『ストッパー毒島』、読了。

『BECK』『ゴリラーマン』の作者でもある、 ハロルド作石の野球漫画、『ストッパー毒島』をようやく全巻読み終わる。 『BECK』同様、作者の、野球への愛情が凄く伝わってきて、 もちろん気付かずに流して読めば流れていってしまうのだけど、 細かいエピソードや、キャラクター、 要するに、ウェイク国吉のモデルが、ボストンのティム・ウェイクフィールドだとか、 コレは後でナックル・ボーラーとして再生することからわかるんだけど、 助っ人の説明で、『ティム…』までしか言わせていないとか(笑)

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SONY BMG問題。

話の内部にもいろいろな視点があるし、 ここから派生していく問題、さまざまな業界の思惑など、 もうとにかくいろんなところに繋がり得る問題なので、 ニュースで聞きかじっただけで何かを書くのは非常に問題なのだけど、 とりあえず、こういうことをやってるらしいぜ、ってことと、 それに付随する企業倫理、について、批判だけでも。 この問題は、簡単に言うと、 SONY BMG(音楽会社)が、自社製品のCDに、コピー防止用プログラムと一緒に、 スパイウェアと同等の動きをするプログラムを混入させたこと。 コレを明らかにしたのは、マーク・ルシノビッチ氏という方で、 日本では、二日後の11/2に、ITMediaでも『速報』という形で取り上げている。 ITmediaニュース:SONY BMGのコピー防止CDがrootkitを組み込む rootkitというプログラムが、実際にスパイウェアとして運用実績があり、 (スパイウェアという名称が嫌ならマルウェアでもなんでもいいけど) ユーザの検証では、このCDを起動させた結果、 なんらかの個人情報がソニーBMGに送信されているということもわかっている。 意図はともかく、結果として、SONY BMGがスパイウェアを蔓延させたというのは事実のようだ。 このrootkitというプログラム、スパイウェアの中でも特に悪質な物で、 windowsのコードを書き換えて自らの姿を隠す、クロークということもするらしい。 無理に削除すると、windowsプログラムが壊れる可能性もあるとか。寄生? でもって、SONY BMGは、疑惑をすべて打ち消すような声明を出した後、 スパイウェアのみを削除するツールをリリースした…のだが、 これがまた欠陥品で、削除はせずにクロークを解除するだけ、 また、セキュリティ・ホールもあるとかで、またまた批判を浴びる。 ITmediaニュース:SONY BMG、コピー防止CDのrootkit問題に対処 ITmediaニュース:「穴」を広げるSONY BMGのXCPアンインストーラ ITmediaニュース:SONY BMGのXCP削除ツール、批判受け配布中止 もうこうなってくると何が何だか解らなくなってくるが、 その辺は、SONY BMGの人間も同じようで、

同社のグローバル・デジタル事業部門責任者のトーマス・ヘシ氏は11月4日、米ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)のインタビューで「大半の人はルートキットが何なのかも知らないのに、どうしてそんなことを気にするのだ?」と発言(ソニーCDが明らかにしたセキュリティー業界の本質的問題(上)より引用)
したりしていて、 要は、これが悪いって誰が決めた?みたいな態度を取ってるわけで。 でも、ユーザの同意無しに、セキュリティに脅威を与える可能性のあるプログラムを、 PC内に勝手にインストールすることは、 少なくとも倫理的には、許されないことだと思うのだけど… 結果、多くの場所で、ユーザーが裁判を検討または実際に起こし、 米テキサス州では、スパイウェア規制法違反で提訴されてしまった。 ITmediaニュース:電子フロンティア財団もSONY BMG相手取り集団訴訟 ITmediaニュース:テキサス州、スパイウェア規制法違反でSONY BMGを提訴 こういった中で、ビジネス的には、売り上げへの影響は軽微だ、という報告もあるけれども (確かに、購入者全員がPCで音楽を聴いているわけではない) ソニーBMGのrootkit CD問題、売上への影響は軽微–米調査会社発表 – CNET Japan それでもソニーというブランドイメージに対しては、 若干、悪影響があるのではないだろうか… 事件後の対応が最悪だもの。 いずれにせよ、普通の音楽会社が、スパイウェアを仕込む時代になったのだ。 ブルース・シュナイアー氏の主張 ── セキュリティ会社はメディアと結託しており、 今回のように仕込まれたら、我々は発見も出来ずにただ搾取される ── は 多少ヒステリックすぎるとは言え、 あながち、嘘とも言い切れない。 企業倫理とか、過去の美徳、なのかなぁ…。 (だとすると怖くてGoogleのサービスなんか使えないけどね)

