年末に行った寿司屋が残念すぎた

ミル貝
子供の頃から定期的に通っている寿司屋(回らないやつ)がありまして年末に帰省した際に行ってきたんですけど、ここ何十年の中で1、2を争うぐらい残念な営業でなんかもうちょっと長年の愛着心が折れかけました。新型コロナウイルスの影響が大きいとはいえちょっとなあ。。次帰省できるのがいつになるかはわからないけど、もう行かないかも。それぐらい。






残念ポイント

  • 営業してるのに職人が1人しかいない(それも半人前の若手1人とひたすら出前用の寿司を握ってる。通常は3人ないしは4人いる)
  • 手が回ってないから接客対応もすごく悪い(ただし、職人さん本人は良い人で接客したい気持ちはある)
  • 寿司ネタが殆どなくあってもごく少量
  • 人手不足から工程を簡略化 → 焼き穴子を炙らずにタレ塗って出すなど
  • ウニが傷みかけてた。不味すぎて客に出すクオリティじゃない



ネタがない

営業しても客が余り入らない、店に行くのを控えて出前にする人が多い、年末で明日から休みで仕入れを絞ってるなどの事情があるのは重々承知の上で、しかしそれでもカウンターに座ってある程度のお金を払って寿司を食っているわけだから、それに見合う分のものは出してもらいたいわけです。仕入れを絞りまくってネタが無いならむしろ「今日あるネタはこれだけです!」みたいのを書いて提示してくれている方がまだストレスが少ない。

職人さんの数にしても、最盛期には表のカウンター内に3~4人、裏の厨房にも3~4人いるようなかなり大所帯の寿司屋だったんですよ。それだけ席数も来客数も多いし注文も多かったということなんですけど、それが今や退職して補充していないのか、本店に異動になっているのかわからないけど、表に1.5人、裏に1人。以前は出前の寿司は裏で握っていたんですがそれも止めて、若手がカウンター内でひたすら握っている状態。つまり表と裏とで別にネタを持っておけないんですね。在庫を絞って表だけに集約してるってこと。



接客がヤバい

そんな状態で客が10人ぐらい入ってるんで、正直接客どころじゃないわけですよ。1人しかいない職人さん(肩書きは店長)は2組の相手をした上で若手を指導しつつ自分も出前や座敷の握りを握っている状態で、カウンターの寿司だけど客の注文を聞けない状態。追い詰められすぎてて返答もかなりおざなりで、普通これ怒るよなあ、みんなよく耐えてるなあという対応。あとで手が空いたときに話をした限りでは本当は愛想が良くて良い人だってことがわかったんだけど、いやあ。あかんでしょ。

あとこれも人手不足のせいだと思うんですけど、工程を省略しているネタが多かったですね。特に現場でする工程。炙りとか煮切りとか薬味とか。生きた貝を水槽から出してきて捌いてくれたのは嬉しかったしめちゃくちゃ美味しかったので、やりたいという意志はあるんだと思うんだけど現実の壁がなあ。あるもんなあ。



40年の愛も冷める

自分が飲食の仕事をしていることもあって様々な事情が見えてそれにかなり同情する部分はあるんだけど、しかしそれを勘案したとしても残念すぎました。

好きな、というか、子供の頃から連れて行ってもらっている寿司屋だからかなり愛着があって応援もしてたんですけど、こういう営業されてしまうとなあ……愛も冷めるというものです。旅行じゃなくて帰省だったからまだ良かったけど、これが旅先の期待して行った飲食店だったら途中で席を立って食べ直しですね。

営業が苦しいのはわかるけどあの営業では客も客じゃなくなっていくんじゃないかな。しんどい局面で頑張って営業しているのはわかるんだけど……あの店もそろそろ潮時かなあ。確か静岡市内に4店舗あるはずなんだけど、本店と繁華街の店舗に集約していくんでしょうかね。その繁華街も散歩したらだいぶ寂れてて大丈夫か静岡って感じだったけど……



悲しみを伴う変化はツラい

最終的にあんまり数を食べられずに腹八分目で席を立ったんですけど、まあなんかね、ネタも無いし注文もスムースに行かないしで疲れちゃったんですよ。これなら家帰って母親が自分たちの正月用に仕込んでたおでんでも食べる方がいいかなと思って。

きっとこの寿司屋だけでなく、日本全国の様々な飲食店で起きている現象なんでしょうけど、これが淘汰ってやつなんですかね。ただ消えていくだけなら良いけどこうして悲しいものを見てしまうとちょっとツラい。もう前みたいに戻る日は来ないのかなあ。素直に回転寿司行っておけってことなんでしょうか。ツラいなあ。