「登記簿に機密情報が含まれるのでお送りできません」

法務局のイラスト
登記簿って機密情報なんでしたっけ?






「登記簿」とは

正式な名称は「会社・法人の登記事項証明書及び登記簿の謄本・抄本」です。「登記事項証明書」と「登記簿謄本」とは内容的には差異はありません。


登記事務をコンピュータで処理している登記所では,登記事項は磁気ディスクに記録されており,その内容を用紙に印刷し,証明したものが登記事項証明書です。 登記事務をコンピュータで処理していない登記所では,登記事項を直接登記用紙に記載しており,その用紙を複写し,証明したものが登記簿謄本です。 名称が異なるだけで,どちらも証明内容は同じです。

登記簿謄本と登記事項証明書の違いは?:松山地方法務局


「登記事項証明書」に記載される情報は以下の4つです。
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001214457.pdf


  1. 現在事項証明書
    (ア)現に効力を有する登記事項,(イ)会社成立の年月日,(ウ)取締役,監査等委員である取締役,会計参与,監査役,代表取締役,特別取締役,委員,執行役,代表執行役及び会計監査人の就任の年月日並びに(エ) 会社の商号及び本店の登記の変更に係る事項で現に効力を有するものの直前のものを記載した書面に認証文を付したものです。
  2. 履歴事項証明書
    従前の登記の謄本に相当するものであり,現在事項証明の記載事項に加えて,当該証明書の交付の請求のあった日の3年前の日の属する年の1月1日から請求の日までの間に抹消された事項(職権による登記の更正により抹消する記号を記録された登記事項を除く。)等を記載した書面に認証文を付したものです。
  3. 閉鎖事項証明書
    閉鎖した登記記録に記録されている事項を記載した書面に認証文を付したものです。
  4. 代表者事項証明書
    資格証明書に代替し得る証明書であり,会社の代表者の代表権に関する事項で,現に効力を有する事項を記載した書面に認証文を付したものです。



登記簿は誰でもどの会社のものでも取得出来ます

登記事項証明書はだれでも交付を請求することができますか?また,請求に必要なものは何ですか?

だれでも手数料を納付すれば会社の登記事項証明書の交付を請求することができます(商業登記法第10条)。したがって,代表者以外でも,他社の登記事項証明書を取得することができます 取得をされる方の資格を証する書面等も必要なく,印鑑の押印も不要です。

https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001215454.pdf


つまり「登記事項証明書」に記載されている情報は公開情報です。

例えば代表者の氏名や住所、電話番号などは個人情報に当たるのではないかという考え方もわかりますが(「代表者事項証明書」に記載)、法人として登記することや不動産を取得して登記することにはそれだけの責任が生じるというだし、個人情報保護よりも登記情報として公開することによる国民の利益を優先させるということのようです。

宅地建物取引士の方の見解(不動産登記について)

登記事項証明書の内容は個人情報ですが、個人情報保護によって国民が得る利益よりも、登記制度の維持によって得られる利益のほうが大きく、公共の福祉の観点から後者が優先される、ということになります。

個人情報保護 < 不動産登記事項証明書=国民の利益保全 の図式と言う事のようです。

登記事項証明書は個人情報? / 名古屋の高気密高断熱住宅なら【手の届く、低燃費で長持ちする家+】エンズホーム



しかも法人の登記事項証明書の1つである「現在事項証明書」ってこんなのなんですよね。




http://eastbank.jp/2017/08/31/corporate_registration_certificate/



どの辺りが機密情報なんだろう……



まとめ:いいから送れ

以上の通り、登記事項証明書に記載されている内容は公開情報ですからその情報を取引先に公開しないように希望すること自体が筋違いです。もし「やはり送付できません」となった場合でも「では弊社で登記事項証明書を取得させていただき、手数料は別途請求いたします」と返されるだけでしょう。だって公開されてるんですから。



また1つ勉強になりました。なるほどね。



補記

本記事はネットで見掛けたやり取りを元にした記事であり、特定企業との商取引を公開したものではありません。