【ドル円】いつのまにか大幅な円安基調に(執筆時点で108円35銭)

少し前まで世界的に「ドル安」が進んで円も相対的に高くなっていたはずなんですけど、なぜかここ2週間ぐらいで猛烈に円安が進んで108円台に突入しています。いつの間にそうなった。しばらくずっと1ドル105円前後で推移してたじゃんか。



どうやら全面的に「円安」ということらしい

他の通貨の状況を見てみると、ドルに対してだけでなくユーロに対しても英ポンドに対しても下がっているので、ドルが高くなったと言うよりは円が安くなったという方が正しいようです。

ユーロ円


英ポンド円




何が起きているのか?

「かなり早いペースでドル高、円安の動きが強まっている。背景には米国長期金利の上昇がある。低金利環境を続けると当局が言う一方で、バイデン大統領も大型の景気刺激策を取っており、市場は景気回復を見込んでいる。そのため、実質金利のマイナス幅が縮小し、ドル安相場の修正につながった」(三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジスト)

ドル円、108円突破 9カ月ぶり円安水準に – ITmedia ビジネスオンライン


早い話がアメリカの景気回復を先読みしたドル買いってことみたいですね。アメリカは新型コロナウイルスのダメージが世界で最も大きかった国だし、逆に言えば回復の余地が一番大きな国だということでもあるし、そこに市場が期待するというのもまあわかる気がします。言ってみれば「底値」ですよね。

ただ今後も円安基調が続くのか?というとこれまた微妙なところで、ロイターの記事だとこんなことが書かれてます。


今、日本の投資家が米10年国債を為替リスクをヘッジして投資をすると1%ポイント程度のキャリーが稼げる。日本の20年国債金利< JP20YTN=JBTC >の現状での利回りの2倍程度だ。この状況では、ドルを買って為替リスクを取るインセンティブはほとんどないだろう。米ドルを取り巻くファンダメンタルズは依然として悪い。実質金利は最近上昇しているが、依然としてマイナスだ。

同時に米国の財の貿易赤字は過去最大を更新しており、マネーストック(M2)の前年比はプラス26%と急増している。これは1970年代に記録したこれまでの最高のほぼ2倍の水準である。いずれ、円と米ドルの弱い通貨競争は、米ドルが優勢(つまり弱い円よりも米ドルがさらに弱くなる)になるだろう。

コラム:M2急増がドル安の引き金か、予見されるドル円の潮目=佐々木融氏 | ロイター


「どっちが弱いか対決」みたいな話なんでしょうか。

日本の場合、先進各国と比べて新型コロナウイルスワクチンの導入が遅れているので、財政出動が後ろ倒しになる可能性があり、そうなるとみなさんの通貨安が一服したところで日本円だけ下がるみたいなこともあるのかなと思っているのですけど、それ以上に米ドルが良くなさそうと。今はドルを持って様子を見ているプレイヤーが多いけど時期を見て損切り的な側面も含めた円買いが始まる……ほんとかなあ。わからんけど。


そういう話を聞くとなんかこう為替やってみたくなるけど、いやいや。株もそうだけど今この時期に手を出すのは圧倒的にカモられるパターンですよね。いわゆる「靴磨きの少年」ってやつです。くわばら、くわばら。全くどうなっていってしまうんでしょうねえ。


相場が天井に近いことを示すネタとして昔から挙げられる存在の比喩。 言い伝えとも神話とも事実とも言われていますが、普段株を買うことがないような人(この場合は靴を磨く仕事していた少年、もちろん資金力はそれほど高くない)までが投資に関心をもち、始めようという話をし始める状況を指す有名な話を指します。

「【用語】靴磨きの少年【キーワード】」えいちあいさんのブログ(2018/12/10) – みんなの株式 (みんかぶ)