わかさ生活は10年早かったんだなあ(少しずつ盛り上がりつつある女子プロ野球)

少女野球のイラスト
プロ野球球団が女子プロ野球チームを持つようになり、競技人口が増えているそうです



昨夏には全国高等学校女子硬式野球選手権大会の決勝戦が阪神甲子園球場で行われた。さらに昨年には阪神が、今年は巨人とNPB球団が続けて女子野球チームの運営に参入するなど、日本女子野球界は先人たちの歩みをより大きく発展させることができそうな転換期を迎えている。

巨人阪神の参入、東京ドームで決勝戦、イチローも対戦…新時代を迎えた女子野球の現在地とは? プロリーグ消滅も競技人口は300→2000 – 高校野球 – Number Web – ナンバー


女子野球選手にはこれまで高校以降、競技を続けられる環境がありませんでした。確か友人の妹も「中学まで軟式野球をやっていたけど高校ではチームがないのでソフトボールに転向した」といっていたような気がします。ボールを投げて打つという意味では親戚のようなものですが、それでもソフトボールと野球とではまったく違うスポーツですし、野球を続けたいと願いつつも続けられなかった女子野球選手は他にも多くいたと思います。



女子プロ野球リーグは2021年末に活動中止

京都に本社を置く「わかさ生活」(株式会社わかさ生活)が女子プロ野球リーグを立ち上げ、参加企業が手を引く中1社で支えてくれていた時代もありましたが、新型コロナウイルスの影響か2021年で活動を終了してしまったそうです。


健康食品会社の『わかさ生活』が設立した日本女子プロ野球機構によって、2009年から日本女子プロ野球リーグが発足したが、運営難により2021年を最後に無期限の活動中止となった(リーグ戦が開催されていたのは2010年から2020年まで)。

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記事内ではこれを機に各チームに選手が散らばって盛り上がる礎になった的なことが書いてありますが、京都在住でわかさ生活の広告物を目にする機会が多かった自分としては、プロ野球球団始め多くの企業がもっと早くに目を向けて協力してくれていたらわかさ生活があんなに苦労することはなかったのにと残念に思うも気持ちの方が強いです。かつてライブドアがプロ野球界に参入しようとしたときのアレルギー反応と同じく、部外者の活動に冷淡なのは今も変わらないような。


まあ、わかさ生活のことなので、あまりに独自で突っ走りすぎて協力を求めたり環境を整備したりといったことをしてこなかった可能性もありますが(トップの性格上そういう企業文化の会社なので)、「女子野球」という存在がまったく認知されていなかった2000年代には他の企業が参加する土壌が醸成されていなかったとも言えますし、わかさ生活が10年以上早かったんだなあとも。



現在の流れからの女子プロ野球復活は?

もしかして今ならもう少し上手くいけるかなと思いますけど、しかし「プロ」の見立ては冷静です。


運営を担う1人である畑野幸博氏(阪神タイガース事業本部振興部部長)は「興行化していくにはもう少し時間がかかると思いますが、そこに向けたアプローチには可能性を感じています」と話す。

 まずは“輪”を広げていくことに重きを置いており、大事なことについては「拙速にならないことです。一番大事なことは長く続けることだと思います。その中で、できるだけ多くの方に見てもらえるようなスポーツに発展させていけたらいいなと思っています」と、地に足をつけた成長を目指している。

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プロ野球というスポーツ興行の最前線で長きにわたって活動してきたプロなので、それが採算取れる事業になるかどうかについてはやはり厳しい。わかさ生活の意欲は大いに買いたいけれど、経験も何もない中短い準備期間で立ち上げるのは無理があったんだなあと。「日本女子プロ野球機構」設立、構想発表から開幕まで9ヶ月しかないですからね。もうちょっと時間を掛けるべきだったのかも知れません。


日本女子プロ野球機構(にほんじょしプロやきゅうきこう、通称:JWBL)は、2009年8月17日に日本における女子プロ野球リーグ創設のため、わかさ生活を株主として設立されたプロ野球リーグ運営法人。商号は一般社団法人日本女子プロ野球機構。本部は京都府京都市[3]。

日本女子プロ野球機構 – Wikipedia


まあわかさ生活としては女子野球が広まって目的は果たしたとも言ってるみたいですが……せっかく作ったものがダメになるのはもったいないですよね。現場はものすごく頑張ったんだと思うし。


12月30日、活動の無期限休止を発表した[5]。全国各地の高等学校において、女子硬式野球部が結成され、2021年8月には長年の悲願であった全国高等学校女子硬式野球選手権大会決勝の阪神甲子園球場開催が実現。更に近年ではNPB(日本野球機構)のプロ野球チームでも女子の野球チームが発足し、全国に小学生から社会人まで数多くの女子野球人口が増えたことから当初の目的が達成したことを理由としている[5][51][52]。

日本女子プロ野球機構 – Wikipedia



今後もこの流れが続いていくと良いな

単純に、野球を続けたいと願う女の子が野球を続けられる環境があると良いなと思うんですよ。

とはいえプロ野球球団もボランティアではないから、継続するためにはなんらかの形で収益がなければいずれ難しくなるわけです。わかさ生活と同じです。今はまだ無理でも将来的にはそうした方向に向かって欲しいし、もしなんらかの形で安定して興業化出来ることになったあかつきには、形式的なものだけでも良いのでわかさ生活の活動を再評価してあげて欲しいなと思います。何も無いところに種を蒔くのは大変だっただろうからなあ……



今後の発展を期待しつつ見守りたいと思います。




プロ野球選手を目指す少女を描いた韓国映画がありました。面白そう