携帯電話業界って相変わらず動きがほとんど無いというかスパンが長いというか。

ソフトバンクの今年9月の純増数が突出して数字が動く3月を除いた中で過去最高になったそうです。

電気通信事業者協会(TCA)が2010年9月末時点の携帯・PHS契約数を発表した。ソフトバンクモバイルは、3月をのぞくと過去最高となる33万2600の純増を獲得した。iPhone 4需要が引き続き大きく寄与している。
 

ソフトバンクは8月の純増も29万で、もうなんというか景気が良いというか何というか。




こういうニュースを聞くと、ソフトバンクとKDDIが逆転するのもそう遠くないんじゃないか、下手するとKDDIが最近始めたスマートフォン戦略がこけたらすぐじゃないか、とか思ってしまうんですが…実はというかなんというか全然そんなことない。前にも一度書いたような気がしますけど、確認的な意味でもう一度、1年でどれだけ変わってるか見てみましょう。


参考資料

2009年9月
“2年縛り解け”ユーザーの獲得で明暗――9月契約数 – ITmedia プロフェッショナル モバイル
2010年9月
ソフトバンク、3月以外で過去最高となる純増33万超――2010年9月契約数 – ITmedia プロフェッショナル モバイル

キャリア 2009年 2010年 契約数の推移
DoCoM 5518万6500 5689万4600 +178万8100
KDDI 3123万2700 3229万1200 +105万8500
Softbank 2131万6900 2347万4200 +215万7300

この一年でKDDIの純増が105万8500、ソフトバンクが215万7300。両者の差は109万8800詰まったことになります。純粋な差は、2010年9月時点で881万7000。で、この差を1年間で詰まった数で割ると、8.02。今の調子(iPhoneを独占するソフトバンクが好調で、スマートフォンの投入が遅れたKDDIが不調)が続いたとしても、ひっくり返るには8年も掛かるんです。

今年あったソフトバンクの2G停波による純減(2010年3月に54万3700件の純減)が来年はないのでその分を積み増して計算(次の1年で164万2500件詰まるとする)したとしても、5年ちょっとかかります。契約者数=売り上げなわけなので、いくら落ち目感があったとしても、今後何年かのKDDIの優位は動きません。文字にしてる自分でも違和感がありますけど、でもそうなんですよねぇ。携帯電話ってのは、本当になんかもうなにもかもが固定された世界で、その中で視点を出来うる限り長く取って動きを作ろうと懸命にやってる(もしくは動きはないのに動きがあるフリをしてる)だけにも見えます。

ただ今やってる活動がないと、5年や8年での逆転もないわけで、すぐには出ない成果をかみしめつつ大局的視点を持って攻めていくみたいなのが必要なんだろうなと。うわーそういうの超苦手。わかってても、途中でめげそうな気がします。計算して生きてる間にDoCoMoに追いつくのは無理とか解った段階で、何か諦めちゃいそうな。そんなとこで勝負し続けてる人たち(ソフトバンクもKDDIもウィルコムも)は凄いなぁ、とぼんやり思います。