トロント・ブルージェイズ、川崎宗則がメジャー再昇格へ(2日ぶり2回目)

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トロント・ブルージェイズが現地27日、25日にマイナーに降格させたばかりの川崎宗則内野手をメジャーに呼び戻した。カナダの『ナショナル・ポスト紙』(電子版)が27日に報じた。

 同紙によれば、主力のメルキー・カブレラ外野手が左ひざの腱炎のために故障者リスト(DL)に入ることとなり、代わりに川崎が昇格。28日からメジャーに再合流する。



早っ!


あのエモーショナルな送別は一体何だったのか……卒業式で大泣きして別れたあとに地元のコンビニで後輩に会うくらいの気まずさですが、まあしかしチャンスが与えられるのは嬉しいことですね。

川崎が再昇格出来たのは、故障者リスト(DL)入りした選手が出て枠が空いたため。図らずも降格時に言われていた「誰かが怪我するとか調子を落とすとかそういうタイミングで、必要とされるのを待つ」というのがすぐに実現したことになりました。カブレラ選手の怪我の状況はわかりませんが、今回メルキー・カブレラ選手が入った故障者リストは15日間の短いもの(故障者リストには15日間と60日間の2種類がある)なので、そう重くなさそうで、カブレラ選手がレギュラーであることを考えると彼の復帰に合わせてまた川崎が3Aに降格ということになるんじゃないでしょうか。その辺、まあ仕方ないところもあります。

ただ、今回離脱したカブレラ選手って外野手なんですよね。トロントは別に外野手に余裕があるわけではないですし、普通に考えれば、外野手が離脱したら外野手を補充するわけです(外野手のロースターは通常4人で、同地区で言うとレイズが6人、オリオールズが5人、ヤンキースとレッドソックスは4人となっています。トロントはカブレラが抜けて3人になってしまう)それで大丈夫なのかなーと思うのですが、それでも内野手の川崎を昇格したいくらい、川崎は評価されていたと考えて良いのかな。3Aで1試合出て4打数2安打だったみたいだし、それを評価されたのかも知れませんし、ただ思い過ごしかも知れませんけどね。


ともかく、今後もこうしてエレベーターを繰り返していくんだろうなあと思いますが、ここでの頑張りが来季以降のメジャー契約に繋がるわけで、なんとかチャンスを掴んで頑張って欲しいところです。




ちなみに……メジャー→3Aは簡単に降格出来るわけじゃない

きちんと理解してるわけじゃないので、Wikipediaの「故障者リスト」から引用します。

故障者リスト – Wikipedia

メジャーの選手をマイナーに降格させる場合(25人枠から40人枠への移行によるマイナー降格も含む)、自由に昇降格させることのできるオプションを持つ選手を除いて、必ずウェーバー公示をパスしなければならない。このため、合計3シーズン分あるオプションを使い切った選手は安易に降格させることはできなくなる。


この辺がMLBの難しいところ。有望選手とはあらかじめメジャー契約を結んでおくとか、逆にボーダーラインの選手にはきちんとそれを告げてオプションを付けるようにするとか、その辺の契約をきちんとしておかないとあとで戦力に動きが出たときにきちんと対応出来なくなると言うね。だからこそ「アホウドリ契約」(巨額の契約で獲得したもののさっぱりそれに見合う活躍をしなかった選手のこと)の被害も甚大になるんでしょうし。例えば川崎は、シーズン前は全くこれっぽちも期待されていなかったわけで、そういう契約の影響を受けるのは仕方ないです。川崎を使うために、他の選手をウェバー公示に掛ける(一旦、自由契約にしてからマイナー契約を結び直す)までするかっていうとそれはそれで難しいわけですし……MLBの経営も大変ですね。


参考:ウェーバー公示

ウェーバー公示 – Wikipedia

メジャーリーグにおいて、選手に戦力外通告(DFA)を行い40人枠から外した場合、球団は10日以内に選手をトレードに出すか、7日以内にウェーバー公示を行なう必要がある。25人枠(アクティブ・ロースター)の選手を40人枠へ移行させるマイナー降格の場合でも、自由に昇降格させることのできるマイナー・オプションを消化してしまっている選手は事前にウェーバーを通過させなければ降格させることができない。また、40人枠内の選手をウェーバー公示せずトレードできる期限となる7月31日以降、自球団の選手をトレードしたい場合は事前にその選手をウェーバー公示し、ウェーバーを通過させておく必要がある。

公示中の選手に対して、公示期間(47営業時間内)に他球団から獲得の申し込み(Claim off)があった場合には、当該球団同士でその選手を含むトレードを行なうか、以前結ばれた契約を獲得先で継続させる形で選手を譲渡することができる。同一リーグから複数の獲得申し込みがあった場合には、より成績の悪い球団が優先交渉権を獲得する。ただし、シーズンが開幕してから一ヶ月間は前年の成績が適用される。 同一リーグと異リーグから申し込みがあった場合は、同一リーグからの申し込みが優先される。なお球団は他球団からの獲得申し込みを受けた際、当該選手に対して1シーズン中1回だけウェーバーを取り下げ、ウェーバー公示前の状態に戻すことができる。


参考:マイナー・オプション

ロースター (MLB) – Wikipedia

いわゆる「40人枠内での有望選手の飼い殺し」を防ぐための条項。

選手はキャリアで初めて25人枠に登録された際に「マイナー・オプション」を3シーズン分与えられる。25人枠の選手が40人枠に移行(マイナー降格)した時点でオプションが発動したとみなされる。また、春季キャンプ中に40人枠にいた選手が開幕の25人枠に入れなかった場合もオプションが発動したとみなされる。このため、40人枠に入っているものの25人枠に登録されていない選手はオプションを割り当てた状況となる。オプション発動中の選手に対しては、球団は当年のシーズン終了まで自由に25人枠と40人枠間でその選手を何度でも昇降格させることができる。