「このページに書かれてることは、全部必要なことやねん!」と担当者は強く言った

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引き続き、Web関連のお仕事のお話です。


5月下旬にコンサルタントが交代しました。プロジェクトが遅れたり、売上が落ちたりすればまあ色々起こります。んで、そのコンサルタントの提案で、自社サイトのリリースを急ぐのと並行して現在メインの売り上げになっている楽天市場の改善をしていこうという話になり、まあ全社を挙げてのミーティング(といっても参加しているのは8人ですが)の議題になってたりするわけです。

先週のミーティングで既存のページの問題点や改善点が上げられ、検討されました。その結果をベースにしてコンサルタントの方がひな形を用意して情報の取捨選択を進めたのが今週です。楽天市場によくあるページ……以上に縦に長く、混乱を極めているのが我が社のページなので、僕としても情報を削除したり、他のページに移動したりすることは必要だと感じていますし、先週の話でそう決まったはずでした。


で、今週、様々な情報を削除してシンプルに商品の良いところをアピールしていこうとなった流れで、通販の責任者が言ったのが表題のセリフでした。「お客様の色んな声をまとめて解りやすいように必要なことをだけをまとめたのがこれなんや!」「だからこの中に削除して良いものなんか1つも無い!」と。

ま、現場責任者としてはそうなるよねー。




実際にお客様と接する部署にいる人たちは、お客様からのクレームを出来るだけ避けようとします。注意書きで事前に知らせておけばわかるようなこと、例えば……返品に関するお知らせとか、セット内容によっては請求額や送料が変更になるとか、納期が変わる可能性があるとか、商品によっては時間指定が出来ないとか、そういうことを、お買い上げの前に注意喚起しておきたいと考えます。前職のときもそうでした。こちらの努力でお客様が困るのを回避出来るのであれば、という考えは十分に理解出来ます。

しかしその現場責任者のリクエストに従ってWebサイトを「改善」していくと、注意書きがどんどん増えていきます。商品ページを表示し「カートに入れる」ボタンを押す前に2ページ分の注意書きが表示される、同意のチェックを入れる必要がある、など。そして、まあみんな知ってることなんですけど、それで結局誰も何も読まなくなるわけです。必要だからスクロールするし、必要だからチェックを入れる。気にする人は離脱する。確かにクレームは減るかもしれないけれど、UIやUXが改善したわけじゃありません。3センチの厚みの取扱説明書を読む人がいないのと同じです。


なので、乱立した看板をまとめて取捨選択し、再構築する必要があるのですけど、必要にかられて看板を設置した人は、看板の撤去や改変に抵抗するのですよね。どれを指しても「それをすてるなんてとんでもない!」。いやいや。解るけど、それだと何も改善出来ないのよ。それは解った上で、それを改善しましょうって言うのが今々の状況なのですよ。そんなに強い口調で主張されても、今さら巻き戻せません。



結局、どうすれば良いんだという話

つまり、一番現場のことをよく解っている「現場責任者」がマネージメントすればベストになるというのは、幻想ですよねーっていう話です。どうしても自分目線になってしまうし、客観的に見る人ってのが別に必要じゃないでしょうか。外部の人じゃなくても、別の部署とかでいいので。規模が小さいうちは自分目線だけでも上手く行くでしょうけど、どこかで限界が来ますよね。その「限界」が今かどうかを判断するのが一番難しいんだけども。