飲食での仕事中に休憩を取るのは意外なぐらい簡単だった

コーナーで休むボクサーのイラスト(女性)
2年前まで勤めていた居酒屋の労働環境があまりに酷いので、せめて人並みに休憩時間ぐらい取れるようにならんのかと色々考えてみたことがありました(何とか飲食店での仕事中に休憩を取れるように働けないだろうか)。結論としては、「具体的なやり方は思いつかないけど、それでもとにかく休憩を取るんだと決めてそれから業務を回す方法を考えていかないといつまで経っても休憩なんか出来ない」って感じ(ほぼ精神論)だったんですが、先日まで勤めていたレストランに入って思ったことは「仕事って案外回るよね」ってことでした。



レストランでの休憩の取り方

勤務時間には概ね4種類ありました(新型コロナウィルスの前)。

  • 社員フル勤務(9時出勤22時上がり)
  • バイトフル出勤(11時出勤22時上がり)
  • 9時または11時出勤15時上がり
  • 17時出勤22時上がり

このうち社員フル出勤は休憩2時間。バイトフル出勤は1時間。半勤は休憩無しでした。


で、休憩時間の取り方ですが……簡単に言えば、1人多く雇用して休憩を回す。それだけです。「今、ピークタイムだから」とかそういうことは考えない。「このポジションにはこの人がいないと困るから」とかも考えない。結構色んなことやってるレストランでしたが、基本的に社員は全ポジション(パスタ、グリル、サラダ、揚げ物、ピザ)こなすことができ、バイトも多くが複数ポジションこなせます。教育方針としてそういうのがあって、休憩で誰かが抜けたとしても周りがサポートできるようにしている感じ。ランチの営業中に「まかないの準備終わったら12時から2時間休憩行ってきて」といったことも普通に行われていて、それで別にお客様に迷惑を掛けることもない。



結局、休憩を取ること前提で仕事を設計しているかどうか

そんなレストランで働きながら居酒屋のことを考えていて思ったのは、結局居酒屋では、休憩を取らせるつもりが会社(社長)にないってことでした。人員から教育方針まで含めて、休憩を取れるようになっていない。料理長の仕事は料理長しか出来ないし、焼き場の仕事は焼き場担当と料理長しか出来ない。僕は辞める3ヶ月ぐらい前にバイトなら誰でも焼き場の仕事が出来るよう、詳しいマニュアルを書き、それを元に大学生に仕事と仕事の教え方を教えたので、焼き場の仕事は今ではたぶん誰でも出来ると思うけれど、料理長の仕事はそうじゃない。本当は……1時間なら1時間、変わってあげられる人がいないといけなかったんだけど、そんなことするつもりは全くなかったんですよね。必要だとも、してないことが悪いとも思ってない。タチが悪い。

休憩を取るなんて簡単なことです。人件費が掛かる?いや、それ、税金と同じで払わないといけないコストですよ。それをないものにして経営のソロバンはじいてるのがおかしいって言ってるんです。最初に「精神論」と書きましたけど、存外外れてなくて、物理的に出来ないんじゃなくてやる気がないだけです。そうするための努力をしていないだけ。そりゃあ休憩取る風潮にならないし、料理長だって心臓悪くして倒れるわ。完全に労災、なんなら損害賠償もんだと思うけどあれどうにかしたのかなあ。たぶん、保険が下りて終わりだろうなあ。



休憩を取れない環境で働いている人は「休憩を取りなさい」と労基署に言われても「そんなん無理に決まってるだろ!」って言うと思うんだけど、いやあのね、無理じゃないよ。一時閉店してでも休憩は取るべきものです。あなたを守るために。ましてや従業員の健康であれば、無理にでも取らせないと。それが人を雇用する人間の責任だと思うなあ。