凄いレースだった。
予選を通して、いやレース序盤までは、それまでの3戦をそのまま引きずるような格好だったが、
レース後半になって俄然盛り上がってきた。
というのも、巧みなピットワークと、並はずれたスピードとで、
M.シューマッハーがジャンプアップしてきたからだ。
今シーズン、フェラーリは全く良いところが無く、
初戦のバリチェロの2位入賞はあるものの、毎レースどちらかがリタイアしている。
このサンマリノでも、エンジントラブル?でバリチェロがリタイアしてしまい、
なんだか、M.シューマッハー加入前のフェラーリを見ているような錯覚を覚えた。
(一昔前のフェラーリ ── プロストやアレジが乗ってた頃 ── は、
たまにえらく速いけど総じて信頼性が無く、良くてポイント圏内というチームだった)
F1チームはシーズン始めにその年のチーム体制と共に、新車を発表するが、
実際には、開幕戦で新車がいきなり投入されることは少ない。
有力チームであればなおさらで、一般的には、ヨーロッパラウンドに入った後、
今年で言えば、第5戦、スペインGP辺りで、各チーム新車を投入してくるだろうと言われていた。
フェラーリも例外ではなく、恐らくその予定だったと思うが、
しかし蓋を開けてみると、思いの外レギュレーションの変更がキツイ。
特に空力に関しては、ホンダのエンジニアが、開発時の設定値を間違えたと告白するほどで、
とても、昨年車の焼き直しで戦えるような状況ではなかった。
そういうわけで、フェラーリは今回のサンマリノから、新車『F2005』を投入したわけだ。
といっても、当然まだセッティングもこなれていないし、
すぐに圧倒的有利というわけには行かない。
その上、シューマッハーは予選2回目でコースオフしてしまい、13番手からのスタート。
アロンソにとっては、もう敵なし、一人旅、と言っていいような状況だった。
ところが、ところが。
気付いたら、アロンソとTAIL TO NOSE。
抜きどころの少ないサンマリノ故、最後までアロンソに抑えられ、優勝はならなかったが、
(モナコでのA.セナvsN.マンセルを思いだした)
マシンが安定したときのスピードは圧倒的だった。
開幕4連勝のルノーと比べてさえ、1秒以上速い。
FASTEST RAP
1. M.SCHUMACHER – 1:21.858
2. F.ALONSO – 1:22.604
(Racing-Live.com)
もちろん、アロンソは状況が安定していたので、
そんなにアタックしていなかったということもあるだろうけど、
それにしても、この差はないよな。
その後の1秒には、2-8位が入っているのだから。
3戦まで見て、今年はRenault、Williams vs MacLaren の2位争い、
FerrariとHondaはその次くらいかな…という想像も一瞬浮かんだが、いやいや。
MacLarenは相変わらず信頼性が回復しないし、FerrariとHondaは意地を見せた。
そうだった、今年は全部で19戦もあるんだ…
あとまだ、15戦もある。シーズンは始まったばかり、これからが本番なんだ。
まだまだ何が起こるかわからないなぁ…
(全16戦だった頃が懐かしい ── 1994年以前)
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