先々週(5/10)発売になったNumberは「若者特集」。今期ドイツで大活躍した香川真司(23)を切り口に、多くの若者が世界を目指している姿を描いたもので、「またサッカーか」という思いはありつつもそれでもやはり面白い。自分ももう35歳だし、社会に出ている人間にも自分より下の人間がかなりの割合になってきて(しかもうちの会社は平均年齢が30未満だ)、「自分とは違う」と思いつつあるので割合に興味深く読んでいます。


で、このエントリはNumberの「読書感想文」ではありません。

そうではなくて、Numberの中のある1つの記事を読んでとっても違和感を感じたので。

それは細江克弥さんによるサッカーロンドン五輪代表、権田修一、永井謙佑、原口元気の3人に対する連続インタビュー。プロフィールを検索したところではインタビュアー/ライターの細江さんは今年33歳と言うことなのだけど、切り口がとことん「最近の若いやつは俺らとは違う」「クールだ」「熱意が足りない」とおじさん向けで正直ちょっとだるかった。3人ともそんなこと全然言ってないだろ。自分で書いた文章をもう一回読み返して見ろよ。


細江さんの文章は次の言葉で始まり、

試合後のミックスゾーンで選手と向き合っていると、特に若い選手たちに共通するある特徴に気付く。
彼らの言葉に、耳にしたこちらが心躍るような熱がない。

次の言葉で終わる。

言葉が足りない。泥臭さが感じられない。“最近の若者”の血と汗と涙は、これまで長く、彼らの内側に秘められてきた。(後略)

お前、何年物書きやってんだよ。素人か。


インタビューの中で彼ら3人が何を語っているかというと、プライベートでは確かに大人しいかも知れないけれど、合宿で集まったら、ピッチに入ったら、自分が良いと思うことや相手に対して要求したいことはどんどん主張していくし、そうやってコミュニケーションを取ってきた。だから何か、例えば試合でのミスが起きたときに、メールや電話でケアしたり改めてウェットに接する必要はない、だってそれはピッチで十分やってきたから。

このことから解ることは何かというと、コミュニケーションには色んな方法があり、意思疎通を果たす方法にも色んな方法があると言うことだと。こういうとゲーム脳だって言われるかも知れないけどさ、人と人とが解り合うのには一定以上の「コミュニケーション値」を蓄積する必要があると思うんですよ。それをどこで蓄積するかってのは人による。仕事上は当たり障りなく「飲ミュニケーション」でコミュニケートする人もいる。職場でガンガン行ってプライベートは関わらない人ってのもいる。


細江さんのインタビューで(細江さんは気付いてないけど)描かれた若者の姿は、回りくどいことをしなくたって、現場で自分がすべきことのために率直に向き合ってコミュニケーションをすればそれでいいだろという姿勢。それを自分には見えないから「言葉が足りない」だの「熱がない」だのというのは、「私には人を見る目がありません」と言っているようなもの。あんたが思っているよりももっとずっと若者はしっかりしてるよ。彼らは彼らが必要としているだけのコミュニケーションを取り、成長を続けている。コミュニケーション能力どうこうではなくて、それが彼らのコミュニケーションなんだよ。

それが解らんのだったら、それをコミュニケーション不要の個の文化と位置づけるんだったら、多分今後もずっと若者のことは解らんよ。そのままおっさんに向かって爆走したら良いと思う。インタビューではちゃんと聞き出せてるのにもったいない…「若手」のライターにインタビューのまとめ方を聞いてみたらどうか。