日本語学校に対する外国人の雑感
中国出身の奥さんが日本の日本語学校に通う様子を描いた井上純一さんの漫画「月とにほんご」。 この中で描かれているのは、日本の大学への進学や日本企業への就職のために日本語検定1級を取得しようと頑張る外国人留学生の姿でした。それを読んで「ああ、頑張ってるなあ」と素直に感心していたのですけど、ただ、日本語を勉強したい人がみんなそんな「正しい」日本語を学びたいと思っているかというと微妙で、そうして学んだ「正しい」日本語は実際には使えないという声もあるようです。 お世話になっているスペイン料理レストランのスペイン人シェフのコメント。
高いお金払って日本語学校行ったんだけど、そこで教えてもらった日本語、いわゆる敬語?そんなの使ってる日本人なんかいないよね。騙されたよね。他の友達もみんな文句言ってたよ。頑張って勉強した日本語を友達に使ったら笑われたとか、意味が通じなかったとか。それで結局、週に2回、実際に使えるカジュアルな日本語を教えてもらえるようになったんだ。 (砕けた日本語に変えてますが実際には外国人の日本語です)あーうん。解るけどなあ。解るんだけど、敬語は大事だよね。日常会話では全く使わないかも知れないけど、ビジネスの場面では重要。問題はその言葉を使う機会があんまり無いってことで、お店をやっていても「丁寧語」が使えれば十分。「いらっしゃいませ」は言っても「ようこそお越し下さいました」は言わないし、「尊敬語」も「謙譲語」も必要ない。「月とにほんご」を見る限りでは、目的に応じたレベルの日本語学校があって、高いレベルの学校は費用が高いということのようだから、シェフや同級生たちが選んでしまった日本語学校のレベルが不必要に高かったということなんだけど、それはつまり、日本語がわからない外国人が日本語学校を選ぶのは難しいという問題なんだよなあ…… そういうの上手いことマッチングさせてあげられる人や会社やサービスがあれば良いのにね。