130円で様子見状態
前回書いてから2週間、この間についに130円台になってしまいました。いつぶりだ?最後に130円台になったのは2002年4月(参考:主要時系列統計データ表)。つまり20年振り!そんな久しぶりなのか……当時も日本経済が悲観されつつ政府が円安に誘導したということらしいので、今とあんまり状況が変わらなく見えますが、しかし数字を見ると結構違っていて驚き。
2002年から2022年まで米国のCPIは60%上昇する一方で日本は6%しか上昇していません。USD/JPYの水準が同じということは、円の購買力は大幅に落ちています。20年前に128円で購入できた米国の物は、今は204.8円(1ドル×60%×128円)になっています。
20年ぶりの円安、2002年との違いは?ファンドマネージャーが解説 日銀政策決定会合についても | FXの比較・ランキングならHEDGE GUIDE
OECDのデータによると2002年時点の米国の平均賃金は4.1万ドル≒525万円で、日本は437万円でした。最新の2020年のデータでは、米国は6.9万ドル≒883万円で、日本は440万円とほぼ半分です。本来は1ドル=64円程度の円高になっていないと釣り合わないはずです。
2002年の日本の貿易収支はGDP対比2.3%の黒字である一方、2021年度は1.2%の赤字です。日本の貿易収支は2010年頃から当時長らく続く円高への対応策として、輸出企業が生産拠点を海外に移しました。結果、赤字が常態化しています。円安の方が日本経済にとって良いとは一概には言えなくなってきています。
2002年のWTI原油価格は18ドル~34ドルで26ドルを中心に推移していたものの、現在の4分の1~5分の1の水準です。
これらの状況を勘案すると、USD/JPYの水準と日本の賃金が変わっていないため、単純にエネルギーコスト負担は相当重くなっているということです。今回の円安は、20年前と比較すると深刻なダメージを日本経済に与えていることは事実です。
当時と今とではアメリカとの差がかなり変わっていて、今の日本の状態での円安は2002年のそれに比べてしんどいといういことらしいです。そうだよなあ。円高対策っていっぱい聞いてその企業努力を続けてきたはずだし、今さら円安って言われてもなあ。そんでその状況で「円安は日本経済に有益」とか言われてもなあ。ホントかよとしか。日本銀行への信頼が地に落ちる前に何とかして欲しいですね。毎年アメリカから買ってるTシャツ、今年は買えそうにないです。
ヨーロッパの情勢は
ユーロ円
英ポンド円
EUも利上げに踏み切るというニュースが出てました。
[フランクフルト 3日 ロイター] – 欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル専務理事は3日、 高インフレが根付くのを防ぐために、ECBは7月にも利上げを実施する可能性があると述べた。
ECB、7月にも利上げ 資産購入終了は6月末=シュナーベル専務理事 | ロイター
シュナーベル専務理事は独紙ハンデルスブラットに対し「今は討議するだけでは不十分だ。行動しなければならない」とし、「現時点での見通しでは、7月に利上げが実施される可能性がある」と述べた。
その上で、ECBは利上げ開始前に債券買い入れを終了させる必要があるため、買い入れは6月末に終了する可能性があるとの見方を示した。
今すぐにという話ではありませんが、ウクライナ情勢もあってヨーロッパもインフレが進んでおり利上げといわれてもせやろなあとしか。もちろんEUはいろんな状態の国がいるので、速やかに実施出来るのかはわからないし、その時主導権をとっている国(今ならフランスかな)の状態次第だよねとは思うのですけど、もしそういうことになったら一層円安が進みそうです。いやー。7月かー。今のうちに外貨買っとく?FXは怖いんで外貨預金ぐらいで。使う予定はないけど。
黒田総裁の任期はあと1年らしいですが、次期総裁が誰になるかによって変わったりするのかなー
日銀の黒田総裁の任期が8日で残り1年となります。 原材料価格の高騰を受けて、物価上昇が今月以降、目標に掲げている2%に達するという見方が強まっていますが、黒田総裁は賃金や需要の押し上げを伴っていないとして大規模な金融緩和を続ける方針を示しています。
日銀黒田総裁 任期残り1年 金融緩和と円安のはざまで | NHK
そんなところで。今後もしばらく注視しましょう。