「アンケートの結果、80%以上のお客様に満足いただけました!」

真剣な会議のイラスト(男性)
働いていると「偉い人たち」の会議を小耳に挟むことがあるんですが(決して盗み聞きしに行っているわけではない、着替える途中にビデオ会議中の事務所を横切るだけ)、表題のようなニュアンスの報告がディスプレイの向こうから聞こえてきて、率直に言って「だから何なんだろう」と思ったのでした。それがマーケティングというやつなのかも知れないけれど、ある意味で今までのやり方で新しい仕事をしようとしている、それは正しいのかなというね。



それ、バイアス排除出来てないんじゃね?

つまり「自分たちを知らない人にアピールしてもっと知ってもらいたい」そういう課題があるときに、既に知っていて気に入ってくれている人たちを対象にしたアンケートに何の意味があるのだろうという話です(重ねていうけど盗み聞きしたわけじゃない、更衣室までだだ漏れなだけ)。ある企画を実行したとき、何をもって成功とするのか?企画というのは狙った効果が得られて初めて成功なのであって、必ずしも好評の割合が成功の物差しになるとは限らない。

着替えている間聞こえてくる会議の中で、認知度に対する危機感に続いてこのアンケートの結果が開陳されることへ違和感を表明する人って誰もいないのだけれど、これはどういう空気感なのかものすごく興味があります。



賢そうな話を延々聞く時間

言うべきことは「来場者の満足感はわかりました、それでどれだけの新規来場者があったのですか」「来場者のうちのリピーター率はどれぐらいですか」「初回来場者の満足度はどれぐらいですか」「初回来場者の属性は、広告で企図したものとどれぐらいマッチしましたか」「初回来場者の居住地はどのあたりが多いですか」などといった、本当に役に立つ知識に関する突っ込んだ分析であって、「おかしいなあ、こんなに満足してもらえてるのになんで認知が広がらないんだろう」みたいな空気感になってるのってほんともう謎。賢そうな人が賢そうなことをたくさん喋ってるっぽいんだけど、なんか、そんな空気が流れてる。

でも会議ってそういうもんなんでしょうね、大企業の仕事のやり方ってそういうもんなのかも知れません。知らんけど。



僕としてはそれで僕の仕事が増えて給料が上がれば文句ないので、会議だろうがなんだろうが自由にやってもらったら良いと思うけど、「抜本的改革」とかいって目新しさを求めるだけの変化みたいなの、徒労感しかないからなあ。変えても変えなくても大してクオリティには差がなくて、「変えた」っていう意味しか残らないようなの。まあそれでもみなさんがモチベーションを高く持つためにそういうのが必要だっていうなら、やったらいいよなあ。

そのモチベーションで、ぜひ、売上を作っていただきたいものです。よろしくお願いします。