【ドル円】この円安はどこまで続くのでしょうかねえ(多分もっと続く)(執筆時点で117円25銭)

なんだかんだあって、円安が止まりません。






ドル円は円安まっしぐら

[ニューヨーク 11日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが上昇。ドル/円は1ドル=117円台に乗せ、5年ぶり高値を付けた。ユーロや資源国通貨は売られた。ロシアとウクライナとの協議で一定の進展があったというプーチン大統領の発言が材料視された。

(中略)

オアンダのシニアアナリスト、エド・モヤ氏は「インフレ圧力増大への対応で、米経済が他国をアウトパフォームするという見方から、リスク回避局面で、ドルが対円で堅調に推移している理由だ」と指摘した。

15─16日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で、利上げが実施されるという観測もドルを支えている。一方、日銀は17―18日に開く金融政策決定会合で現行の金融政策を維持するとみられている。

NY外為市場=ドル117円台に上昇、5年ぶり高値 ウクライナ情勢を注視 | ロイター


前回の記事を書いたのが5ヶ月前の2021年10月のことだったのですけど、そのときはこんなことを書いてました。


前回外国為替の記事を書いたのはちょうど半年前のことで、その時も今回みたいにぐぐっと円安になったタイミングだったんですけど、直近1年間の値動きを見てみるとこんな感じになってました。

これを見る限りでは今の円安状況は数字的には今年2月から4月にかけての円安に比べてまだ大人しい感じです。このときは104円から111円まで一気に円安が進んだので。もちろん値動き幅が小さいから円安の影響が少ないってことにはならないんですけど、それにしてもまあアメリカが利上げを前だおして検討している中での原油高という状況を考えれば今後もしばらくこの状況は続くと考える方が自然ですかねえ。

【ドル円】ドル円が急激な円安でどうなることやら(執筆時点で114円41銭) – NOBODY:PLACE


状況が落ち着くどころかロシアのウクライナ侵攻によって原油高が解消される目はほぼなくなり、一方でアメリカの利上げ予想は変わらず(とりあえず3月中に0.25ポイント上がるらしいです)、ロシアへの経済・金融制裁や米中摩擦の影響で世界的に経済が停滞気味になることは避けられない中、もちろん日本は絶好調というわけにも行かず利上げも出来ず円安はやっぱり続くわけで、いやあもうどうすんですかね。

直近3年ぐらいの値動き

何ヶ月に一回書いてる為替の値動きの記事ですけど、直近3年ぐらいのを並べて見るとこんな感じになってます。



ほんの1年半前までは1ドル100円をうかがうような円高で「どうしよう」っていってたのに、1年半後には1ドル120円をうかがうような円安で「どうしよう」っていってるわけで、為替の値動きってもうほんとわかんねえなって思います。個人的にすごく興味がある分野ですけど、今みたいに結果をあとから見て感想書く程度が僕には精一杯だよなーと。予想なんかできないっす。

ヨーロッパが揺れている現在、当面は世界的な「ドル一強」(ただし中国元は除く)は変わりそうにないので、その余波を受けて円安基調も変わらないと考えるのが自然ですかねー。輸入するものが次々値上げでたまったもんじゃないっすね。



ユーロ円、英ポンド円はむしろ円高傾向に

とはいえ世界的に円だけが売られまくってるかというと実は意外にそうでもなくて、円以上に売られている通貨がユーロです。

ユーロ円


英ポンド円




ドルユーロのグラフを見ると強いドルに対抗できなくてドルに対してのユーロが円と同じような値動きになっているのが見えます。

ドルユーロ




まあロシアがアレだけ暴れてヨーロッパ全体がこれだけ動揺してたら強いわけないですよね。EUの経済面での4番バッターであるドイツがこういう状況で、むしろそれをバックに原発止めたんだから、それが無くなったときにどうなるかってのはもう推して知るべしとしか。


ロシアは、ドイツにとって最大のエネルギー供給国である。英国の石油会社BPの報告書によると、2020年のドイツの天然ガス輸入量の内55.2%はロシアからだった。ドイツ経済輸出管理局によると、2020年にドイツが輸入した原油の33.9%はロシア由来。石炭輸入量の48.5%もロシアからだ。

ドイツはなぜエネルギー「ロシア依存」を続けるのか 地政学的状況に配慮した長期的なエネルギー戦略の難しさ(1/3) | JBpress (ジェイビープレス)


一応、天然ガスの貯蓄は何ヶ月分かあって今年の冬~春にすぐにどうにかなるというわけではないみたいですけど、夏までには天然ガスの貯蓄が再開できないと底付くらしいです。日本も資源がない国ですし他人事じゃ全然ありませんけど、より資源が乏しくかつ海洋国家であるという地理的状況で販路確保に苦労してきた分、ドイツに比べて柔軟な対応が可能なのかなあとも。この先何が起こるか分かりませんけどね。



中国元は相変わらず超強いっす




NATO諸国がロシア問題で揺れている中、中国は相変わらず超強いっす。中国元に対して日本円は一掃安くなっていて、これってもしかしてこのまま続くと様々な日用品や電化製品の輸入に支障が出始めるのではとうっすら思ったり……。


うっすら繋がりで言うと、まあ個人的な妄想の範囲を出ませんけど、ロシアが経済的金融的に封鎖され世界から隔離される中で、決済にせよ国債発行にせよ、もう窓口が中国しかなくなってるんですよね。中国が今からロシアに金を貸すとは思えませんけど、一方で今金を貸せる国も中国しかないわけです。もしこのタイミングで中国が何か具体的な支援を行ったとしたらそれはそれなりの見返りがロシアから提示されたと考えるべきでしょうし、それが天然資源の採掘権なのか、諸外国が撤退したあとの施設の払い下げなのか、中国企業による政府に反旗を翻したオリガルヒの買収なのかわかりませんが、いずれにしてもロシアは中国の影響下に置かれることになるし、そうなってくるともはや「中国を中心とした新帝国主義」vs「アメリカ率いる民主主義」という構図になってきて、何が始まるんです?



状況が平和的な解決を迎えることを切に願います。