「ババアインパクト」を思い出す

マスクを着用しない人というのはあらゆる年代に一定割合でいるとは思うんですけど、「50代、60代男性」という属性に当てはまる人が極端に多い印象です。統計はなく僕の体感でしかないので、錯覚かも知れませんが。そういった人の中にはなんらかの信念があるのか店内でもマスクを着用せずに平気で買いものをしている人もおり、周りの人がやんわり距離を取っている光景を見掛けます。あなたの信念は好きにすれば良いけれど、人と交わるときには少しぐらい譲歩してくれないですかね、と思います。先日スーパーで買いものをしているとき、店を出た瞬間にマスクを外して駐輪場に向かった中年男性は、そういう感じのスタンスなんでしょう。



マスクの是非はさておき

今回は「マスクを着用しない人はけしからん!」ということを言いたいわけではなくてですね、なんかこう、そうやって自分勝手に行動している人を見ると「ババアインパクト」を思い出すなあとふと思ったって話です。

「ババアインパクト」っていうのは「デッドライジング」というゾンビゲームでショッピングモールがパンデミックに巻き込まれる原因になったある女性の行動のことで……ニコニコ大百科の記述が秀逸なので引用します。


ババアインパクトとは、カプコンのXbox360用ゲーム『デッドライジング』冒頭で起こるイベントの通称である。

(中略)

生存者の中にいる、いかにも金満家風のババア。重苦しい雰囲気の中、なんとか生き残ろうとする者達を歯牙にもかけずに駆けずり回り、「私のワンちゃんを知りません!?」とまくし立て、はぐれてしまったらしい自分の愛犬“マドンナ”を探し回っていた。ここでプレイヤーや視聴者は、ゾンビ映画のお約束「空気の読めない奴が勝手な事をしでかし、危険が広がる」という予感をひしひしと感じたであろう。

その後、ババアはゾンビ達が犇くバリケードの外にいる愛犬を発見。正常な判断力をもってすればバリケードを崩す訳にはいかず、仮に崩したとしてもゾンビの中に飛び込む事は自殺行為。だが、半狂乱状態のババアにそんなまともな判断能力がある筈もなく、阻止すべく掴みかかった大の男をも振り切る馬鹿力を発揮し、遂にはバリケードを破壊。

結果は推して知るべしである。バリケード破壊を阻止しようとした者まで犠牲にし、他の生存者達を更なる危険に晒してまでババアが得たものは、亡者にむさぼり食われる最期であったとさ。めでたしめでたし。

こうして最後の砦と思われたショッピングモールにも、大量のゾンビが満ちる事となる。
ババアは大変なことをしでかしてくれました。

ババアインパクトとは (ババアインパクトとは) [単語記事] – ニコニコ大百科



犬が大事なのはわかりますよ。犬がゾンビ化するのかどうかはともかくとして(少なくとも「デッドライジング」の中では動物が感染してゾンビ化するっていう表現はなかったはず)、愛犬が危険にさらされている状況を見て自分の命さえ惜しくない、そういう心情になるのも理解は出来ます。でもさー。自分のその想いを果たすために多くの人の命を犠牲にするのは違うよね。正気を失ってたから仕方がないんだけど。


重大な理由なく、個人的な心情でマスク着用を拒否し、その上、普通に社会生活を送ろうとしている人を見ると、まあなんかね、お前のマドンナちゃんはどこにいるんだ?って聞きたくなるんですよ。そんなに大事か。



実際の映像はこちら(1分8秒ごろから)