新型コロナウイルスで雇用や求人にどれぐらいの影響があったのか

会社のキャラクター(死にそう)
新型コロナウイルスでこれだけ自粛と休業が重なれば、社会全体に大きな影響があって当然だと思うんですけど、個人的な実感では「思ったより悪くない」。1年12ヶ月のうち2ヶ月の売り上げがゼロになって多くの店や会社が破綻してしまうのではないか、多くの人が解雇されてしまうのではないか、ハローワークには失業者が押し寄せ、失業保険の給付額が増加し、ホームレスが増え……最悪そんな状況を考えていたのですけど、いまのところそこまではなっていません。実際のところ、どれぐらい影響が出てるんでしょう?




4月の有効求人倍率

仕事を求めている人1人に対して企業から何人の求人があるかを示す有効求人倍率は、先月は1.32倍で、4か月連続で前の月を下回りました。先月は新型コロナウイルスの感染拡大で全国に緊急事態宣言が出され経済活動が大きく制限されたことなどから、新規の求人が大幅に減少しています。

厚生労働省によりますと、先月の有効求人倍率は季節による変動要因を除いて1.32倍となり、前の月から0.07ポイント低下し、4か月連続で前の月を下回りました。

(中略)

また、企業から出された新規の求人は去年の同じ時期と比べて31.9%減少しました。これはリーマンショックの影響で新規求人が34.5%減少した2009年5月以来、10年11か月ぶりの落ち込みです。

産業別にみますと、減少率がもっとも大きかったのは宿泊・飲食サービス業で47.9%、次いで生活サービス関連・娯楽業で44%、製造業で40.3%それぞれ減少しました。一方、新たに職を求める人も10.2%減少しています。

4月の有効求人倍率1.32倍 新型コロナ影響で求人が大幅減 | NHKニュース


新型コロナウイルスの影響が出始める前から有効求人倍率は少しずつ下がっていて、4月は1.32倍になりました。「4か月連続で前の月を下回る」というのはネガティブですが、直近の数字の推移を追うとまだ深刻な状態ではありません。

以下は、厚生労働省の資料からの引用です。



一般職業紹介状況(令和2年4月分)について 一般職業紹介状況(令和2年4月分)について



3月以降、求人数が大きく減少しているのは気になるところですし、この流れが今後も続けば近いうちに求人数と求職者数が逆転してしまう(リーマンショック後の平成21年のような状況になる)こともあり得ますが、今のところはまだそこまではいっていません。もちろん職種によっては求人が減っているもしくは無くなっている職種もあるかとは思いますが、一般事務に関して言えば選り好みしなければなんしか仕事はあるって感じでは。

ただ東京都に限って言うと、


産業別にみますと、
▽もっとも減少率が大きかったのは生活関連サービス業・娯楽業で55%、
▽次いで宿泊業・飲食サービス業が54.8%、
▽製造業が52.9%などとなっていて、
▽このほか建設業や医療・福祉なども含め主要産業のすべてで減少率が30%を超えました。

4月の有効求人倍率1.32倍 新型コロナ影響で求人が大幅減 | NHKニュース


という状況になっていて全国平均に比べてかなり悪い。まあ東京なんでね……地力はあると思うし、地方よりも回復は早いと思うんですけどね。大変な人もいるかと思いますがそれまでの間、なんとか耐えましょう。大丈夫、いざとなったら生活保護も家賃補助も、税金や健康保険、年金の減免もありますから。大丈夫。

景気が悪くなってくるとどうしてもネガティブな印象を持つ人が増えますが、実際問題、不景気って逆にネガティブな印象が作っているところもありますよね。景気の悪化はそれとして受け止めつつ、客観的に捉えるように努力することが大事かなと思います。



ちなみに全国で解雇または雇い止めにあった人の数は

厚生労働省によりますと新型コロナウイルスの影響で勤め先の経営が悪化するなどして、解雇や雇い止めにあった人の数は今月5日までの1週間で見込みも含めて4210人でした。

この4000人余りについて雇用形態を調べたところ、およそ6割にあたる2577人がアルバイトや派遣社員などの非正規労働者で、飲食業では8割近くにのぼっていることがわかったということです。

業種別でみますと最も多かったのは飲食業で1362人、次いで宿泊業が646人、製造業が544人、小売業が428人、娯楽業が407人などとなっています。

解雇や雇い止め 非正規雇用で働く人が6割占める 新型コロナ | NHKニュース


打撃があっただろうと思われる、飲食業、宿泊業、娯楽業で合わせて2,415人で全体の57%になっています。一般事務とか営業とかそういう仕事も減ってはいるんでしょうけど、全体的にはやはり偏ってますね。そりゃそうだろうなあ。僕は複数の仕事をしていて運良くもうひとつの仕事には影響が小さかったし、また運良く休業手当も支給されたので困ってはいないけれど、飲食の仕事が全くなくなっている現状は実質的には「失業」と言っても差し支えない状態。これがフリーターとして飲食で生きてる人間だったら、今頃区役所に相談に行ってますね。

東京ではまだまだ感染が落ち着いていませんが、京都では少しずつ経済が戻ってきました。夜中に走っている車が増えてきたし、日中も近畿・北陸を中心に県外ナンバーの車やレンタカーが増えてきました。外国人観光客は依然として全く見掛けませんが(当たり前ですが)、観光地も少しずつ人が戻り、ホテルも再開し始め、もちろん閉店・閉鎖してしまっている店や施設もありますが、致命傷には至らずに戻れそうな感じが今はしています。



何とかこのまま、ゆっくりとでも戻って行ければ良いんですが。どうかなあ。


5月の数字が出たら、また振り返ってみたいと思います。