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とある企業のミーティングでコンサルタントの方が話された話が「リフレーミング」というものでした。

Wikipediaから引用します。


リフレーミング - Wikipedia

リフレーミング(reframing)とは、ある枠組み(フレーム)で捉えられている物事を枠組みをはずして、違う枠組みで見ることを指す。元々は家族療法の用語。西尾和美『リフレーム 一瞬で変化を起こすカウンセリングの技術』によると、「リフレームの目的は、今までの考えとは違った角度からアプローチしたり、視点を変えたり、焦点をずらしたり、解釈を変えたりと、誰もが潜在的に持っている能力を使って、意図的に自分や相手の生き方を健全なものにし、ポジティブなものにしていくこと」(32p)とのこと。

同じ物事でも、人によって見方や感じ方が異なり、ある角度で見たら長所になり、また短所にもなる。例えば、試験で残り時間が15分あった場合、悲観的に考えた場合は「もう15分しかない」と思えるし、また楽観的に考えた場合は「まだ15分もある」と思える。



つまり松下幸之助さんが言ったという「まだ半分」の話です。
身も蓋もない言い方をすると要はポジティブシンキング。

何かネガティブなことが起きたときでも見方を変えればメリットが見つかることもあるし、上手く行かないときには考え方やアプローチを変えてポジティブに行動していきましょう、というようなこと。そんなの出来るぐらいだったらとっくにやってるよ……と思うんですけど、人間というのは不思議なものでして、こうして現象に名前を付けて改めて定義すると出来そうな気がするから不思議です。言霊ってすごいよねというか、味付けって大事よね、っていうか。


リフレーミング自体は、生きる上で結構大事……というか面白い考え方だよなーと思います。覚えておいて損はない感じ。行き詰まったと感じたところで打開のための武器になりそうな。


しかしそれを企業のミーティングで話すと

個人の考え方としてはとてもいいなと思うんですけど、それを企業のミーティングで、それも現状苦しく先行きも怪しい企業のミーティングでの話となるとちょっと様相が変わってしまいます。言いたいことは理解出来ます、要するに、


今はちょっと状況が悪くて、厳しい仕事を強いられることもあるかも知れないけれど、今苦しいことも見方を変えれば将来の自分のスキルに返ってくることかも知れないし、ポジティブに捉えながら乗り切っていきましょう。


ということなんでしょう。コンサルタントの方の個人的な見解なのか、経営陣からのリクエストがあってのテーマ設定なのかはわかりませんけれども。


ただ、これもまた身も蓋もない言い方してしまいますけど、要するに精神論ですよね。

様々な施策を行ったあとの「ラストワンピース」としての精神論は僕は非常に重要だと思っているんですけど、他に何も打つ手がない状況での「ファーストピース」「オンリーピース」としての精神論は非常に非合理的だと思うんですよ。かっこよさそうなこと言ってるけど、経営陣からこのコンセプトが発表されると言うことはすなわち、


申し訳ないけどしばらく状況を改善出来そうにないから、みんなで頑張って耐えてくれ


っていうことなわけでしょう。


リフレーミングを補強する例として、「希望して配属された徒歩5分で出社出来る事業所から、1時間半かかる事業所に転属になった女性が、見方を変えれば勉強する時間が出来たと言うことだとポジティブに捉えて、キャリアアップに繋げた」みたいな話が紹介されていましたが、それって単なる自己防衛じゃないですか。この女性のような人なら1時間半の通勤時間がなくても努力してキャリアアップも出来たでしょう。たまたま長くなってしまった通勤時間をその時間に充てたと言うだけであって、ましてや経営側が「ほら見方を変えれば」なんて言って良いようなことじゃないです。それを言う前に、引っ越しなり社宅なりの補償をしてやってください。

従業員がまず第一に知りたいことは、今の苦しい状況を改善するにはどういったことをしていくのか、経営者としてはどうしていく予定でいつまでに改善される予定なのか、仮にいつまでに改善されなかった場合にはどんな対策を取るのか、といったことであって、「見方を変えて頑張れ」なんてことじゃないはずなんですよ。言い方で綺麗に聞こえてよし頑張ろうと思える素直な従業員ばかりなら良いけれど、僕みたいにひねくれたやつならこのコンセプトが発表されたその日に辞表を書きます。洗脳じゃねーか。



現実的に対処するしかないんすよ

無理を通そうとするのが功を奏することもたまにはあると思います。短期間であれば、1ヶ月とかね、改善のために無理をするのも仕方の無いことかも知れません。それぐらいなら仕事してれば誰しもあるでしょう。でも昨日も今日も明日も多分来月も再来月も構造的に無理が生じるとなると、それはもう一時的ではない。ましてや精神論を語るタイミングでもない。

一度小さくすると大きくするのは難しい、だから無理をしてでも現状を維持しなくてはならないのだ、その経営感覚はわかります。わかりますが、現実的に対処せざるを得ないタイミングというのはあって、もはや精神論に頼るのだとなった今このタイミングこそがそのタイミングじゃないのかなと僕は思うわけです。事業縮小の現場も何度か見ましたけど、縮小したら必ずダメになるわけじゃない。そこから「リフレーミング」して、ジャンプアップしていけば良いんです。


でないと、そろそろ誰か壊れますよ。
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