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本日の気になったニュース。 – 2005/11/21

大トリで3回転半 浅田真らがエキシビション
 【パリ20日共同】フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦、フランス杯の上位選手によるエキシビションが20日、当地で行われ、女子で初優勝した15歳の浅田真央(グランプリ東海ク)、3位の荒川静香(プリンスホテル)らが華麗な演技を披露した。  浅田真は4種目の優勝者の中でも最後の「大トリ」で登場した。「ちゃんとやらなきゃいけないと思い、ちょっと緊張した」というが、得意のジャンプを次々に決める競技さながらの内容。アンコールではトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を鮮やかに成功させ、大きな歓声を浴びた。 [ 共同通信社 2005年11月21日 7:41 ]
凄いな。 やーやたら騒ぐつもりはないけれども、 ジュニアからシニアに移ってしかも活躍してるって…一体。 可愛いしなぁ。 このまま奔放に育っていって欲しいものです。 (父親の挨拶みたいだ(苦笑))
[MLB Column from East] 「A?ロッドの守備はゴールド・グラブ級」の嘘 – goo スポーツ:NumberWeb –
11月14日、アレックス・ロドリゲスがデイビッド・オーティースを僅差で抑えてア・リーグMVPを獲得した。トータルの打撃成績をOPS(出塁率と長打率の和)で比較したとき、A?ロッド10割3分1厘(ア・リーグ1位)、オーティース10割0分1厘(同3位)とほぼ互角だったが、たとえば終盤接戦時(註)に限ってOPSを比較したとき、A?ロッドの9割3分8厘(同12位)に対しオーティース12割9分3厘(同1位)と、勝負強さという点では圧倒的にオーティースが勝っていた。勝負強さが物を言って、オーティースが指名打者として史上初のMVPとなるのではないかという下馬評も強かったのだが、結果として「打つだけの選手をMVPにするのはいかがなものか」とする意見が優り、A?ロッドがMVPを獲得したのだった。
Number Web上の、李啓充氏のコラム。 能力を数値化する、というのは結構大変なことだと思うのだけど、 MLBでよく使われている数値をいろいろと紹介してくれるので、 この人のコラムは結構面白い。 実際に自分で数値を出して遊ぶのは難しいけれど… OPS(出塁率と長打率の和)くらいなら、NPBでも適用できるかもしれない。 で、今回のコラムで弾き出されているのは、『アウト寄与率』。 これをもって、守備力の高さを測ろう、と言うわけだけど、 コレだって、ポジションによって差があるだろうし、ピッチャーによっても違うはず、 守備率や、エラー数に比べれば、複数球団の同じポジションの選手を比べる際には、 信用できる数字かもしれない。 アメリカ人がとにかくデータ好きなのは有名なのだけど、 (だいたい、日本には、『終盤接戦時』という言葉の定義すらないし) 同じくデータ好きの僕としては、もっとNPBでもこういうことを発表してくれると、嬉しいんだけどなぁ。 そういう機関とか、ないかしら。
[スポーツの正しい見方] 「飛ばないボール」が野球を変えた – goo スポーツ:NumberWeb –
今年のプロ野球はマリーンズの31年ぶりの優勝で幕を閉じ、ポストシーズンはマリーンズの話題一色だったが、振り返れば、ミズノが「飛ぶボール」の供給をやめ、全球団の使用球が「低反発ボール」に統一された年でもあった。開幕後はすっかり忘れ去られてしまったが、開幕前はそれが一番の話題だったのである。
もうひとつ、NumberWebから海老沢 泰久氏のコラム。 そうそう、全く忘れてたけど、 飛ばないボール、話題になってたよなぁ。 ホームランが減って、プロ野球がつまらなくなる、とか言ってた解説者もいたっけ。 じゃあ実際どうだったんだろう?ということを考えると… ホームラン数は、確かに減ったらしい。 文中の数字では、パ・リーグは100本近く減っている。 (セ・リーグは前年から導入していたチームがあったので比較しにくい) でも、ホームラン王に輝いた2選手(パはホークスの松中、セは広島の新井)は、 共に、46本、43本と素晴らしい成績を残しており、 実感として抑えられている感はないなぁ。 むしろ、コラム内の指摘の通り、ピッチャーが勝負しやすくなっている、 しかも、四球が約19%も減っていることを考えると、 ある意味で大改革だったのかなぁ、という気もする。 長距離打者のホームラン数に、それほど影響がないのは、 そういう勝負する姿勢にも関係があるだろうし。 ん、ここでもやっぱり数字だなぁ。 野球はやっぱりアメリカのスポーツなのかなー
「原子力+風力」で水素燃料がガソリン並みに?
カナダ原子力公社(AECL)の研究者、アリステア・ミラー氏とロムニー・ダフィー氏が、原子力と風力を組み合わせて水素燃料を生成する方法を考案したと発表した。この方法で作った水素燃料は、ガソリンと競合できるほど安価になるという。
原子力というエネルギーに関しては… どうしても、原子爆弾、放射能、というイメージが強いせいか、 良いイメージを持たれないことが多いけど、 『事故さえ起きなければ』 最高にクリーンで効率的な発電方法だと思うんだよね。 太陽を動かしているのと同じようなことなわけだし、  少なくとも、火力、水力よりも、自然には優しいと思う。 (放射性廃棄物の問題があるか…決して優しくはないか) 一方の風力、少し前に書いたけど、 発電できるときもあれば出来ないときもある、なんていう牧歌的なイメージは過去のもの、 今の風力発電は、ウィンドファームなんかもあって、かなり実用的になってるんだね。 もちろん、不安定さは仕方のないことではあるけれども、 出来たらいいね的な、ファンタジーではなくなってきてる、と。 で、このニュースは、二つを使って発電してその電気で水素を作り出す… と書いてるのだけど、えーと、よく考えると意味あるんだろうか… 『二つの発電形式で得た電気を水素の形で蓄積する』 という考え方もできるとは思うけど、 なんか本末転倒っぽ。 ただ、現在の水素生成方法に、問題があるのも事実なようなので、 なんらかの改善策は必要…なんだって。
現在、水素はほぼ全てがメタン水蒸気改質というプロセスにより、天然ガスから生成されている。この方法では、電気分解法とは異なり、二酸化炭素が排出されるほか、天然ガスの価格高騰に従ってコストが上昇する。
ITmedia +D Games:NPCからの依頼、村が発展、拠点となる村にもさまざまな変化が――「モンスターハンター2」
カプコンから、2006年2月に発売予定のプレイステーション 2用ソフト「モンスターハンター2(ドス)」(以下、「MH2」)。本作は、独自の生態系を持つ強大なモンスターが住む世界で、時に1人で、時に仲間と協力しながら狩りをし、ハンターとして生活をするハンティングアクションシリーズの最新作となっている。
前回(モンスターハンターG)の発売に関しては、 コレって…ただのパワーアップキットじゃん…ていうか、マイナーチェンジしただけ? と、なんだか裏切られた気もしたもんだけど、 今回は期待して良いのかもしれない。 うむ。

