脱サラして喫茶店を開くのは「やめておけ」

喫茶店の店内のイラスト(背景素材)
なんだかんだ長いこと購読している山本一郎さんのメルマガの中の、読者の相談に答えるコーナーで「夫が小さい頃からの夢だからと脱サラして喫茶店を開きたいといっているのだけど、応援して良いものかどうか」といった感じの質問があって、山本一郎さんが答えていました。



端的に言って「やめておけ」

有料メルマガなので詳しい内容を記載するのは控えますが、端的に言うと「やめておけ」。


飲食店を開きたがる人っていうのは一定数いてほとんどの場合上手く行かない。上手く行かない理由はシンプルに「予想以上に儲からないから」で、応援したい気持ちもあるけれど現実逃避の一環でそんな苦労を抱えるのは忍びないし、友人としては「やめておけ」の一言である……的な感じの回答でした。だいぶアレンジしてるけど。


で、まあ実際にサラリーマン辞めて飲食業界に入った人間として感想を言うなら、うん、100%正しいです。あのー、残業代とか時給換算とか有休消化とか、そういう単語を日常生活で使用している人は自分の店なんか持ってはいけません。そういう働き方が大事なのは間違いないけれど、自分の店を維持していくという状況においては店の収支が全てを上回ります。それはもうね、ほんとにね。家賃をつつがなく払うために1杯400円の珈琲を毎日毎日淹れる、淹れられるならまだいい方で淹れる客がいない、そういう状況でも折れずに働ける人じゃないと無理です。



副業とかで経験できればまだ可能性は

ただ以前と変わっていることがあるとすれば、今、副業を認めている会社って増えてきてるんですよね?もし会社が認めてくれるのであればですけど、やはり1回飲食で働いてみるべきだと思うんですよ。出来れば個店で、原価とか収益分岐点とかもわかるような環境で働いて見ると、自分がそれに耐えられるかどうかがわかると思います。

個人的な経験でいうと、8年ぐらい働いた結果どうやら僕には適性がありそうだという結論に落ち着きまして、飲食店経営兼個人事業主として時間と収支を上手くバランスすればやっていけそうな感じがしています。でもあくまで僕の個人的な話ですからね……しかも僕の場合、前の仕事を精神的な理由で離脱し「別に何やっても今よりマシ」という状況あっての飲食業界だったので、相談者さんとは失うものの大きさも全然違います。子供もいて安定している暮らしを今すぐ捨てる必要は、まだないかなあ。喫茶店は歳取ってからでも出来ると思うし。



マジで「やめておけ」

というわけで、自分で計画しているのにこんなこと書くのもなんですけど、未経験で脱サラして飲食店はマジで「やめておけ」。どうしてもっていうならエネルギー全振りじゃなくて、休日とかを利用して小さく始めるところからやってみたら良いと思います。移動販売とかもあるしさ。新型コロナウイルスのせいでマルシェや手作り市は少なくなってるけどキャンプ場に出店してみるとかさ。社内ベンチャー起こしちゃうとかさ(嬉野さんみたいだ)。やり方はあると思うんですよ。情熱があるのなら。

初手、路面店居抜きはちょっと頑張りすぎなんじゃないすかね。その頑張りすぎな感じを聞くに付け、やはり間違いなく「やめておけ」だと思います。足元見て始めるならそうはならんからなあ。