自民党、立憲民主党、公明党、国民民主党の4党が推薦した現職の西脇氏が、共産党が推薦した新人の梶川氏を抑え、2回目の当選を果たしました。西脇氏は京都市出身の66歳。国土交通省の審議官や、復興庁の事務次官などを経て、前回・平成30年の知事選挙で初当選しました。
京都府知事選 現職の西脇隆俊氏 2回目の当選 | NHK | 選挙
今回の選挙で西脇氏は新型コロナウイルス対策の一層の強化や子育て環境の拡充、それにインフラ整備を促進し地域の活性化につなげるなどと訴えました。
(中略)
西脇氏は「身の引き締まる思いで、責任の重さを痛感している。安心とぬくもりのあるあたたかい京都を作るために、まずはコロナから府民の命と健康を守り、傷んだ暮らしと経済を立て直す。そして、ただ立て直すだけでなく京都の未来のために全身全霊で京都府政を推進していきたい」と抱負を述べました。
前回初当選の時は接戦だった西脇さん。京都市は政令指定都市ということもあってどうしても京都市長の方が目立つ立場にあり京都府知事は地味な印象が拭えませんが、しかし新型コロナウイルスの影響が広がり誰がどんな政策を打ち出しても不満が出るであろう中で前面に出て、大阪や兵庫と協調しながら的確な対応をし続けたことは十分に評価できることだと思います。まあそれぐらいしか評価できるところないですけど。
「京都府知事選挙公報」での印象は対照的でした
西脇さんは元官僚ということもあるのか良くいえば実直、悪くいえば具体性がない。スローガン的なことは並べられているのだけど各論になると弱い印象。もちろん現職である以上各論とはすなわち現在の京都府の活動そのものなので、詳しく解説する必要がないといえばその通りなのですけど。対する梶川さんは共産党らしさを越えた見やすいデザインで、争点としたいポイントや主張が綺麗にまとまって書かれており、政治に興味がない人が読んでも京都府政の課題がわかる非常にわかりやすい作りでした。ただその一方で共産党の悪癖というべきか、「ロシアはウクライナから撤退を」とか京都府政と無関係な政治的な話題をついつい盛り込んでしまって全体的に範囲広すぎ情報過剰で「え、梶川さんこれ議員に出れば良いんじゃないの?府知事じゃなくてよくね?」と思うような内容に。
加えてよーーーく読むと、「環境破壊の石炭発電、大型風力発電計画は見直す」と書きながら「エネルギーは地産地消」「原発は止めてなくす」とも書いていて、これといって発電施設がない京都でそんなことされたら明日からランタンで生活することになるんですけど、どういうつもりですか?みたいな感じで、情報過剰ゆえに公約内でも整理がされておらず「書けるだけ書こう」っていう姿勢がありあり。ああ、だから共産党は選挙に勝てねえんだなと改めて思いました。やる気あんの?学祭じゃないんだぞ。
というわけで、開票直後に開票率0%で当確
投票率が下がるのを懸念したのか、京都新聞なんかでは事前から結構「一騎打ち」つって随分と煽っていたんですけど、蓋を開けてみたら開票直後の投票率0%の段階で梶川さんにダブルスコアでの当選確実。そのまま比率が変わることなく最後までいって当選決定。圧勝でした。新型コロナウイルスがなんとか収まりつつあり(感染者は減らないけど病床使用率は着実に下がっているし落ち着いたと言って良いのでは)、しかしそうなってくると京都府知事に求められる政策も途端に現実的なものになってくるわけで、共産党が争点にしたがっていた「京都府立植物園の再開発」問題と「北陸新幹線延伸」問題に注目が集まるのも時間の問題であり、2期目はなかなかに難しい4年間になるのかなとは思います。
財政がほとんど破綻し掛かっている京都市に比べて京都府はまだ余裕があるのかも知れませんが、いずれにしても京都市がこければ京都府もこけるわけで、門川さんと協調しながら上手いこと舵取りをして欲しいと願うばかりです。