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CAPTCHA

CAPTCHA
Captcha(“completely automated public Turing test to tell computers and humans apart” (訳注: コンピュータと人間を区別する完全に自動化された公開チューリングテスト)の頭文字を取った略語)は チャレンジ/レスポンス型テストの一種で,ユーザが人間であるかどうかを決定する計算処理に使われます。この用語はカーネギーメロン大学の Luis von Ahn, Manuel Blum, Nicholas J. Hopper, IBMの John Langfordによって 2000年に造られました。一般的なCaptchaでは,歪められたり覆い隠されたりしている文字や数字の系列が画面上に表示され,ユーザがその文字をタイプする必要があります。コンピュータがテストを監督することから,人間が監督する標準的なチューリングテストとの対比として, Captchaはときどき逆チューリングテストと述べられます。 (Captchaのアクセシビリティより抜粋)
結構前から見かけるようになっている、CAPTCHA。 アカウント取得する際に、入力が求められることがあります。 コレを入れておくと、BOTではなかなか対応できないために、 無限にアカウントを取得されるのを防げる、、、らしいです。 IP検索に便利な、GEEKTOOLSにもありますね。 G E E K T O O L S やはりこういう技術は必要なのかなぁ。 もう少し、簡単に扱えるようになると良いんだけど。 (それはそれでハックのリスクが高まるか…?)

