怪物はあと100年は出現しないんじゃなかったのか?

先日、千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手が完全試合を達成しました。しかも1試合だけ飛び抜けて素晴らしかったわけではなく、今シーズンは複数の試合で対戦相手を圧倒(ドミネーション)する活躍を見せています。彷彿とさせるのは年間24勝したシーズンの田中将大投手。しかし「100年の一度の怪物」ってこんなに頻繁に出現するものでしたっけ?










「○○年に1度の選手」

非常に優れた選手を表現するのに定番の言い回しです。直近20年ぐらいの投手で言えば、昨年引退した松坂大輔元投手は確実にそう呼ばれた選手でしょう。なんといっても「松坂世代」の筆頭格ですからね。ただこの「○○」に入る数字が年々小さくなって行ってるようにも思うんですよ。松坂さんが出てきたときに何と言われていたかは覚えていませんが、確実に「30年に1一度の選手」であろうしメディアによっては「100年に1度の選手」と行っていたかも知れません。プロ野球の歴史を考えると「100年に1度」はつまるところ「史上最高」という意味でもありますが。



ダルビッシュ有投手登場

松坂さんのような圧倒的な実力を持つ選手は確かにそう頻繁には現れませんが、しかし人というのは不思議なもので、「こんなすごい選手は2度と現れない」と思っても実際には現れてしまうんですよね。松坂さんのあとにはダルビッシュ有投手が現れました。2人とも高校卒業後にプロ野球入りしていて松坂さんが現在41歳、ダルビッシュ有投手が35歳なので登場は6年後ということになります。30年とか100年とかどうなったのか?

ダルビッシュ有投手が素晴らしい投手であることは異論のないところだと思いますし、ダルビッシュ有投手もうやはり「○○年に1度」と呼ばれるにふさわしい存在でしょう。アレだけストレートを投げ、アレだけ多くの超一流の変化球を持つ投手は今までいませんでした。今年はMLBでも好調で、調子が良いときのダルビッシュ有投手は手が付けられません。今度こそ、向こう50年は比肩する党首は現れないでしょう。



田中将大投手登場

……と思うじゃん?ところが、田中将大投手が登場しました。田中将大投手は現在33歳でダルビッシュ有投手の2歳下になります。田中将大投手も高校卒業後にプロ入りしていますから、ダルビッシュ有投手登場の2年後に田中将大投手が登場したことになります。おい。早すぎないか。このままではダルビッシュ有投手は「3年に1度」になってしまいます。いやいやいや、そんなわけ無いだろ。過去の歴史を振り返ってみてもダルビッシュ有投手または田中将大投手といった超一流の投手が3年に1度デビューしたなんてことはないはずです。

たまたま2年空けて連続して登場しただけで、この先何十年もこんなすごい投手は現れない……普通はそう思いますよね。



大谷翔平選手の出現

いやあ、予想を大幅に上回る超一流が登場してしまいました。大谷翔平選手。大谷翔平選手は現在27歳ですから、田中将大投手の6年後ということになります。6年ですよ、6年。SSRガチャ引くのにだってもうちょっと時間掛かるでしょう。どんだけ課金してるんだっていう話です。投手としてのレベルで見て大谷選手がダルビッシュ有投手や田中将大投手と比べてどうかという点については議論の余地があるかも知れませんが、大谷翔平選手は投手というくくりだけで判断出来る選手ではありませんよね。ダルビッシュ有投手も打撃は悪くありませんが、大谷翔平選手のようなホームランは打てません。

しかもプロ野球で活躍するだけでなくMLBでも大活躍し、2021年シーズンはMVPまで獲得してしまいました。日本人選手のMVP獲得はイチローさん(2001年)以来20年ぶりのことです。そういう意味で大谷翔平選手は確実に「20年に1度」の選手ですし、MLBでの記録において比肩する選手がベーブ・ルースさんしかいないことを考えると「100年に1度」といっても言いすぎではないでしょう。今度こそこれを超える選手は出てこない。。



そして、佐々木朗希投手ですよ

誰もがそんなことを思っていた2022年シーズン、満を持してフル稼働を始めた佐々木朗希投手が完全試合を達成してしまいました。しかも次の登板でも8回まで完全試合を続けるという離れ業。生涯一度の奇跡的な投球で完全試合を達成する選手というは稀にいますが、佐々木朗希投手の場合には内容も凄まじい。プロ野球選手相手に19奪三振って一体どうなってんの。しかも自己最速164km/hを投げ、今シーズンのストレートの平均球速は160km/hを越えます。大谷翔平選手でさえ平均球速は155km/h前後なのに……

球速が速い投手は一般的にコンロトールはあまり良くないものですが、完全試合を達成できたことからもわかるように佐々木朗希選手はものすごく速いボールを投げながらコントロールも抜群に良い。反則やんけ。

佐々木朗希投手は3年目ですしこれからどんな投手になるのか、松坂投手やダルビッシュ有投手、田中将大投手、大谷選手比肩するような選手にまでなるのかはまだわかりませんが、怪我をせず順調に成長していけば近い将来MLBで活躍することになるでしょう。そしてきっとバーランダーのような圧倒的な投球を見せてくれるはずです。さて佐々木朗希選手は何年に1度なのか?



「100年に1度」は100年の間に何度も出てくる

田中将大投手が出てきたからダルビッシュ有投手の表現を「3年に1度」にする必要はありませんし、同様に田中将大投手が「6年に1度」になることもありません。具体的な数字についてはともかく、彼らが何十年に1度しか登場しないような素晴らしい選手であることには変わりがなく、それが後に出てきた選手で変化するものでもありません。理屈には合いませんが、現在の日本人野球選手には、「100年に1度」と呼べる選手が同時に4人も存在していると言うことになります。つまり「100年に1度」と呼べるレベルの選手が次に出てくるのは100年後ではなくて良いということだと思うのです。何度出てきても「100年に1度」と呼んで良いし、「100年に1度」の価値が下がることもない。


MLBを見てみればスーパースターと呼べる選手は毎年のように出ていますし、日本のプロ野球もそれに近い状態になってきたのかも知れません。今と昔とでは育成もトレーニングも全然違いますしね。素晴らしい選手が長く活躍できるようになっていますし、若くして怪我に苦しむ割合も少しずつ減ってきました。これからも何人もの「100年に1度」が見られることを楽しみにしたいと思います。


すごい時代になったもんですね。