京都のホテルバブルがはじける日は来るか

外国人観光客のイラスト
結論を言えば、いずれ弾けるだろうけどいつ弾けるかは知らんということになるわけですけど(専門家じゃないからね)、それにしたって最近の京都まちなかの宿泊施設の増え方と言ったらないですよ。いくらこれまで不足していたからってこの増え方は異常。工事の看板が出ていればそのほとんどは宿泊施設を作ることに関しての報告であり、商業ビルがリニューアルされてビジネスホテルやカプセルホテルに、その隣のマンションも改装されてホテルに、その横の町家が改装されてゲストハウスに、さらに向かいの空き家になった普通の家(町家でもなんでも無い)が民泊に、そういった場所がものすごくたくさんあります。もうむしろ工事しているところは全て宿泊施設であると言って間違いない状態。



一方で最近同じぐらいよく見掛けるのは、市街地での割と広めの空き地。50坪程度の土地が空いているときもあれば、100坪以上の土地が空いていることもあります。しばらく草の生えたまま放置されたあと舗装されて駐車場になるのが定番で、あくまで想像でしかないですが、ホテルなど建設のための買い手や借り手を探してみたけど見つからなかったんでとりあえず駐車場にしておくという感じかなと思っています。駐車場が廃止されてホテルが出来ることもありますが、稀ですね(既存の建物を改装して宿泊施設にする方がコストが掛からなくて良いんでしょう)。空き地の増えるスピードの方が早い気がします。我が家の裏にも草地のまま放置されている土地があり、我が家的には日が遮られないしそのまま空き地でいいよと思ってはいるんですけど、でも土地利用という面で言うとそれでいいのかという気もします。



バブルが弾ける日は来るか

京都市内の主要ホテルに宿泊した日本人の実人数が2018年12月まで21カ月連続で前年実績を下回ったことが、市観光協会などの調査で分かった。18年全体も前年比9・4%減で4年連続マイナスだった。ホテル関係者の間では、訪日客の増加で市内の観光地が混雑するようになったのが大きな要因との見方が多く、日本人の「京都離れ」への懸念が強まっている

(中略)

市観光協会は、若者の旅行離れや所得の伸び悩みを日本人客減少の理由に挙げつつ、混雑対策も課題と見る。「外国人頼みだと、外交関係の悪化や災害などで客足が減ったときの影響が大きくなる。日本人と外国人のバランスが大事だ。大原や高雄、山科といった定番以外の観光地に分散させる取り組みに力を入れ、混雑を緩和させたい」としている。

京都で日本人宿泊客の減少歯止めかからず 訪日客増で混雑敬遠か : 京都新聞


京都の観光客が既に飽和状態にあるのではないか、と最近よく言われています。どこに行っても観光客だらけで、せっかくの京都体験が目減りしていると。日本人観光客が減り続けているのはその結果でしょう。好きな寺や神社はたくさんありますけど、人混みに混じって訪れるのは初詣ぐらいでいいなあ。そう思って足が遠のいている場所もたくさんあります。清水寺とか金閣寺とか二条城とか平等院ぐらいメジャーだったら諦めもつくんですけどね。

今はまだ外国からの観光客が増えているから良いけれど、京都新聞の記事内にもあるとおり、例えば為替相場が極端な円高に振れたとか、北朝鮮において米中代理戦争が始まったとか、そういう情勢でガクッと減ることもあり得ます。そのときこのパンパンに膨れた京都の宿泊施設は耐えられるのか?ゲストハウスや民泊といった簡易宿所が打撃を被るのか、そういうリーズナブルな施設が生き残ってホテル経営が厳しくなるのか。



資本が引き上げた後は?

何年か前は東京資本が良い感じの居酒屋やレストランを作るのが流行ってました。現在のホテル建設などがどこの資本で行われているのかわかりませんが、最近なら中国資本かなあ、仮にそうだとすれば、中国の景気如何では資本が引き上げられることもあるかも知れないし、中国以上に金がある国がないことを考えるとその後を買い取る資力は日本にはないわけで、その時京都はどうなってしまうのか。

リスクが増してきているように見える昨今でさえ、絶えない「宿泊施設建設」を見るにつけ、バブル期特有の「乗り遅れまい」とする熱狂を見るようで怖いです。BTCの時とかもありましたけどね。あらゆる意味で上手いことソフトランディングしてくれるといいんですが。