会社の忘年会の思い出

忘年会のイラスト「サラリーマンの飲み会」
社会人になって最初の10年は会社の忘年会苦手だったなと思ったけど思いだしたらそうでもなかった






忘年会が「復活」して色々あるらしい

忘年会シーズンを、新型コロナウイルスの「5類」移行後初めて迎えた。忘年会「復活元年」と期待される一方、未経験の若い社会人からは「大人数が苦手」「飲み会慣れしてない」と憂うつな声も少なくない。

(中略)

 会場のホテルには100人近くが集う。コース料理で欠席は不可。座席表を見ると苦手な上司が近く、緊張して食事どころじゃない。一番気が重いのは「お酌」だ。「女性社員は全テーブルを回るのが慣例」と先輩から聞き、のけぞった。「昭和かと。高い会費と業務外の時間を費やし、気を使うって意味不明。残業代欲しいくらいです」

忘年会「復活元年」に未経験の若者憂うつ 苦手な上司、気の重いお酌、求められる一発芸・・・「残業代ほしい」(中国新聞デジタル) – Yahoo!ニュース


なにそれ地獄じゃん。



会社の忘年会が苦手だった

会社自体は上の記事のような古くさい社風ではなかったし忘年会もフランクで自由な感じでした。


最初の5年ぐらいは通販担当の人たちのすぐ横で働いていて、そこのボスや英語堪能な海外担当のスタッフとよく話していてプライベートでも仲が良かったので、忘年会でも結構楽しかったです。でもその後仲の良いスタッフが次々に退職していき、自分の座席も通販部から離され、結果1人部署かつ唯一の技術職だったこともあって業務中は毎日ほぼ誰とも話をしなくなりました。必然的に誰とも共通の話題がなく、乾杯終わって会食ってなった瞬間に超絶手持ち無沙汰で「あー来なきゃ良かった」と毎回思うように。


結局その会社には都合11年いたけれど、後半5年は「僕はちょっと」といって参加そのものを断ってました。歓迎会、送別会、忘年会、全て不参加。


友達同士で年末に飲むのはすごく好きでよく企画していたので「大人数で飲むのが嫌い」というわけではないんだと思うんですけど、その頃から「会社の忘年会は苦手だな」と思ってました。



エンジニアを辞めて入った居酒屋の忘年会は楽しかった

その後なんやかんやあってエンジニアの仕事を辞めて飲食業界に入るわけですけど、働いていた居酒屋でも忘年会がありました。


最初の時はちょっと警戒していたんですが、行ってみたら存外に楽しい。それもそのはず、エンジニアの時とは違って厨房で毎日3人ないしは4人と顔を合わせて何時間も働くわけです。お互いの話もするし、冗談を言ったりもするし、仲良くもなる。しかも社員もバイトもみんな良い人で、大学生主体のバイトに突如入って来た30代後半のおっさんにも良くしてくれて楽しんで仕事が出来ていたので、そりゃあ忘年会も楽しくなるよねと。

お酌をする、一芸をする、説教、アルハラといったものも存在せず、小さな居酒屋を借り切って飲みたいやつは吐くまで飲み、飲まない人は楽しく話しながら食事をし、お金は全部社長が払っていいところで解散。今思い返しても楽しかったですね。


(後年、パワハラみたいな罰ゲームが流行して距離を取ることになるのだけどそれはまた別の話)



忘年会がキツいのは忘年会のせいだけじゃないよね

今まで働いた会社、組織での忘年会についてまとめると、こんな感じ。


  • 音楽系通販サイトF → 当初は参加していたものの空気感が合わなくなって参加しなくなる
  • 居酒屋A → 和気あいあいとした雰囲気が非常に居心地が良くて多分皆勤
  • 自転車販売店R → 基本的に誰ともあんまり親しくなかったので微妙
  • フードコートK → スタッフは皆クセが強かったけど僕は嫌いじゃなかったので忘年会も楽しかった
  • ビアレストランS → スタッフと仲良かったし楽しかった
  • カフェK → 良い人達なんだけどちょっと空気感が合わなくて居心地が悪かった
  • フリーランスになったあと → オンラインで本社東京なので参加せず(誘われたけどさすがに行けなかった)


どこの会社でも居酒屋であった忘年会みたいのだったらいいのにと思うけれど、でもそれは忘年会のやり方の話だけじゃないんだよなあ。こうして並べて見ると僕の忘年会「ある」「なし」の条件はどうやら人間関係次第みたい。


忘年会の雰囲気を良く感じるかどうかは、忘年会までのそれぞれの関係性によるものであって、どんなに良い食事が出ようが無礼講だろうが、人間関係が上手くいっていない会社の忘年会はやっぱりツラい。その上でパワハラ・アルハラ的なことや強制参加的なことを求められるとなるとそれはもうね。



僕だったらどうするか

最初の記事にあったような会社に僕が勤めることになったら、参加強制を理由に退職することも厭わないし、なんらかの事情(例えば家庭の事情とか仕事には満足してるとか)ですぐに辞めることが出来ないのであれば、何ヶ月も前から総務もしくは担当部署に対して「当日は急用が入りそうなので参加人数に加えないでください」と強く言うかな。前後有給休暇を取ってでも参加しない方向に行くと思う。


忘年会離れがどうのこうのっていうよりかは、日頃のコミュニケーションの問題だと思います。若者がお酒を飲まなくなったとしても、慰労なんか食事会でもいいわけだから。コミュニケーション不全が忘年会という存在を通して可視化されてるだけって言うね。


リモートワークのために良好な人間関係が醸成しづらくなってたというならそれはその通りだろうなと思いますが、それなら基盤もないのに人間関係を作る為にいやなことを強制させるのは、それは本末転倒なんじゃないですかね。動物もそうだけど、苦手なことになれさせるには順序ってもんがあると思うんでね。そういうとこに社風って出るよね。