【今日のニュースから】中国発の新型肺炎が春節で拡散するのか

先日からニュースを賑わせている中国の新型肺炎。コロナウィルスというウィルスによるもので、系統としては何年か前に流行ったSARSやMERSに連なるものですが、その2つに比べると致命率はとても低くこれまで重症化して死亡した例も病気を抱えた高齢者ということで、健常者であれば命の危険はなさそうです。とはいえ、感染すれば一定期間の治療ないしは入院が必要になりますし注意は必要です。



春節でどうなるか

そしてやってくるのが中国の正月にあたる「春節」。かつては都市部から農村部へ出稼ぎの人たちが帰省する行事でしたが、裕福な人が増えた現在ではそれと並行して多くの中国人が海外へ渡航する季節でもあります。つまり主な感染源となっている中国・武漢から、中国国内はもとより世界中に拡散する可能性があるってことです。なんですかね、この狙ったようなタイミング。冬は湿度が下がってウィルスが元気になる季節なのかも知れませんがそれにしても。

中国でもそれを見越して対応しているようですけど、政府の声明ぐらいで中国人の意志が曲げられるんですかね……こちらの記事で専門家の方が口を酸っぱくして「武漢から移動しないで欲しい」「武漢に行かないで欲しい」と言ってるのがとても印象的でした。


曹光氏:春節は人々の大移動が起きるが、武漢には入らないでほしいし、武漢の人もできれば出ないでほしい。政府は外出自粛を呼びかけていないが、我々専門家は提案したい。

(中略)

鐘南山氏:今は武漢から他の地域に広がるのを食い止めることが最も大事だ。だから繰り返しになるが、武漢に行かないでほしい。今、武漢では列車の駅や空港などの検査を厳しくしている。武漢在住者については、体調が悪いなら武漢から外に出ないでほしい。

(中略)

春節とその前後の40日で、我々は患者がさらに増えると予想している。しかしできるだけ食い止めたい。心配しているのは、感染が広がる過程で、感染力の極めて強い患者(スーパー・スプレッダー)が出現することだ。実情として、それを防ぐ手立てはない。だから予防、隔離、観察を徹底する。

春節期間に患者が増えたとしても、だんだん落ち着いてくれればそれが理想だ。

(中略)

鐘南山氏:体調がすぐれなければ外出を控えてほしい。特に熱がある人、武漢にいる人。熱があっても実家に帰ろうとする人が出てくれば、当局は強制的に外出を禁止することもありうる。

あとは手を洗い、しっかり睡眠をとってほしい。

春節は多くの人が長時間列車にすし詰めとなる。もう既に多くの病人が出ており、しかも多くの人が休みに入り移動を始めている。だから今、特別に効果のある対策は見えない。

曹光氏:とにかく体調の優れないまま仕事や旅行に行かないでほしい。肉はしっかり調理して火を通して食べてほしい。

「新型肺炎の感染拡大は初期段階」「春節に患者増える」:中国政府専門家委の一問一答 | Business Insider Japan


SARSなどに比べて症状が軽く済むのは不幸中の幸いでしたが、さてはてどうなってしまうのか。専門家の方が言うとおり、上手く中国国内だけで押さえ込めたら良いのですが。