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本日の気になったニュース。

ITmedia +D モバイル:これぞデザイン端末──“スティック型”Nokia 7380に触ってみた
フランス語のL’Amour(愛)を冠したNokiaの「L’Amour Collection」は、エレガントという言葉がぴったりとくるファッションカテゴリーの携帯電話だ(10月19日の記事参照)。日本の“デザイン端末”とはひと味違う、飛び抜けた形状を持つスティック型端末「Nokia 7380」に、オーストラリアのシドニーで触ってみた。
最近は日本でも、デザインを優先させた端末が多いなぁ、と思っていたのだけど、 これを見ると、やっぱり違うなぁ。 正直、採算取れてるのか全然わからないけど、 見る分にはものすごく綺麗だもの。
単なる道具としてだけでなく、海外ではステータスシンボルやファッションアイテム的な意味合いで携帯が使われることも多い。SIMを抜き差しするだけで端末を交換できるGSMだけに、こうした飛び抜けたデザインの端末も登場するのだろう。(文中より)
あ、そうか、SIMを抜き差しして携帯を使うから、 携帯本体そのものも、着せ替えられるんだ。 だから、こういう端末も、市場があるんだ。 電話帳データなどを、SDカードで共有していれば、 データは保持したままで、端末だけ交換…というのも出来るのかな? 日本には無い形式だなぁ…
ITmedia +D モバイル:「満足度の高い携帯メーカー」1位はカシオ?J.D.パワー調査
J.D.パワー アジア・パシフィックは11月17日、携帯電話の顧客満足度調査で、2005年の結果を発表した。携帯メーカーの中では、カシオ計算機が満足度トップだった。
へー。 ところで、カシオってどのくらいシェアあんの?てのが凄く気になった… 多分、携帯端末のシェアは、NECとPanasonic辺りだと思うんだが、 そのNECが最下位ってのもなんだか笑える。 (ケータイWatchによると、2005年第2四半期のシェアは、 『1位パナソニック(18.3%)、2位はシャープ(16.6%)、3位NEC(14.4%)、4位東芝(12.7%)』だそうである。 IDC調査、2005年第2四半期の携帯出荷でNECが3位に後退去年と比べて全然違うデータになってるのも興味深い。

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ITMediaが遂にRSSフィードを配信

恥ずかしながら、毎日通ってるのに全く気付きませんでした。 hail2u.netさんの記事を見て初めて知った次第。

hail2u.net – Weblog – ITmediaがフィード配信を開始
ITmediaほぼ全てのコーナーでフィードの配信を始めたようなので、勝手に作っていたフィードを削除しました。RSS 0.91とRSS 1.0、RSS 2.0が用意されているとかいう無駄に豪華な感じですね。一応、RSS 1.0のフィードへリダイレクトさせておいたつもり。
確かに…無駄に豪華だ(笑) 取り敢えず何から始めるべきなのか迷うんだが、 まぁあれか、トップページだけ押さえておけばいいか。 +Dのトップページと… アレ、ニュースはないのね。 エンタープライズは、技術的な話になるとターゲット外れることが多いんでパスしつつ、 本当は速報辺りをRSS配信してくれると嬉しかったんだけど、ない。 まぁしゃーないか。 で、その配信内容だけど、 大方はタイトルのみ、あっても見出しまで。 うーん…記事にちょこっとだけ付いてるイラスト、というかコラージュというか、 アレ結構面白かったし、あの辺は配信してくれても良いんじゃないかなぁ。 なんだか、『おっ』感が少ないRSSに感じた。 気のせいでしょうか。 RSSも難しいなぁ。 でもまぁ、リーチしやすくなったのは確か。 それでも毎日行くと思うけどね。 こういう仕組みって、情報を売るには大切だよなぁ。

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最近HDDから異音がする件について。

自分のPCがあんまり信用できないので、 データ類は基本的に外付けのHDDに放り込んでるわけだが。 先日、このHDDが異音を発し始めた… すぐに収まったんだが、予断を許さない状況。 ドライブ開いてマジやばそうなデータ、写真データなどを、 大急ぎでDVDに焼く。 WEB関連のデータは、 ある意味でサーバにバックアップ取ってるみたいなもんなので、 大して重要ではないわけだが、 写真はキツイ。 今のところ、状況は落ち着いており、クラッシュにはなってないんだが、 うーむ。ちょっとやばそう。 昨日は、書き込めなくなったし。 (再起動したら直った) このPCではRAIDも組めないしなぁ。 もう一台、HDD追加かなぁ。 (それより、PCを何とかしろと…) とまぁ、貰えない可能性も高まりつつある冬のボーナスで 密かに皮算用。 PC組むか。

