リーズナブルで高品質な回らない寿司でした。かつては
祖父母が存命の頃から、誰かの誕生日があると家族で行くような僕らにとってはそんなお寿司屋さんでした。おかげさまでカウンター越しに注文するのにも慣れ、好きなネタを好きなように食う生意気な小学生に育ちました(決して裕福な家庭というわけではない)。入船鮨さんはリーズナブルなのに高品質、特に登呂店のカウンターで働いていた職人さんたちはみんな情熱と遊び心に溢れていて、子供だけでなく大人まで楽しくなるような仕事ぶり。大好きな店だったなあ。
僕がブログで「すしブロマイドシリーズ静岡編」として紹介してきた寿司は全て、この入船鮨登呂店さんのカウンターでいただいたお寿司です。
さより : すしブロマイドシリーズ。【静岡編 2010/01】
しかし昨年末訪問した時の体験が最悪すぎた
そんな入船鮨登呂店さんだったんですが、昨年末実家に帰省した際に久しぶりに行ってみてとても驚きました。とても営業していい水準のクオリティではなくなっていて、変わらっていないのは快活な若女将と値段だけ。年末に行った寿司屋が残念すぎた
とにかくネタがない、人がいない、接客も適当。人がいないから仕事も簡略化されていて、寿司そのものもクオリティが低い。それでお値段変わらず。
40年以上愛し続けたお寿司屋さんでしたがさすがに酷すぎて、食事途中で席を立ちました。お寿司がどうこうとかではなく、家族との食事を楽しむという雰囲気ではなかったんですよね。むしろ来てしまったこちらが場違いのようなそんな雰囲気。新型コロナウイルスの影響で営業が厳しくなったせいもあるんでしょうけど、こんな形で営業するぐらいなら休業していて欲しかった。
そして閉店
まだ食べログには「閉店」の記載がありませんし公式サイトにも記載はありますが、両親からの情報によるとどうやら閉店された模様です。本店その他の店舗はまだあるみたいなので、入船鮨さんそのものが倒産したというわけではないようですけど、少なくとも登呂店はなくなりました。そりゃそうだろうなあ。あんな経営してて気持ち良く食事出来る人なんていないよね。Googleマップのコメント見ても、食べログのコメント見ても、2年以上前は絶賛コメントばかりが並んでいるのに、ここ1年ぐらいは僕と同じような体験をした人の割合が非常に高い。コメントと僕自身の体験を合わせて考えると、貧乏くじ引かされた職人さんが1人で敗戦処理させられていてモチベーション上がらないから仕事はおざなり、若女将がシフトで休みの日には受付までやらされて
もうほとんど「辞めさせ部屋」みたいな扱いになっていたんだろうなと想像します。酷かったもんね。街中のゴーストレストランの方がまだ仕事してた。
R.I.P.
大好きだった店、そして今はもう死んでしまった店のことを死後、あしざまに言うのは品がないかなと思うのでこの辺で止めておこうと思いますが、あの登呂店の異様な雰囲気は正直言って入船鮨さんの他の店舗に行く気も削がれる感じです。本店や南店に行けば今でもきちんとした食事が出来るんだろうとは思うんですけどね。あんなに美味しい寿司を出してくれてたのになあ。会話好きの職人さんたちと盛り上がっていた頃が懐かしいです。皆さんまだ他の店舗で働いてらっしゃるのかしら。これもまた、諸行無常ということなのかなあ。