オリンピックで少し嬉しいこと(【読書感想文】 Sports Graphic Number ロンドン五輪特別編集)
僕が特別に感想を書く必要もないほど印象的だったロンドンオリンピック。その熱そのままにNumberの「ロンドン五輪特別号」も素晴らしい出来で、Amazonで即売り切れも解ります。売り切れてんだったら読書感想文書いても仕方ないでしょ(アフィリエイトにならない)というのもあるけど、まぁその辺は。アフィリエイトありきで感想文書いてるわけじゃないですからね(実際このサイト経由で売れる本なんでごくわずか)。
そうそう、オリンピックで少し嬉しいこと。
それは、マイナーなスポーツが注目されることです。有力な日本人選手が出てる場合に限るとか、日本人選手にばかり話題が集まって競技自体が見えないとか、いろいろと悩ましい部分はありますけれど、例えそうであっても注目を得られることはとても大事なことです。競技に専念出来る人ばかりではない中で生活の多くを犠牲にして競技に打ち込んでいる、そういう人達に光が当たるのはとても嬉しいです。それをきっかけにして何らかのスポンサードがあるかも知れないし、競技を終えて転職する際に縁を持ってくれるかも知れないし、近所の定食屋でおまけのお総菜を付けてもらえるかも知れないし。まぁ僕が何か得するわけではないんですけど、それでもそういうのが嬉しいんです。
そして「Numberの読書感想文」として嬉しいことがもうひとつ。
脚光を浴びるのはマイナースポーツの選手ばかりではないのですね。
Numberの愛読者であればコラム毎に誰が書いた文章かをチェックすると思いますが、オリンピック特集号ではこれまでに見たことの無いようなライターの人がたくさん参加されています。もちろん、競技が同時並行で進行するために多くのライターと契約する必要があるというのもあるのですが、理由はそれだけではなくて、マイナースポーツにはそのマイナースポーツを追いかけているライターの人が存在するということです。経験者であったり指導者であったりするのかも知れませんが、ともかく、競技者と同様に私費を投じて取材をしている人というのが存在してるんですね。
普段は主に専門誌でコラムを持ったりしているんですが、オリンピックという機会にマイナー競技について記事を作るときには、メジャーな雑誌の仕事が来たりするわけです。で、場合によってはNumberなんかに書いたりもします。なんかどうもね、それが個人的に嬉しい。F1における今宮さんや、プロレスにおける門馬さんのような方が、よく知られていないスポーツにもそれぞれいるんだなあと言うこと。で、そういう人達がこれまでに自分の中に蓄積してきたその競技との縁を限られた紙面に凝縮して吐き出していること。そういうのがなんだかこう、読んでいてグッときてしまうんです。やあ、内容が感動的というわけではなくても。
オリンピックっていうと何かとメダルがどうのこうのという話になりがちですけど、それももちろん面白いし素晴らしいのですけど、それだけじゃなくて様々なスポーツに博覧会的に脚光が当たるのが良いなあと思うのです。
オリンピック、楽しかったですね。