細菌が利用しやすい自由水を食塩によって結合水にすることで水分活性を減らすことによる。
塩漬け – Wikipedia
砂糖の特性である吸水性を利用して保存したい果物などを砂糖で取り巻き、雑菌や組織内の水分と外部の糖分を細胞壁を通して交換することで組織の中の水分を減らし、殺菌して腐敗を防ぐという方法が砂糖漬けの原理である。
砂糖漬け – Wikipedia
つまり食品中に存在する、細菌が繁殖に利用出来る水分(自由水)を減らすことで最近の増加を抑えると言うのが食品保存の仕組みだそうです。なに?単に吸水性が必要だったってこと?
食品中の自由水の割合については「水分活性」という指標で測られます。どの程度の水分活性で細菌が繁殖出来るかというと、こんな感じ。
食品中にはタンパク質、炭水化物等と結合した結合水と移動が容易な自由水が含まれている。食品中で微生物が繁殖するには適切な量の自由水が存在することが不可欠であり、食品中の水分活性を低下させる加工を行った場合、微生物の繁殖を抑制できる。微生物の種別により繁殖可能な水分活性は様々であるが、一般的な食中毒菌で概ね0.900以上、乾燥や塩分に耐性を持つものでも0.800以上とされ、0.600以下になれば全ての微生物は繁殖が不可能になる。
水分活性 – Wikipedia
「0.600以下になれば全ての微生物は繁殖が不可能」。
繁殖が不可能になるだけで殺菌・滅菌とは違うので、既に汚染されている場合にはなんらかの殺菌処理が必要になるのだとは思いますが(例えば保存瓶の煮沸消毒など)、保存中の安全性についてはこういう形で確保されているんですね。そうだったのか。
ちなみに味噌や醤油の安全性は乳酸菌が担保しています
乳酸菌は名脇役です。
コラム#14 「大抵の発酵食品は微生物三人衆が何とかしている」 | 株式会社プリス
乳酸を作ってpHを低下させ、他の細菌が生育できないようにします(これを静菌作用と言います)。
ついでに乳酸菌自身も死んでしまうのですが・・(ちょっと残念。)。
酵母が安心して活躍できるのも乳酸菌が「場を清め」てくれたお陰です。
乳酸による静菌作用は、多くの保存食を作っています。
例えば漬物。古漬け、ぬか漬け、キムチ等、ほのかに酸味のある漬物は乳酸菌の賜物です。
乳酸菌は雑菌の侵入を防いでくれてるんですよね。
自宅で醸している自家製味噌も、ほったらかしでも不思議とカビも発生せずほどよく熟成していってくれています。毎年仕込んでいることによる「家付き酵母」的な側面ももしかしたらあるのかも知れませんが、いやあ、それでも我々人間に出来ることなんて限られていますし、味噌を造ってくれているのは、麹カビのみなさん、酵母のみなさん、乳酸菌のみなさんのおかげです。人間はあくまでその成果を口にしているだけであり、「人間が味噌を作った」なんておこがましい。我々がしていることは場を整えていることだけです。
塩や砂糖の特性も含めて、人間がしていることなんて僅かなことに過ぎないんだなあと思ったのでした。