覚悟をしていかないと行けないんじゃないのかな。 例えば、「避難」ではなくきっちり全部調べて「放棄」する土地を決める作業をしないとだめじゃないか。頑張ることは大事だけど、頑張っても残念ながら良くならないこともあるんだよ。少なくとも頑張ったところで汚染された土地がすぐに元に戻ることはないんでね。仮に土地が除染されたとしても相応の廃棄物との長い格闘が待ってる。そう言う意味で、東北の津波の被災者とは違うんだよね。支援するこちら側も違う覚悟をしないといけないよね。 あんまり解ってもらえないのだけど、僕は議論に興味がないのではなくて、そういうことを考えてます。 どうするのがベストなのかなとね。

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