知らず知らずマイノリティ

新しく会った人たちと話をして気付いたんですけど、自分って社会的に見てマイノリティみたいです。 具体的に言うと、

  • ドラマ見ない
  • AKB興味ない
  • ももクロ興味ない
  • 女優もアイドルも特に興味ない
  • パズドラやらない
  • LINEやらない
  • パチンコやらない
以上すべてを満たすような人は、世の中ではごく少数みたい。対象年齢は19歳から38歳。 普通に世間話のとっかかりとして「~ってドラマ見てる?」「AKBとももクロだったらどっちが良い?」「パズドラ今いくつ?」「昨日のパチンコどうでした?」みたいな会話がごく普通に、複数の人の間で交わされているんだけど、僕そのどれもに興味がない。話のとっかかりとして僕にも話題振ってくれるんだけど、片っ端から台無しにしてる感。気を遣ってもらってるのに申し訳ないと思いつつ、でも興味ないものは仕方ないしなあ。マジョリティってのはそういうもんかと思って聞いてます。 そういえばその上、J-Popも聞かないし、映画もあんまり見ないし、ベストセラー本を買うことも殆どないし、プロ野球を熱心に見てるわけでも無いし、話合うわけないな。僕だってこんなやつと働くことになったら何をとっかかりにすれば良いか悩むもんな。 ネットの炎上案件とか、東方の新作とか、人気アニメの話題とか、国際情勢のあれこれとか、気象統計の話とか、Tumblrの話とか、そういう話題振りだったらなんぼでも話せるんですけどね。そんな奴は社会的にはそんなにたくさんいないぜ、と。いたとしてもカミングアウトするの躊躇うしなー 「変わってる」くらいかなと思ってたんですけど、いや、こんな人殆どいないわ。世の中に。そうなのか。

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非正規雇用の多い職場における「社員」てただの会社員のことではないのよね

学生時代にアルバイトで働いた経験を考えてくれれば大体わかるとは思うのですけど、「社員」てのは文字通り企業に採用された人間と言うことでは無くて、多くの場合は「幹部社員」的な意味を持ちます。非正規雇用に比べて給与や福利厚生が厚い一方で、課せられる責任が重かったり、労働時間が長くなったりします。店頭スタッフの大量辞職で脚光を浴びた「すき家」を運営するゼンショーの「階級ピラミッド」が解りやすいでしょう。 11_01.jpg (「キャリアステップについて | 【公式】「すき家」ではたらく!」から引用) すき家の分類では、店長、複数店舗を担当する人間ですら非正規雇用(契約社員)であり、正社員はその上のランクに位置づけられています。さすがにこれは正社員の比率が低すぎるだろうと思いますが、でも「社員」とそれ以外のランクの差、大きさについてはどこも大体こんなもんでしょう。

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「日本はなんでサマータイムを導入しないの?」

「ヨーロッパはみんな導入してるじゃん。日本はなんで検討しないの?」 科学的素養があるのではなく子どもと同じくらいの純粋で素朴な感想なので、説得するにはきちんとした理路が必要で、それをスペイン人に日本語で説明するのは難しかったです。イラッときた理由は「ヨーロッパは合理的に制度を作ってるのに日本はいつまで経っても非合理的」という感じのニュアンスが含まれていたためです。しかもよくわかってないスタッフの女の子まで「日本は保守的ですから変わらないんですよ」とか言い出す始末。どう思おうと勝手ですけど、無知な誤解は、しかもステレオタイプを前提とした誤解は気に入りません。 サマータイムについては、毎年のように導入しましょう的な話が持ち上がりますが、検討の末、実施は見送られます。シェフの感想は「明るいうちに活動するから電気代の節約になる」「日没が17時だったら18時にずらせば?」だったのですが、まあなんというかいろいろと素朴すぎるようで……きちんと平易な日本語で説明できるようにまとめておこうかなと。

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「中国人の仕事」と「日本人のストライキ」

スペインにはそういう表現があるそうです。面白いなーと思ったので紹介。

中国人の仕事(Los chinos completa Shishi)

これは、面倒くさくてやりたくない仕事。例えば、白ごまと黒ごまが混ざった中から黒ごまだけを選り分けるとか、お皿にあけた米粒の数を数えるとか。使い方としては、
そんな中国人の仕事、やりたくないよ
みたいな感じ。 なんで中国人なのかはよくわかりませんけど、イメージで言うなら、移民として世界で苦労してる華僑の人たちは、人が嫌がるような仕事もどんどん引き受けていくことで、社会に溶け込んでいったんだろうなあという感じかな。アメリカでクリーニング屋というと韓国系とか、そういうのと同じことなのかなと。その結果としてなのか、スペインは中国資本が幅をきかせているわけで、中国人てすげえよなと思います。好きかどうかはともかくとして。

日本人のストライキ(Huelga de los japoneses)

