報酬は受け取れという話?
7億ドル中97%後払い契約を結んだ大谷さん、アメリカでは「理解しえない生物」「勝利ジャンキー」と尊敬よりも畏怖され始めているらしい
7億ドル中97%後払い契約を結んだ大谷さん、アメリカでは「理解しえない生物」「勝利ジャンキー」と尊敬よりも畏怖され始めているらしい – Togetter
今まで大谷さんはアメリカで無私無欲な男として尊敬されていたが、7億ドルの契約金を「全額後払い」つまり10年タダ働きするつもりで全球団と交渉していた(最低年俸の規定があるので諦めた)という話が知れ渡るや、尊敬より畏怖、「理解しえない生物」「勝利ジャンキー」と気味悪がり始めたの面白すぎ
— こなたま(CV:渡辺久美子) (@MyoyoShinnyo) December 13, 2023
「値段を高くすることで弱小球団には獲得のチャンスを無くして、そのくせ後払いにして金持ち球団には当面の補強の資金を与えるとか、フェアじゃない!」って怒ってる人、この数日間で結構見かけました
— こなたま(CV:渡辺久美子) (@MyoyoShinnyo) December 13, 2023
贅沢税の視点からすると明らかにアンフェア
日本だと若干美談めいた感じで書かれることが多いんですけど、それはあくまで大谷選手とドジャースからの視点であって、MLB全体から見た場合、この手の契約が蔓延するのはアンフェアだとは思います。大谷選手が悪いって言いたいんじゃ無くてね、制度的にはOKなんでしょうけど、でもこれやると贅沢税・サラリーキャップが意味をなさなくなっちゃうの。だから今後も出来るかどうかは微妙だなと思って。
贅沢税には、
- チーム全体の年棒総額に上限を設けることで少ないチームに戦力が偏るのを避ける
- チーム力を平準化させて拮抗した試合を増やし消化試合を少なくする
というような存在意義があります。
ここで給料の一部または全部を長期ローンにすることでその分の金額を実質的に「給料ではない」とすることは、贅沢税に関する明らかな抜け道でしょう。受け取る額にかかわらず契約金額を契約年数で割った額を、サラリーキャップの対象とするようにしなかったら、なんというか、いくらでもお金を払えるじゃないですか。
もちろんお金の払い方にはいろいろあって、選手としての契約は100万ドルだけどオーナー会社のCM契約で1億ドルとかにすれば、当然それは贅沢税の対象外です。
給料を後払いにするのだって同じことじゃないの?といわれればまあ同じことなんですけど、でもその辺のことってなんというかルールよりもモラルで守られていることなんですよね。紳士協定的な。アンリトルルール的な。全部制限するとみんな困るからある程度余地を残しておいて、やり過ぎない範囲でやりましょうねぐらいのね。
そういうあれで、今までは「まあ大型契約の30%とかなら後払いでも影響小さいから良いでしょ」ってなってたのに、超大型契約の97%が後払いで年俸は200万ドルぐらいしかありませんとか言われたら、僕がコミッショナーなら「ちょwwwおまwww」ってなるよね。速攻でメンバー集めて制限について協議しますよ。大事なのはサラリーキャップという制度を維持することですからね。
極端な話、全員と後払い契約を結べば、全員とMLBの最低年棒(70万ドル)で契約するなんてことも出来ちゃいますし(その代わりチームの負債がとんでもないことになるけど)。
既にとんでもないことになってるドジャース。
大谷翔平投手がドジャースと結んだ10年総額7億ドル(約1015億円)の大半は、契約満了となる2033年以降に支払われる。ドジャースは大谷以外にもムーキー・ベッツ外野手、フレディ・フリーマン内野手ら大型契約の主力には後払い制を敷いている。2033年から2044年にかけて3人に支払う金額は8億5200万ドル(約1234億円)になる。
10年後にのしかかる1234億円 大谷翔平だけじゃない…ド軍”桁違い”の後払い | Full-Count
もう契約を結んでしまった大谷選手の契約が無効になることはないとは思いますが、将来の契約については近いうちに制限されるんじゃないかなーと僕は思います。そうなるとまあ、大型契約を考えていたチーム・選手からは「お前がやりすぎたからだぞ」っていう声も上がるかも知れませんね。さすがに97%はねえ。