普段あまり美術館や博物館に出かけない僕ですが、なぜかこの世界報道写真展だけは毎年行きたいと思うんですよね。立命館大学国際平和ミュージアムって、結構遠いのにね。

そんなわけで今年も京都での最終日に行ってきました。
今年の世界報道写真展は、始めから非常に刺激的な写真が多く、それが世界の現実であり目を背けてはいけないと思いながらやっぱり少し正視するのがつらかったです。日本で日常生きている限り凄惨なシーンを目にすることは皆無で、遺体すらほとんど目にしないのですが、世界にはそんなことが毎日普通に起きている場所があり、今僕がこれを書いているこの瞬間にも起きてるんですよね...頭ではそう解っても、やっぱりどこか繋がらない、繋ぎたくない心理があって、逆に穿った見方をすれば普段そういう場所に身を置かない僕がこの写真展を通してそれを補給しているんじゃないか、解った気になってるんじゃないかと感じて、少しブルーになりました。これが現実ではあり、忘れてはいけないことなのだろうけど、今の僕には絶対に理解できないことなんでしょうね。。


もちろん報道写真とはそうした暴力を視覚化することだけではなく、日常を切り取って紹介することもまた役割の1つです。そういう意味で僕が一番好きだと感じたのは、Daily Life組写真部門で3位になっていたSimon Robertsさんの写真(上記サムネイル)。イギリスの日常を切り取ったものです。

3rd prize stories - World Press Photo

サムネイルのサイズで見ると詳細が解らなくて良さが全く解りませんけど、大きな写真で見ると、これが広大なビーチで波を待つ人たちだと言うのがわかります。空、陸、海岸、海それぞれに対する自然の微妙な色使いが絶妙で、非常に印象的でした。いいなぁ。



もう一つ印象的だったのは、Arts and Entertainment組写真で2位になっていたFrancesco Giustiさんの写真。コンゴ共和国のファッションマニア(SAPE)の人たちを映したもの。



決して豊かではない人たちが身を削って貯めたお金で、自分だけのファッションとスタイルを揃えて、有名な人になるとセレブとして結婚式に呼ばれるようにもなるそう。もう、この文化そのものも興味深く、またSAPEの人たちも非常に味があって刺激的でした。素晴らしい。

2nd prize stories - World Press Photo



今年も考えることをたくさん与えられた写真展でした。

その殆どは消化しきれなかったり、知識が足りなすぎたりして言葉にすることは出来ないけれど、「今年も終わったね」で忘れてしまうのではなく、少しずつ蓄積していきたいと思います。

また、来年。


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