一方、こちらは日本人のイメージの話。 ストライキというと通常はボイコットのことですね。「こんな給料じゃやってられないから、今日の午後はもうみんなで休んじゃおうぜ」とかそういうのが普通のストライキです。大規模になると、交渉の間業務を停止したりしますね。まあ日本では最近あんまり聞かなくなりましたけど。 で、「日本人のストライキ」というのはどういう表現かというと、「もっと働く」。 最初聞いた時は意味が解らなかったんですが、どうやら、会社が望む以上にもっと働いて給料を払わせて、会社を困らせてやろうみたいな抗議の仕方のことを言うらしいです。「俺らがストライキって言ったらさぼるだけだけど、日本人だったらこうするぜ」みたいな感じか。 この辺も日本人のイメージがあって面白いですね。中国人の目立ち方とはまた違いますが、ヨーロッパで基礎を築いたかつての日本人も、周りの人間の何倍も働いて成果を出し貢献することで、自らの価値を高めていったんでしょう。現代の日本人にそれが出来るのか僕はあんまり自信が持てませんけど、僕らが世界で働くとき……というか僕のように外国人と仕事をするような時でも、先人のそういった努力の恩恵にあずかっているんだなあと少し感慨深く思いました。 ちょっとしたスラングにも、文化的な背景があって面白いですね。

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日本語学校に対する外国人の雑感

中国出身の奥さんが日本の日本語学校に通う様子を描いた井上純一さんの漫画「月とにほんご」。 この中で描かれているのは、日本の大学への進学や日本企業への就職のために日本語検定1級を取得しようと頑張る外国人留学生の姿でした。それを読んで「ああ、頑張ってるなあ」と素直に感心していたのですけど、ただ、日本語を勉強したい人がみんなそんな「正しい」日本語を学びたいと思っているかというと微妙で、そうして学んだ「正しい」日本語は実際には使えないという声もあるようです。 お世話になっているスペイン料理レストランのスペイン人シェフのコメント。

高いお金払って日本語学校行ったんだけど、そこで教えてもらった日本語、いわゆる敬語?そんなの使ってる日本人なんかいないよね。騙されたよね。他の友達もみんな文句言ってたよ。頑張って勉強した日本語を友達に使ったら笑われたとか、意味が通じなかったとか。それで結局、週に2回、実際に使えるカジュアルな日本語を教えてもらえるようになったんだ。 (砕けた日本語に変えてますが実際には外国人の日本語です)
あーうん。解るけどなあ。解るんだけど、敬語は大事だよね。日常会話では全く使わないかも知れないけど、ビジネスの場面では重要。問題はその言葉を使う機会があんまり無いってことで、お店をやっていても「丁寧語」が使えれば十分。「いらっしゃいませ」は言っても「ようこそお越し下さいました」は言わないし、「尊敬語」も「謙譲語」も必要ない。「月とにほんご」を見る限りでは、目的に応じたレベルの日本語学校があって、高いレベルの学校は費用が高いということのようだから、シェフや同級生たちが選んでしまった日本語学校のレベルが不必要に高かったということなんだけど、それはつまり、日本語がわからない外国人が日本語学校を選ぶのは難しいという問題なんだよなあ…… そういうの上手いことマッチングさせてあげられる人や会社やサービスがあれば良いのにね。

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どんな事情があったにしても、暴力は犯罪です。

インドの俳優NTRさん 先日のSWITCH-OVERで会ったやつの恋愛話が盛り上がって、というか愚痴に付き合わされて、家に帰ったら朝5時でした。 話をかいつまんで書くと、

  1. 27歳の男性には、6年くらい付き合ってた彼女がいた
  2. 彼女が浮気をしていた
  3. 浮気相手は何回か会ったことのある相手だったので一度会って話をさせることにした
  4. 待ち合わせ場所で顔を合わせた瞬間に激高して殴った
  5. 警察を呼ばれた→現行犯逮捕
  6. 拘留12日間→書類送検
  7. 彼女の要請で「二度と会わない、連絡も取らない」という誓約書にサイン
  8. 拘置所から出て自宅に帰ったら家から彼女の荷物が消え、彼女の家にあった自分の荷物が置かれていた
  9. でも悪いのはあいつじゃないすか! ← いまここ
正直に言って、浮気されたのは可哀相だと思いますよ。 どんな事情があったかも解らないし、彼女がどれくらい本気だったのかもわからないし(つまみ食いだったのか、もう次の人だったのか)、なんとも言いようがないけれども、でも公衆の面前で人間を殴って現行犯逮捕された人間を擁護するのは無理があります。それ、犯罪ですから。懸案事項を暴力で解決しようとした時点でそれはもうね、事情がどんなに悲惨であったとしても、暴力をふるった人間が一番悪いです。浮気そのものは犯罪ではないけれど(特に相手の男性にとってはただの恋愛だ)、暴力は犯罪です。それを無視して自分に同情を集めようとするのは無理だぜ? 精神的に病んでそうなことをにおわせるのも、彼女が如何に酷いかに熱弁をふるうのも、自分が如何に可哀相かを主張するのもまあ別にやれば良いけど、でもさー悪いのお前じゃん?完全に悪いじゃん?公衆の面前で人を殴って逮捕されて、誰がそれで同情するんだよ。一万歩くらい譲れば、自分にとって許せない事態が生じて、その発露として暴力に訴えると言うことは起こりうるとも言えるけど、でもそのことと「だから俺は悪くない」とは全然結び付かないんだよ。浮気に同情する一方で悪いのはお前。暴力をふるってから「自分は悪くない」は通らないよ。しかも27歳。お前なんなんだよ。 数日経ったんだけど、なんか「いやーな話聞いちゃったなー」という粘っこい感じが拭えない。ので、支障がないと思われる範囲で書いてみた。書いてみたけどやっぱり胸くそ悪い話だなあ。お前も反省しろよ、っていうね。

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