昨夜から話題になってるTechCrunch関連の揉め事を、自分向けに簡単に整理。
以下、時系列。
- 2010/09/29、AOLがTechCrunchを買収
- 2011/09/01、TechCrunch編集長Michael ArringtonとAOLのCEO、Tim Armstrongが共同出資してベンチャー支援のためのファンド「CrunchFund」を設立すると発表
- 取材対象であるところのベンチャー企業に編集長の運営するファンドが出資することで、メディアの中立性が損なわれるのではないかと批判が起きる
- AOLのCEO、Tim Armstrongが「中立性が損なわれるように見えるかも知れないけど、TechCrunchは特別なメディアだから投資と取材の両立が出来る。大丈夫だ、問題ない」的なことを言ってさらに批判を浴びる
- 批判をかわすためAOLは、「Michael Arringtonは今後一切編集に関与しない」と発表(実際に発表したのはAOL傘下のメディア「Huffington Post」。)
- これを編集権の侵害だとして編集長始め、古参ライターが反発
- 2011/09/06、Michael Arringtonが「買収時に確約された編集権の独立を確認するか、TechCrunchを元の株主に戻すか、どちらかが守られない限りTechCrunchから離れる」と発表 ← イマココ
個人的には、TechCrunchのひねくれた癖のある感じが大好きで、この「癖」は設立者であるMichael Arringtonと、彼に賛同して集まったライターがいるからこそ出るものだと思っているので、Michael Arringtonが退いたあとも同じような味を残せるのかどうかと言えば…それはどうだろう。腕の良い編集長が就任すれば、良い技術ニュースサイトとしての体裁は保てるだろうけど、でもそういうことじゃないんだよねぇ。なんでもそうだけど、たった一人の個人によって保たれている雰囲気、っていうのはあるから。
何か全体の構図からすると、
- AOLもしくはHuffington PostがTechCrunchを手中に収めようと画策
- 投資会社設立をネタに煽る
- Michael Arringtonが辞任して目的達成!
みたいな陰謀論も思いつくけどどうなんだろうね。TechCrunchが言うとおり、自分の方には瑕疵はないと言うのが正しければそうであっても面白いけど、うーん。まぁそもそも、AOLみたいなところを買収先に選定したのがそもそも間違いだと思うし、TechCrunchを辞めてもMichael Arringtonなら新しいものを作れると思うし、いいんじゃないかなー。こんなんしてるからこそのAOLだと思うしね。
こういうプロレス的な揉めごとエントリが、通常の真面目な技術ニュースに混じって普通に配信されるような、TechCrunchの自由さ加減がとても好きなんだけど、それもあと何日かで終わってしまうのね。
諸行無常だなぁ。
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