5年ぐらい前にされた失礼な発言を発掘してみた【もう時効やろ】

うんざりしている人のイラスト(男性)
もう5年も経つんですね。



2014年11月から2016年5月まで電動アシスト自転車の企画・販売を行う会社で「Webエンジニア」として働いていました。Webエンジニアという意味での技術職は後にも先にも僕しかおらず、そういう環境でありがちなこととして「時給950円」で外部サービスと連携も可能な内製システムの構築を求められるという、法外な薄給で働いていました。今考えてもあり得ない給与水準ですが、当時は本業は別にあって(=飲食業)その収入を補えればそれでいいや、時給安くてもその時給分働けば別に良いだろ、ぐらいの感じで働いていたので特段不満はありませんでした。

入社時に社長からこんなシステムを構築して欲しいという提案があり、僕の方でもパートタイムでも半年から1年ぐらいもらえればリリース出来るはずという感触があって入社したのですが、蓋を開けてみればただの雑用係でした。それまで雑用係として使われていたコンサル兼Webデザイナーが全く働かなくなったので、代わりに僕が呼ばれたみたいな感じ。僕のことを「webに関することを出来る人」とざっくり捉えた上で、ひっきりなしに来る様々なリクエスト(画像の加工やバナーのデザインなども含む)を捌くので精一杯で、システム構築なんて不可能に。

最終的にはそうしたコミュニケーション不全が積み重なって「この時給でこんなストレス掛けられたら割に合わねえな」ということで辞めるに至ったのですが、最後の最後まで社長は僕に対して無理を強いているという意識がなかったようで。会社としても僕に対してネガティブな印象はなかったようですが、僕の方は相当にうんざりしていたのでその差たるやって感じですね。そりゃ送別会も断るわ。送別会をやらなかった後ろめたさからか、後日、社長、店長、バイトの3人で居酒屋に飲みに来てくれましたが。



退職を通達する少し前にかわした会話

そんなこんなでエンジニアとしてはちょっと違った意味でツラい職場だったんですが、退職を決める少し前にこんな感じの会話があったようで(ボツ記事になってました)、たまたま発掘して今見てもなんだかなあと思う内容で逆に笑える。ちょっと抜き出してみます。


「スズキ君、相談があるんだけど」
(現在絶賛進行中のプロジェクトとは全く別の企画をそれも2件説明し始める)

—— えーと、どういうことですか?(ぼんやりし過ぎて何も決まってないので何を決めて欲しいか説明する)

「というわけなんだけど」
「それでこれ、今日明日くらいで出来る?」

—— いや、できませんよ

「出来ない!?」

—— だって何にも決まってないじゃないですか

「じゃあ何を決めたら」

—— 説明した通りです。このページを作るのは良いですけど、何をどうしたらいいんですか

「月曜日までには出来る?」

—— いやだから……わかんないですね

「Bくん(新人事務員男性。Not 技術職)にやってもらおうかな」

—— だったら僕要らないじゃないですか。辞めますよ

「いやいや、そういう話じゃなくて」

—— じゃあ、Bさんにやってもらってください。

「いやいや、その話はナシで……いつくらいできる?」

—— だから……ここんとこどうするんですか。

「えーとね」

—— 今やってるやつとどっちが大事なんですか?

「えーと」

—— この2つ含めたこの3つの優先順位は?

「えー」


後半明らかにうんざりしてるのが文字にしてもわかりますが、重い作業を複数投げておいてそれが今絶賛進行中であることが解っていてかつ、新しい作業を投げてそれ単体で納期を決めさせるのってさすがにね。無理ですよ、社長。僕が「これ明日までに出来ます」って答えるためには、今日中に今手がけている重い作業を完了させる必要があるんですけど、僕の1日の勤務時間5時間だけですからね。しかも「ここのテキストを差し替える」みたいな簡単な作業ならともかく、新しいページを作って今度始めるキャンペーンに即してお客様ごとにサービスを……待て待て待て。無理やん。仮にそれを緊急でってことになったとしても、あと何時間かしかない今日の勤務中にせめて骨格だけは作らないと明日の5時間で終わらせられないけど、ぼんやりとしたアイディアだけ投げられてもそもそも社長の企画自体が明日までに決まるか怪しいのに僕の作業が明日までに終わるわけ無いわけでね。

挙げ句の果てに「君に出来ないなら素人にでもやらせるわ。それくらいの仕事だろ」ですよ。やりたくなくて言ってるわけじゃないの重々承知してるはずなのに、冗談だとしても失礼な話です。普段は温厚だけど自分の思い通りにならないとすぐ頭に血が上ってけんか腰になったり、失言したりする、そういう社長だったので、まあこれもついうっかり出てしまった皮肉だったのかも知れませんが、まあでも退職を決めるのに十分なセリフでしたね。うっかり出たんだとしても普段からそういうこと考えてるんですねって言われた方は思いますよね。



僕が言うまでも無く、フリーランスでやってる方達はみんな似たような思いをしているんだと思いますけど、ワンマンで長くやって仕事はすべて俺が理解しているみたいな経営者と話をするとき、webだとか技術だとかに関することってその人にとってほとんど初めてといっていい「理解出来ない仕事」だったりするんですよね。そういうシチュエーションで「自分にはわからないからまずは相手の話を聞こう」という態度になってくれると仕事はスムースに進むんですが、自分が理解出来ないことを受け入れられずに動揺してしまう人というのも一定数います。見るからに焦ってしまって、急に対抗心燃やして無茶言ってきたり、命令口調になったり、出来るはずだとごり押ししようとしたり、扱いが大変。自分が下に見ていた相手が自分を上回ってしまったみたいな感覚なのかな。よくわからないんだけど。あれからお互い5歳年を取ったけれど、まあ変わってないんだろうなあ。そういう僕も変わってないしなあ。