うま味調味料ってあんまり好きじゃないんですよ
いや別に化学調味料(いわゆるMSG)が健康に悪いという説を信じているわけでは全くないんですけど、なんですかね、誤魔化しな気がするんです。酷いものになると出汁だとかコクだとかを強調した商品にしれっとうま味調味料が添加されてたりする。そういうのを見ると「やっぱりうま味調味料に頼らないと美味しく出来ねえんじゃねーか」って思います。そこをどうにかするのが料理の腕なんじゃねえのかと。あと印象的なのはマンガ「包丁人味平」のラーメン祭りでのエピソードかな。プロ料理人が集う大会に素人も参加して行われた予選で、複数のラーメンが同じになっていた、その理由はそれがうま味調味料で味付けされたものだったからだ……というの話があって、実際そこまで同じにはならんだろとは思いつつでもうま味調味料を使うというのはそういうことですよね。要するに「高速道路」なのでね。
でもやっぱりうま味調味料ってすごい
で、表題の件です。素焼きミックスナッツだけだとすぐ満足するのに、素焼きミックスナッツと柿の種だと永遠に食える
ローストナッツって普通、油と塩を使ってます。喉が渇く分、お酒を飲んでるときの乾き物としてはいいのかも知れませんが、一般的には塩分過多とカロリー過多の原因になります。なので買うときはだいたい「素焼き」(ローストしただけ)のものを買うのですけど、それはそれで割とすぐに飽きる。満足して「もういいかな」ってなります。
あるとき素焼きのミックスナッツがちょっと物足りなく感じたので、たまたま一緒に買ってた柿の種を混ぜて食べてみたんですよ。するとね……その「柿の種の粉」がまぶされた素焼きミックスナッツはもう永遠に食えるんですよ。お腹いっぱいになるまで。いつまで経っても美味い。飽きない。
柿の種はもちろん様々な味付けがされてますし、それがすべてうま味調味料(調味料(アミノ酸等))のせいってわけではないのかも知れませんが、まあでもこの何でも美味しくなるというのはうま味調味料の特徴でもあります。MSGいわゆる化学調味料が忌避される原因になったのも、それそのものの問題というよりはそれを使うことで濃い味のものが美味しく食べられてしまって塩分過多になったということらしいですし、結局「うま味」以外の味を感じなくさせるのがうま味調味料ってことになるんでしょうか。そう考えるとちょっと怖い。
昔居酒屋でお世話になった社長(元和食料亭料理人)が言ってました。和食料理人の会合では濃い味のものは食べに行かないし、スパイスの強いカレーすら食べないと。味がわからなくなるそうです。もしうま味調味料に慣れすぎてしまったら、うま味以外の様々な味がわからなくなってしまうのかも……
ご利用は計画的に
とはいえまあ、クオリティのことを難しく考えないのであれば、うま味調味料ほど便利なものはありません。以前フードコートで働いていてまかないを任されていたとき、おばちゃんたちに好評なのは「創味シャンタン」をしっかりつかった炒めものでした。わかる。美味しいよね。いつでもどこでもうま味調味料ってのは違うよなーと思うし、料理動画とかレシピ動画とかで簡単にうま味調味料入れるのは勘弁してくれとも思いますけど、忙しいお母さんが料理にささっと入れるというのにはとても有り難い存在だろうなと思いますし、使い処を上手く選べば有用かもしれません。つまり何ごともやりすぎはダメってことです。強力な武器も使い方次第。
ご利用は計画的に。