京都府はきちんとPCR検査をしているし、感染者が少ないのは行政が隠蔽しているからではない(京都新聞より)

手のひらを返す人のイラスト(女性)
昨日「京都新聞はもうちょっとね」的なことを書いておいて翌日手のひらを返すのも何なんですけど、これに関しては京都新聞が素早く反応していてさすがだなと思いました。地方紙の存在意義ってそういうところですよね。GJ。



京都府内の新型コロナウイルスの感染者数が大阪府に比べて少ないことを巡り、3日夜の京都市議会教育福祉委員会で、市議が「ちゃんと検査をしているのかといったうわさが流れている」と指摘し、市幹部が「感染者数を隠蔽(いんぺい)しても何の得にもならない」と風説をきっぱり否定する場面があった。

 寺田一博議員(自民党)は、大阪府が同日、非常事態を示す「赤信号」を点灯させたことに触れ、「大阪に比べると京都はかなり感染者が少ない。インターネット上だけでなく地域でも『本当に検査しているのか』『大阪に比べて少なすぎるのでは』と言われている。こうしたうわさは耳に入っているか」と尋ねた。

 これに対し、市医療衛生推進室の中谷繁雄室長は感染者数を伝えるネットニュースのコメント欄でそうした声を承知しているとし、「感染者数を隠蔽しても我々に何の得にもならず、そういうことはない」と強調。クラスター(感染者集団)が発生した施設などで幅広く検査を行っており、「我々は必要な検査をしっかりとやっている自信がある」と明言した。

感染者少ない京都にうわさ「ちゃんと検査しているか」 市議の問いに市幹部「隠蔽しても得はない」|医療・コロナ|地域のニュース|京都新聞


この「噂」とまんま同じことをレストランで行っていたスタッフがいて、周りのスタッフも「ですよねえ」とかいって同調していて「リテラシーとは」と思ったけれど、飲食業界のリテラシーが一段低いのは今に始まったことでもないので聞かなかった振りをしていたんですけど、とはいえ、僕にだって行政が隠蔽していないという確証があるわけではないし(陰謀論を安易に拡散しないという道徳心があるだけ)、実際のところどうなのかなとは思ってました。先の記事の最終段、寺田議員が述べている、


答弁に寺田議員は「(保健所が)懸命に濃厚接触者の調査をすることで何とか踏みとどまっている。(そうした事情を)しっかりと市民に伝えないと不安感が広がる」と、情報発信の強化で市民の安心と信頼を高めるよう求めた。

感染者少ない京都にうわさ「ちゃんと検査しているか」 市議の問いに市幹部「隠蔽しても得はない」|医療・コロナ|地域のニュース|京都新聞


それがまさに必要で、大変だろうけれども行政の広報はその辺力入れて欲しいよねっていう話でした。



そして翌日の京都新聞の記事がこれ

全国的に新型コロナウイルスの感染拡大が加速している中、「なぜ京都の感染者数は少ないのか」との声が、京都新聞社の双方型報道「読者に応える」に複数寄せられている。大勢の観光客が全国から訪れているにも関わらず、近隣の大阪府や兵庫県と比べても現時点で京都府は急激な感染増加に至っていない。対策に当たる自治体や医療関係者らに考えられる理由を聞いてみた。

京都のコロナ感染者、なぜ少ない? 混み合う観光地、府民は避けた?考えられる理由は…|医療・コロナ|地域のニュース|京都新聞


現場の人間や識者に話を聞くとともに、具体的な数字を出していて、そうそれが大事なのよって感じ。


感染者をキャッチするPCR検査の件数は十分なのか。京都府は11月25日~12月1日の1週間平均で1日当たり641人件。同時期の大阪府は4257件、兵庫県が1460件だった。人口の違いを加味して比較すると、京都府の検査数は感染拡大が著しい大阪府に比べて2分の1の割合だが、兵庫県とは同程度で必ずしも少なくはない。

京都のコロナ感染者、なぜ少ない? 混み合う観光地、府民は避けた?考えられる理由は…|医療・コロナ|地域のニュース|京都新聞


京都って思われてるほど人口は多くなく、特に京都市は結構少ない。街の大きさも小さい。そんな大都市じゃないんですよね、実は。大阪と地続きな感じがある兵庫に比べて、京都は大阪とも距離があるし。そんな中で、人口比率で兵庫県と同程度のPCR検査が実施されているなら、PCR検査の実施頻度や検査機関の数などが著しく低い(だから感染者が少なく抑えられている)とは言えないだろうと思います。うん。それそれ。



ただし今が瀬戸際なのはかわらず

もちろん京都新聞が最後に指摘するように、


今後、感染者数がある一定数を超えれば、積極的疫学調査を担うマンパワーが足りなくなり、感染が爆発的に広がる恐れはある。京都市の担当者は急増する大阪について「感染者数が多くなって感染の連鎖を追いきれなくなり、悪循環に陥っているのでは」とみる。

京都のコロナ感染者、なぜ少ない? 混み合う観光地、府民は避けた?考えられる理由は…|医療・コロナ|地域のニュース|京都新聞


というシナリオも考えられるし、今がギリギリの瀬戸際であることには変わりはないわけで、もし今一層の感染爆発が起きたら、京都の経済は根っこからもげることになります。いやあほんと死ぬか生きるかなんですよね。そして誰か1人が何とか出来る領分ってほんと小さくて、出来ることをやってあとは祈るって感じ。幸か不幸か京都には祈れる神様がものすごくたくさんいるので、なんとかこうしてくれないですかねと思いつつ、晴明神社に黒山の人だかりが出来てて神様に感染したりしないですかねと心配になりつつ。


このまま大きな感染に繋がることなく、終息してくれたら良いんですが。マスクをし、手を洗い、うがいをして、それを祈るばかりです。