2009年のWBC決勝韓国戦で決勝打を打ったイチローが喜ばなかった理由こそがイチローらしい

例えばMLBではホームランを打ったあとの派手なガッツポーズはマナー違反とされています。それが打たれちゃピッチャーのプライドを傷つける行為だとされているからです。マナー違反があった場合、相手チームの投手から本人またはチーム主力選手に対して、四球やブラッシュボールなどの報復措置が行われることもあります。いわゆる「unwritten rules」、ルールブックには書かれていないが守らなければならない不文律とされているルールです。

イチローの振る舞いもそうした行為の一部だと思ってました

彼なりに相手の投手の気持ちを考え、プライドを守るために努めて冷静に振る舞ったのだと。でも違ったんですね。

イチロー氏はこの試合、同点で迎えた延長10回の第6打席で中前へ決勝点となる2点適時打を放った。だが、この時も喜びを表には出さず。この時のことを「じゃあ僕はどういう振る舞いをしたらいいのかというのを走りながら考えるんですよね。ダグアウトを見ると、きっと日本チームみんなが喜んでくれている。見たら、僕もそれに応えなきゃいけないんで見てはいけない。だから僕は見なかったんですよ、ダグアウト」と明かす。

　さらに、こう続けている。「相手にとって、一番屈辱は何かと考えたんですよね。それは僕が喜ぶことじゃないと思ったんですよ。いつも通りしていたら、それはもうこいつには敵わないと思うとしたら、それだと思ったんですね」と、韓国戦での胸の内を語る。

日本中熱狂のWBC決勝・韓国戦での決勝打　イチロー氏が喜ばなかったワケを語る | Full-count | フルカウント　―野球・MLBの総合コラムサイト―

相手のプライドを傷つけないどころか、相手が一番「こいつには敵わない」と感じる所作は何か？ということを考えた上での行動だったと。たしかにまだ10回表であり、裏には韓国の攻撃機会がある。試合はまだ終わってない。ここで満足して付けいる隙を見せてはいけない。

目の前に起きたことの、その先のことを考えるんですよ。そうすると、割と冷静になれる

いやーそうだったかー。イチローってなんというか冷静に振る舞っているように見えて、「スカしたヤツだ」と思いがちだけど、こういう熱いところを持ってて、たまに明かしてくれるから好き。言わなければ冷静で落ち着いた人だと思われると思うんだけど、それを良しとしないというのもあるんでしょうね。聖人君子みたいな「イチロー」像よか、こういうイチローの方が断然好きです。いいなあ。

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