Numberは岩崎夏海に対談をさせるべきではなかった(Sports Graphic Number 782号「答えは過去にあり。」 )

僕は「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」を読んでいない。 映画も見ていないし、アニメも漫画もそれに類する全てのものに目を通していない。 それは単に「流行に乗りたくない」とか「ドラッガーなんか興味がない」ということではなくて、 著者の過去の発言に、「これはヒトとして許せない」と思った発言があってそれを今でも忘れてないだけ。 自分にとってそう言う距離感にある人の創作物に対して自分の時間を使いたくないということ。 ただ、自分の住んでいる領域に彼が入ってくることは止められないし、 僕が評価したくないからと言って彼の作家としての評価が低いと言うことにはならない。 端的に見て評価されているからこそこういう展開になっているのだろうし、 であるからこそ、連続でNumber誌に取り上げられるようなことになっているんだろう。 実際、「野球」という競技への愛情は昨日今日のものでは無さそうで知識もあるようだし、 素人と侮られていたヒトがプロよりも鋭い指摘をすることは稀にある。

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賀川浩さんのエピソードに感動した(Sports Graphic Number 774号「ルーキー秘話。」)

Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2011年 3/24号 [雑誌]Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2011年 3/24号 [雑誌]
文藝春秋 2011-03-10
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何か毎号、Numberの感想を書いている気がする(苦笑) そんなつもりはないんだけど、まぁそれぞれに思うことがあるので。 774号はルーキー特集。歴代のプロ野球新人選手に焦点を当てた特集で、 野球に興味がある人なら満足できる面白い内容でした。 こういう「歴史を紐解く楽しみ方」を考えるとき、僕にとってはまず競馬を想起するのだけど、 競馬も同じなんだけど、この繋がっていなさそうで繋がってる感じがいいんだよね。 技術的に大きく進歩していて能力の単純比較は出来ないけれど、 しかしその指導を行っているのは前世代の選手、みたいな繰り返される時間というか。 プロ野球も長い時間が経って、こうして楽しめるだけの蓄積があるのだよねぇと思うとなんだか感慨が。

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「名将」にも種類がある

Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2011年 3/10号 [雑誌]Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2011年 3/10号 [雑誌]
文藝春秋 2011-02-24
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Numberは各ライターの方針が統一されているようでされていないので、あんまり1冊を1冊と捉えても仕方がないんだけど、つらつら眺めていて、「名将」と紹介されているリーダーは例えば次のような種類分けが出来るなと思った。
  • 己の理念がたまたまその時のチームに合致しただけの人。一発屋。
  • チームを成功する組織に変える人。対象によってコミュニケーション方法を変える人が多い。
僕が最初にこれを感じたのは、渡辺久信監督率いる西武ライオンズが優勝し、その理念を著書として出版した2008年末のこと。同書を読んだ感想は率直に言って、正解かも知れないし正解ではないかも知れない程度でした。「寛容力」による統率を良しとする選手もいれば良しとしない選手もいるわけで全てが同じではないし、そもそも「こうやってコミュニケーションを取ればチームを勝利に導ける!」なんていう大法則などあるわけない(全チームが優勝することはない)し、たかだか1年成功しただけで持ち上げるのはあほくさいなぁと。渡辺監督が悪いわけでは全然無いのだけど、監督が優秀なのか西武というチームが優秀なのかは微妙なところだし、有り難がって本を買ってる人はみんなダメな人間だろうなぁと思ってました。

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選手は大人だなぁ(Sports Graphic Number 773号「名将の言葉学。」)

Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2011年 3/10号 [雑誌]Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2011年 3/10号 [雑誌]
文藝春秋 2011-02-24
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Number最新号を読んでるんですが、なんというかかなり熱いです。 「選手には表向きこういってるけどこれはこういう意図を持ってわざと言ってる」みたいなことを 指導者が公言しちゃって良いのか心配になりますが(苦笑)、 多分それも全部考えた上でインタビューに答えてるんでしょうねぇ。それだけの思慮がある人が並んでますし。 普通にインタビュー集として読んでも十分に読み応えのある特集で、凄く面白い。 何度も読みたい一冊だなぁと感じてます。