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日本サッカーについて:決定力を放棄せよ。

久々に、サッカーの話でも。 サッカーの話って、試合の度に、むしろ試合がないときでも、 凡百の『自称:解説者』がしているわけなので、 まぁ今さら言う必要はないのだけど、 イマイチ盛り上がらないまま終えた(個人的には結構面白かった) アンゴラ戦を見ていて思うことがあって何となく。 基本的に、この手の話はどこに視点を置いて喋るかによって全く違ってくるので とりあえず何か一つのことを認めるという過程から出発するのが分かりやすいと思う。 良く言われる、決定力不足。 この問題は深刻且つ、解消すべき問題ではあるけれども、 解決はそう簡単ではない。 むしろ、単純すぎるのかもしれない、 例えば、卓越した一人のストライカーが出てくれば、それで解決してしまうのかもしれない。 でも、実際問題、誰か優れたプレイヤーを待つ、というのは現実的ではないし、 逆に言えば、そのひとりがいない限り、本質的には解決しない。 だから、この問題はここでは諦めてしまおう。 つまりこういうことだ、30本シュートを打って、点が入らなかったとする。 それに対して、決定力不足だ、と嘆くのではなく、 50本打てば良かったと解釈する。 もちろん、決定力が高いに越したことはないが、 確率が低いのであれば、母数を増やすしかない。 となると、現状で、日本が取るべき戦略は、 如何にチャンスを多く作るか、と言うことになる。 このことは、実はあんまり世界のクラブサッカーの流行には即していない。 チェルシーなどの例を挙げるまでもなく、 現在の世界を席巻しているスタイルは、『攻撃的なカウンターサッカー』だ。 パスで守備を崩す手間すら省く。 そして、点を与えず且つ、決定的な点を取る。 が、日本はそれを効率的に行うのがどうやら苦手だ。 決定力はあくまで確率論であるので、 それが一回目に来て、成功することもある(格上とやるときなど)、 でもそれは、カウンターサッカーではなく、 あくまで普段の延長線上でしかない。 日本が生き延びる道は結局は、 中盤(センターラインよりも後ろ)の支配、そして、重要なのはバックラインだ。 相手の攻撃機会を、玉際だけでなく、スペースの支配でも摘むこと。 比較的保守的な宮本の指揮のせいなのか、 日本の中盤とバックスの間には、たびたびスペースが生まれる。 そこを突かれて失点というパターンが最も多い。 そうではなく、本来は、そこを抑えてボールを奪い、 攻撃機会を増やさなくてはいけない。 良く、高い位置で中田、中村がボールを持てるようにというのだが、 もしかすると、それすら不可能かもしれない。 中盤はもっとも人の集中する領域だし、 元々2人にはマンマークが付くことも多い。 だから、サイドアタッカー(小野やサントス)や、 3人目の司令塔(松井や小笠原)が重要になる。 でもそれも、ベッカムのような決定的な仕事ではなく、 ワンクッションまたは、チャンスメイクのためのセンタリング。 日本には、屈強なDFに対抗できるFWは残念ながらいない。 身体能力で振り切れるFWも今はいない。 ということは、エリア外から詰める(飛び込む)、 または、ラストパスを送る必要がある。 中田、中村は稀代のパッサーだが、 役割は、いわゆるラストパスではないと思う。 今日の得点シーンは、リスタートでまだ体制が整っていないところから、 柳沢へのパス、折り返しを松井が押し込んだ。 中田、中村に求められるのは、アシストではなくて、 むしろ、展開のための精度の高いパス。 だとすれば、高い位置で彼らが組み立てる必要もないわけで。 ゴールから遠い位置でボールを持っても、 それを捌くクリティカルなスペースが、サイド、または敵陣のギャップに在ればいい。 そこに、誰が、侵入できるかの方がよっぽど重要だ。 その誰かがそこで組み立てられれば、それはチャンスとなりうるし、 高い位置まで運んで組み立てるよりも、 多くの機会を得られる。 そういう意味で、今年のサントスには不満が残る。 彼にはイマジネーションがない。 点を取るためだけのセンタリングでは、日本は点を取れない。 (Jリーグでは点が取れたとしても) 小笠原も同じ。 小笠原は良い選手だが、前線での組み立てに向いていない。 中田のスケールダウンバージョンでは、役に立たない。 司令塔というのは、排他的ではなく、 常に、共存でき、互いに相手を使えるようでなくては、いけないのではないか? 中田、中村、小野を共存させたジーコの戦略には、 賛否両論あるけれども、 そういう意味では、意義のある戦術だったかもしれない、と思い始めている。 少なくとも、小野には、指令を受けた上で、 さらに司令塔となれる能力があると思う。 (中田、中村が上手く行くようになったのも、その辺りの意識の変化ではないだろうか?) -- 決定力は上がらない。 だから、そこを責めるのはよそう。 でも、それを認識するところから、目指す方向は見えるはずだ。

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