下流喰い―消費者金融の実態 (ちくま新書)下流喰い―消費者金融の実態 (ちくま新書)
須田 慎一郎

筑摩書房 2006-09
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下流喰いを読んだっす。

本書は、消費者金融およびヤミ金融の状況とそれを利用する人たちの実態を細かな取材に基づいて明らかにしたもので、外側から見る業界の印象と中身の凄惨さのギャップが非常に印象的。こちらのエントリで参考文献としてあげられていたので読んでみた次第です。

改正貸金業法について - Chikirinの日記

出版は2006年9月で新書としては若干賞味期限切れかなという感じはするけれども、現在の状況も「下流食い」とさほど変わらないことを考えると、この手の問題の基礎知識としては「読んでおくべき本」と今でも言えるのではないかと思います。



個人的に非常に怖かったのは、数字上はさほど変わらないように見える金利の差によって「元本が減らない」という状況が現出すると言う事実。2010年現在は貸金業法が改正されたために金利は年20%まで(貸付金額により15-20%)と規制されていますが、それ以前は最高で年29.2%が科されていたんですね。

試しに300万円を借りて返済計画を立ててみましょう。

返済シミュレーション

年15%の利子の場合

月々5万円ずつ返していくと ... 返済回数112回、総額560万円
月々10万円ずつ返していくと ... 返済回数38回、総額380万円

元本を減らせる最低返済額は3万8千円(返済回数は348回、総額1,322万4千円)。

年29.2%の利子の場合

月々5万円ずつ返していくと ... 返済回数× → 元本減らない
月々10万円ずつ返していくと ... 返済回数55回、総額550万円

元本を減らせる最低返済額は7万4千円(返済回数は179回、総額1,324万6千円)。


よく考えれば当たり前なんでしょうけど、金利が上がると元本が変わらなくても元本を減らせる最低ラインが上がるんですね。

月々の給料からいくらかずつ返済していくことを考えれば、返済額の限度ってものがどこかにあります。家賃もあるし光熱費もあるし。そしてその限度を一度踏み越えてしまうと、あとはもう後戻りできない。急に実入りが良くなればいいですけど、そんな上手い話、滅多にないですしね...でもってそういうことを全部知った上で、仮に返せなくなったとしても家族や親類に返済を迫って回収するという前提でお金を貸すと...怖い話です。

自分だって、いつ病気になるかわからないし、いつ大金が必要になるかわからないわけで。そういう個人に銀行が低金利で融資してくれればいいけどまぁないし、そしたらいつこの本に出てくる人たちのような立場になるかわからない。てか自分の利子が、リボ払い程度で良かった。いやほんとに。



借金をすること自体が悪いことだとは全然思いませんが...(そんなこと言ったらマイホームなんて一生建てられない)

きちんと身の程を知って、意識を持って借金出来るようにしないといけないなと。改めて思いましたです。