【ドル円】ドル円が2週間で一時139円まで到達(執筆時点で138円98銭)

前回執筆から2週間、その間にもじりじりと円安は進行してついに139円台に到達しました






ドル円:揉み合いから140円へ

「上値を試す」って良く言いますけど、そんな感じですよね。ちょっと動いて少し落ち着いてまた動いてって感じ。


だが、この間の日米金利差縮小を無視するかのように、ドル/円はジリ高推移を続け、14日午前の東京市場では138円台を回復する動きとなっている。135円前後の2002年高値の突破の後、ドル/円は1998年に付けた147円台の高値まで主だったレジスタンスは指摘しえない状況になった。

コラム:円安の幕引き、ユーロ/円からか=高島修氏 | ロイター


人によって言うことが全然違いますが、流れだけみると140円台後半ぐらいまでは余裕で行きそうですよね。バブル崩壊ぐらいまでいくってことか。まあ、長い目で見ると円相場の動きなんてこんな感じなので、そんなもんですよね。昔はもっと円安だったのになあ。慣れって怖いですね。とはいえさすがに150円超えたら僕でもビビるけど。







ヨーロッパの情勢は

ユーロ円


英ポンド円





一時は円が世界全面安なんて騒ぐ人が出ましたけど、今現在はそうでもありません。というのもユーロがドルに対して下落してるから。その辺も色んな解説があるんですけど、基本的にはドルが高いっていう話です。

今後については今はリスク回避のためにドルが買われてるけど、どこかでそのお金の流れがアメリカ国債に流れるタイミングがあり、そうなるとドルが売られてドル安に向かう ―― そういう話があるかと思えば、年末にかけて日本の貿易赤字が拡大しジリジリと世界との金利差が広がり続ければさらに一段円安が加速する ―― という話もあり、いやあもうこれわかんねえな。絡む要素が多過ぎんのよ。誰だよ日米金利差だけ見てれば為替がわかるとか言ってんの。それでわかったら今頃億万長者だっつうの。



もうほとんど誰がどんな相場を見たいかという話になってきて本音を言えば誰もわかんないんじゃないですかね。この状況でFXとかやれる人の気が知れません。すげーな。



誰も何が正解かはわからない中で

為替相場や株式相場の動きというものはある程度コントロール出来るような気がしつつも、実際には矛盾する複数の要因があったりシンプルに先が読めなかったりして誰にも正解がわからない世界です。理論上「こうなったらこうなる」というのが明らかになっていたとしても、明日以降も同じルールで動くとは限らないし、誰か1人(またはどこか1国)の思惑だけでは為替相場は有利には動かない。昔から続く誰でも知ってるジレンマですよね。簡単に操作出来るならかつての円高も意図しない円安もなかったわけですから。

100円を切ったら輸出企業がみんな潰れて日本が壊滅するとか言われてて日銀が派手に介入して100円を維持してたのが、1回割り込んだら一気に80円までいったなんてのも懐かしい話です。あのときも日銀は相当お金使ってたなあ。でも結局、為替相場なんてそんなもんです。円安なり円高なりを嘆くこと自体が実はあんまり意味がない。よく知られているとおり、コントロール出来ないことを嘆くのはストレスを抱えるだけで意味のないことです。仕方ないんですよ。マジで。


日本国内の事情についてもこの記事にあるように、何が正解なのかについて意見は割れています。人によって見ている未来が違うから、当然です。


(Q.日本にとってこの円安は良いことですか?)

“良い円安”という点では、輸出企業の利益が増加します。トヨタのような輸出企業にとっては潤うことになります。関連する生産や雇用にも波及するプラスの効果があります。さらに、円安で日本のレストランやホテルがお得に感じるため、外国人観光客が増える可能性もありますが、コロナの規制が落ち着けばとなります。

“悪い円安”では、輸入企業の利益が減ったり、コストが上がり、それが電気代や食品などの値上げに波及します。個人としては、賃金が上がりにくい状況で、企業がやむを得ず値上げすると、買い物がしづらい。経済全体で見ると、消費が弱ってしまうことは悪い面です。

どちらの面が大きいのかは、専門家の間でははっきりと結論が出ていません。海外生産が増えたことで、円安になっても輸出が増えにくい効果があったり、外国人観光客もコロナの影響で入ってきにくくなっています。円安の良い面が10〜15年前と比べてあまりないという点があるので、全体としては悪い印象が増えてきています。

なぜ“米インフレ”で24年ぶりの円安に?“Twitter経済解説者”後藤達也氏に聞く|テレ朝news-テレビ朝日のニュースサイト


このまま円安が続けば良くない方向に傾いて行くであろうということについては一致していても、トレードオフになっている「良い円安」「悪い円安」をどのラインで区別するのがいいかは一概には決められない。「日銀が金利を上げれば円安は解消される」なんていうしたり顔で有識者がいたとして、それは理論上は正解かも知れませんがしかし彼らはしょせん責任を取る立場ではありません。金利を上げたけど円安が解消されなくてその上景気が後退したらどうするのか?


先ほどの記事の続き。


重要なことは、金利差に対するドル/円の感応度が低下するのは今回が初めてではないということだ。そもそも近年、ドル/円と金利差の関係(相関)は安定していないし、特に2020年のコロナ危機の時にはFRBのアグレッシブな金融緩和を受けて、米10年国債利回りはゼロ%近くまで低下した。

(略)

筆者はこうしたドル/円の金利差に対する非対称的な反応を、貿易赤字拡大など日本の国際収支の悪化で理解してきた。すなわち2020年のコロナ危機の際にまず、世界的な需要の落ち込みを受けて日本の輸出が落ち込み、貿易収支は赤字に陥った。その後、輸出は回復してきているが、サプライチェーン問題がくすぶる中、予期せぬオーバーヘッジに陥ることを警戒する輸出企業のドル売りヘッジには力が入らない。

(略)

実のところ、ドル/円と同じように、ユーロ/円の金利差との相関もそれほど安定したものではない。ただ、円安が明確になった3月以降は、ユーロ/円は金利差との相関を回復。しかも、1%当りの金利差変化への感応度は、ユーロ/円が2018年春から2020年春にかけて(コロナ危機が勃発するまで)比較的長い期間にわたり、金利差との安定した関係を維持した時とほぼ同じ程度の「まとも」な関係を維持している。

コラム:円安の幕引き、ユーロ/円からか=高島修氏 | ロイター


理論はともかく現実的には、金利と為替相場の相関具合にはブレがあります。必ずしも一致して上下するわけではありません。


物価高に煽られて勘違いしてる人いますが、今、景気って悪くないんですよ。景気の数値はいつのタイムラグがあるのでまだ大衆にまでは下りてきていないけれど、日本経済は数字の上では徐々にコロナ禍から脱出し上向きつつあります。その経済の動きを潰すリスクを負うだけの意義が今の金利をあげることにあるのか?政策決定者のジレンマはそういう部分にあると思うのですよね。人はわかりやすい理論に飛びつき自らの思考を停止したがる傾向があります。「何?それやれば解決するの?じゃあすればいいじゃん!」言うだけは気軽で良いんですけど。そこに出来ないorやらない理由があるとは考えないんですかね。


そういうわけで僕の方ではもうやれることも考えられることもありませんので、あとは全部担当者の方たちにお任せします。なんとか上手いことやってください。信じてるので。



あー早めにMac買っておけば良かったなー。ずっと買おうと思って金額が金額だから逡巡してたMac Book Air、今日発売になったモデル今買うと23万円ですって(メモリとストレージ割と積んでるモデルで)。20万超えちゃったかー。といって型落ち買うのも違うしなあ。