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ザッケローニ監督に謝らなくちゃ(早くも) / Sports Graphic Number 762

Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2010年 9/30号 [雑誌]Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2010年 9/30号 [雑誌]
文藝春秋 2010-09-16
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明日(日が変わって今日)発売のNumber762号が発売前日に届いたので読んでいるのだけど、今号はサッカー日本代表と、同監督に就任したザッケローニ監督に関する特集。特にザッケローニ監督に関しては、彼の実績を丹念に検証し分析したレポート(クリスティアーノ・ルイウ)、指導を受けた選手の証言、地元の評判などが集められていて、数字以外あんまり詳しく知らなかった僕にも彼についての色んなことが非常にわかりやすく入ってきた。 そうだったのかー。 というわけで、まだなんにも始まってないけど、とりあえず謝らなくちゃと思う次第。

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「Number」の定期購読を更新しました。

去年に引き続き、今年もNumberの定期購読を更新しました。 これで定期購読も3年目。 Numberの年間定期購読を始めてみました。 – nplll: Mutter Numberの定期購読を更新しました。 – nplll: Mutter Webや電子書籍の浸透で雑誌は世の中からなくなると言われている中、紙の雑誌をそれも定期購読なんてだいぶ時代遅れだなぁと自分でも思うんですけれど、やっぱり「Number」に関してだけは僕にとっては特別で、スポーツ情報をWebからいくらでも手に入れられるようになった今でさえ、やっぱり手にとって読みたいものなんですよね。

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NumberからW杯特別体制に関するお知らせ。

もうすぐサッカーW杯ですね! 「そんなのお前、4年に1度必ず来て、前回だってついこの間だったじゃねぇかよ」と言う向きもあるかも知れませんが、なんだろう、隠しきれない楽しみさ加減ていうかもうね、やばい。多分僕来月11日から1ヶ月間、全然遊びに出掛けない(スポーツバーとか除く)上に全然眠れないと思います。第3試合の開始27:30て(笑)決勝も開始時間、27:30だし。うわー(ニヤケ

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プロ野球の経営はどうなってしまうの?(Sports Graphic Number 754「Number on Number」より)

LINK 小川勝さんによる巻末コラム「Number on Number」で、プロ野球の年棒の推移とに関するデータが取り上げられていました。

プロ野球は開幕から1カ月が過ぎ、今年も選手会から年某調査の結果が発表された。 (中略) 全選手の平均が3830万円となって、6年ぶりに史上最高額を更新したのである。 (中略) 球界全体の収入も伸び始めたのであれば、それも当然だろう。だが、どう見てもそうではない。
調べてみたところ、年棒に関するデータは日本プロ野球選手会の公式ページにて公開されているデータのようなので、少しそれを見てみつつ小川さんの論を後追いしてみます。 日本プロ野球選手会公式ホームページ

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Number 742「W杯出場32カ国決定 未知なる大陸を征服せよ!」が素晴らしかった

Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2009年 12/10号 [雑誌]Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2009年 12/10号 [雑誌]
文藝春秋 2009-11-26
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Number 742(2009年 12/10号)は、本戦出場全32カ国が決定したサッカーワールドカップの総力特集。Numberでサッカー記事を書いている様々なライターが世界に飛び、全ての国について詳細なレポートを書き上げていて、非常に読み応えがあります。もちろん、書き手によって色々と特色があるので好き/嫌いが分かれることはあるかとは思いますが、総合的に見て良い出来です。 でも特に素晴らしいと思ったのは大きくページが割かれている各国の戦力分析のページ…ではなくて、それぞれの国におけるサッカーそのものを描き出している記事でした。

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