無料で捨てられるゴミという考え方

自治体指定ゴミ袋が一般的になってきて、燃やすゴミにせよ資源ゴミにせよ、ゴミを捨てることにはコストが掛かるという考え方が普通になってきました。指定ゴミ袋を市民が購入することで間接的にゴミ処理費用を負担するというのも、結局は自治体が負担するゴミ処理費用が過大であるからです。指定ゴミ袋で少しでもコストを負担してもらうとともに、ゴミの総量を減らすというのが指定ゴミ袋導入の目的でしょう。






京都市のゴミの総量の推移

実際に京都市のゴミの総量がどう推移していったかは、京都市「ごみ処理に関する統計」ページで確認することが出来ます。


京都市:ごみ処理に関する統計


これを見ると京都市が受け入れたゴミの総量はピークだった2000年(平成12年)度1年間に81.5万tにも上りました。1年間のゴミ処理費用は270億円。その後ゴミの減量を広く呼びかけると共に2006年(平成18年)10月1日に指定ゴミ袋が導入され、2020年(令和2年)度に京都市が受け入れたゴミの総量は2000年の81.5万tに比べて53%減となる38.5万tにまで減りました。


ごみ量はピーク時(平成12年度)の82万トンから大幅に減量が進み,令和2年度は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動への影響を受け,事業ごみが大きく減少したことも影響し,38.5万トン(対前年度比△2.4万トン,ピーク時から△53%)となり,「新・京都市ごみ半減プラン」の目標39万トンを達成することができました。

京都市:京都市で受け入れているごみ量の推移



ゴミ処理費用も約半減

またゴミ処理費用に関しても、2000年度の270億円に対して201年(令和1年)度のゴミ処理費用は144億円とほぼ半減しています。指定ゴミ袋の売り上げは16億円ほどしかありませんが、それを活用したリサイクル推進などのゴミ減量活動が実を結んでいるということでしょう。財政破綻の危機にある京都市にとっては非常に重要な取り組みです。

指定ゴミ袋売上の用途に関してはこちらに詳しく書かれています。

有料指定袋制の実施に伴う財源活用事業一覧(令和2年度)(PDF形式, 4.45MB)






無料で捨てられるゴミという考え方

というのがこの記事の本題に行くまでの前段なんですけど、要するに何を感じたかというと。


前段にあったような社会の流れの中でゴミを減らす取り組みが浸透し、家庭出るごみのうちリサイクルできる資源ゴミ(缶やペットボトルを除く)に関しては、ゴミの収集ではなくいわゆるリサイクルステーションだったり、スーパーに設置された専用の回収ボックスであったり持っていくことが普通になってきました。我が家の場合であれば、以下のようなゴミはゴミの収集以外の方法で廃棄しています。

  • ダンボール
  • 電池・充電式電池
  • 小型家電類
  • 古着
  • 食品トレー

Amazonを利用していたらダンボールはあっという間に溜まりますし、肉や魚を買うことで食品トレーもあっという間に溜まります。歩いて数分とは言え溜まったダンボールや食品トレーを持っていくのは結構面倒くさいんですけど、考え方を変えてみれば、ゴミを捨てることにコストが掛かるのが普通になった社会においてはこれは「無料で捨てられるごみ」なんだなと言う気付きです。

分別というよりコスト削減

生活の中で出るごみのほとんどが捨てるのにコストが掛かる中で、これらのごみに関しては手順さえ踏めば無料で捨てることが出来る。「分別」っていうとなんか邪魔くさいですけど、要はコストを浮かせるために分けるんですよね。そう考えると面倒くさいなあと思っていたダンボールや食品トレーのゴミ捨てが、「すみません、よろしくお願いいたします。」という感じ方に変わるから不思議です。むしろありがたい。特にリサイクルステーションなどを利用できず出るごみ全てにお金が掛かる事業ゴミと比べるとより一層ありがたみが増します。

家庭ゴミも油断するとどんどん増えて、週2回45リットルで2袋……なんてことになってしまいますからね(家族構成はあるにしてもマンション前のゴミ収集場所に捨てられるごみの量は家庭によって全然違う。。)。我が家は2人ということもあって週2回、1日10Lで済んでいます。それもこれも無料で出せるゴミのおかげです。ゴミの分別のコスト面での大事さを、今さらですけど、実感しています。大事だったんだなあ。