昨日(だっけ?)、こんなニュースが飛び込んできて少々驚いた。
ディープインパクトが薬物検査に引っかかった。日本中央競馬会(JRA)は19日、仏G1・凱旋門賞(1日・ロンシャン競馬場)で3着したディープインパクト(牡4歳、栗東・池江郎)の検体から禁止薬物が検出されたと、フランスの競馬統括機関であるフランスギャロから報告を受けた。
日本だと、薬物違反という話を殆ど聞かないのだが(レース後、必ず検査は行われる)、
それは日本のモラルが高い…というわけではなくて、
フランス(というか欧州)の基準が日本のそれよりも厳しい、と言うことらしい。
そのことに、驚いた。
自転車競技における
EPOに対する対応にも見られるとおり、
近年の欧州では、スポーツにおける薬物使用に対して、
より厳格になってきている…のだけど、
まさか、それを、競走馬にも当てはめているとは思わなかった。
人間の関わるスポーツという視点で言えば当然なのだけど、
日本では、そこまでの、モラリティを競馬に求めるだろうかという…うーん。
イプラトロピウムは呼吸器系に作用する気管支拡張薬だが、JRAが禁止する52品目65種類に入っていない。ところが馬の体内に存在しないすべての物質を対象とする欧州では、競馬施行規程で禁止薬物として指定されていた。
馬に対して薬品を投与するのは普通のことだし、
呼吸器系統に問題があれば、『イプラトロピウム』を投薬することもあるかもしれない。
欧州でも、薬物の使用は全般的に禁止、と言うわけではなくて、
競技に影響しないように配慮すれば、ある程度はOKと。
(もちろん、馬の体調管理など正当な理由が必要だが)
「薬物はフランスの獣医師が処方した。獣医師は(投薬を中止するべきタイミングとして凱旋門賞の)最低5日から1週間前と指示したが、守られなかったことは明らかだ」と説明。処方上の注意を守らずに日本側の調教師らがレース直前まで投薬を続けたことが原因との見方を示した。
この記事によれば、
フランスの獣医師は、レースの期日にあわせて投薬期限を設けていたが、
厩舎関係者がその指示に従わなかったとある。
多分、日本では禁止薬物に指定されていないことなども含めて、
レギュレーションに対する無知が原因なのでは。
(一応、レクチャーはあるみたいだけど)
スポニチの記事には、
外競馬に精通する合田直弘氏は「ブラスハットはレース23日前まで使用可能とされていた薬物の使用を25日前にストップさせたのに陽性反応が出た。海外遠征では環境が変わるので馬も便秘になったり、新陳代謝が落ちることがよくある。そのため、薬物の体内残留期間が思った以上に長くなってしまったのではないか」とし、今回のケースはその可能性が高いとの見解を示した。
とある。なるほど。
特に、相手が生き物で、一頭一頭違うから、
実際にやってみないと分からないなんてことはざらにあるわけで。
それもまた経験だ。
凱旋門賞のレース後に、
ローテーションについて海外メディアで批判(というか評論)があったが、
そういうことも含めて、まだまだ経験不足な感じである。
やっぱり、馬を連れている以上、普通の競技よりもさらに、
海外に出にくいところ、あるしなぁ。
また、これを糧として、
さらなる先の夢を見ることにしよう。
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