ビジネス的テキストやコンサル的テキストとの距離感

目標を定めた人のイラスト(女性会社員)
知り合いの八百屋さんがお世話になっているコンサルタントの話を聞いて、そのコンサルタントの方が運営しているブログ(主に飲食店に関するコンサルで無料ノウハウを公開していた。現在は更新停止中)を読んでみることにしました。僕の率直な感想としては「まあ普通かなあ」という感じだったんですが、それを率直に伝えたらパートナーにひどく怒られまして。少しでも参考になるものを探してそれをやっていくのが大事なんじゃないの、と。


ああもちろん、その通りですね。だったら「読んだらいいよ」と薦めてきた自分も参考になるものを探してよって感じですけど(こういうときなぜか僕に丸投げ)、まあ正論ではあります。最終更新である2016年3月の記事から何年か分を遡って読んで、現在自分たちが抱えている問題について近そうだなと思う話題をピックアップして共有しました。すぐやれることもあるし、やってみるのは良いことだと思います。僕らには失うものはなにも無いので。今月からまた何か新しいことを始めたいですね。



感じ方の差を吸収するコミュニケーションを

ただなんだろうな、僕の「普通だね」という感想になぜ彼女が激怒したのかっていうのが腑に落ちなくてちょっと考えていたんですけど、それは多分、この手のテキストに対する馴染み方の違いなんだなという結論に至りました。なんというか、僕は昔からこう経営だのビジネスだのっていう系統のテキストを読むのが好きなんですよ。日経新聞を隅から隅まで読んでいるようなガチのサラリーマンには敵いませんが、ネットで読める話題の経済ニュースには一通り目を通すし、時間があれば経済関連のニュースサイトの新着をチェックしたりもします。同時に街にたくさんある色んな店のやり方を見るのも好きだし、それとビジネス系テキストで得た情報とで答え合わせをするのも好きです。その手のテキストは、硬いのから柔らかいのまで昔から馴染みがあるんですよね。ネットと親和性が高いからかも知れない。

僕にとってはそういう様々なテキスト群の中の位置づけとして「普通だなあ」という感想だったのですが、馴染みがない人からするとそこに感動があるのは無理もないです。その感動を僕が共有してあげられなかったのが良くなかった。「これすごいよ」と言ってくれたことに対してまず素直に「すごいねえ」と応じておけば良かったんですよね。あれですわ、オタクに対して「このアニメ面白いね」って言ったら「あんなの、全然ダメ。こっちの方が断然面白いし」とか言われたのと同じ感じ。せっかく感動してるんだからそれに乗ってあげなさいよ。そうだなあ。



バックグラウンドによる説得力の差

僕は自分独自の情報収集や勉強を通して知識やノウハウを得て、それを元にこれまでの出店準備においてもたくさん提案し、改善してきたつもりでいました。どこどこの店でこんなことをしていたからやってみよう、あそこの店でこんなメニューの書き方をしていたから真似をしてみよう、ここの店ではこんなお客を想定してこんなメニュー構成にしていた、あそこの接客はこういう点がすごい、など。テキストを知識として吸収した上で、現場で何が行われて結果がどうなっているかを見て、自分が欲しいサンプルを真似てみる。その繰り返し。

僕が考えるコンサルタントの仕事は、ヴィジョンの設定と、動機付け、現場ノウハウの3つだと思うんですが、僕とプロである彼らとで何が違うかといえばそれは圧倒的な現場経験です。僕にはビジネスを立ち上げた経験もそれで売上を作り人気店にした経験もありませんから、あくまで「ぼくのかんがえたさいきょうのいんしょくてん」でしかありません。書いてあることが僕が取り組んできたことと同じようなことであっても、「コンサルタントの人が言ってるんだからやってみようよ、なんでやらないの?」と言われてしまうのは、やっぱりそういうバックグラウンドの部分での説得力が違うからなんでしょうね。僕は知っている、というだけですから。



というわけで将来はコンサルだな

コンサルタントの仕事が簡単だなんて思ってません。全国飛び回り、色んなセミナーで勉強を重ね、現場ごとに違う状況に合わせて悩み苦労して1つずつ積み上げていく。コンサルタントをしている友人も、身近にいるコンサルタントの人たちも、ネットを通して見るコンサルタントの人たちも、舌先三寸で金を稼ぐという印象からは遠い、泥臭い仕事を頑張っている印象があります。1つ嫌な経験があるとすれば、前職に入って来た自称コンサルタントかな(多分業界経験があるってだけで中小企業診断士の資格もない)。自分のせいで2年近く遅れた納期の、その遅れた期間もきっちりコンサルタント料を請求しトータルで凄い額を受け取って会社が傾きかけたことぐらいですが、まあ、それはね、社長に見る目がなかったから仕方ない。

というわけで僕の将来の目標は、飲食店で一発当てたあとにコンサルタント業に転じて経営指南と講演で儲ける、です(笑)。いやね、商売向いてるのかといわれると微妙ですけどね。ただ生き馬の目を抜いていく自信は無いけれど、仁義を切って誠心誠意、地道にというのには向いている気がするんで、案外上手く出来るんじゃないかと思うんですけどね。まあまずは自分の足下を見ろってことか。そりゃそうですね。一歩ずつ行くしかないもんな。うん。



ちなみに

あんまり表に出てきませんけど、コンサルタント業専門のコンサルタントっていう生業の人もいるんでしょうね。コンサルタント自体がコンサルタントと親和性が高そうですし,コンサルタントを始めたいっていう人も多いわけだから、必然的にそういう需要があって、「師匠格」からの「コンサルのコンサル」みたいなのありそうだなあ。金儲けの仕方はいろいろですね。