「スパイス料理」に対するこだわりのようなもの【京都スパイス料理ユニット】

つきももキッチン
月に数回、「つきももキッチン」としてランチ営業をさせて頂いています。ご用意しているのはスパイスを使ったカレーとスパイスを使ったおそうざいで、カレーをメインにしたランチセットとおそうざいをメインにして盛り合わせたランチプレートをお選び頂けます。ベジタリアン対応もしています。



盛り付け方について思うこと

僕たちが提供しているのはスパイスを多く使い、インド料理の調理方法に基づいて作ったカレー。そういう点ではスパイスカレーではあるのですが、いわゆる「スパイスカレー」とは違うつもりです。「スパイスカレー」のよくあるスタイルは1枚の皿に複数のカレーやアチャールなどを全部盛るというもの。その見映えの派手さや、混ぜて食べる感じを楽しむ料理になっているのですが(食事中のミールスに近い)、僕らはそれはしません。

元々カレー専門店になるつもりはないというのもありますが、僕自身がそういう盛り付けが好きじゃないんです。「映える」のかも知れませんが、お客様から「味が混ざらない」という自由を奪う盛り付けが独善的だと僕は思ってしまうんです。もちろんそう言うものであるとお店とお客様、双方が了解している状況なら全く問題ないと思うのですが、つきももキッチンの場合は多くが一見さんですし、なかなかそういう了解は成立しづらい。



つきももキッチンの「おそうざい」

僕らはただいわゆる「おそうざい」を作るのではなく、そこにスパイスを生かしながら「和印」「洋印」時には「和洋」「中印」「韓印」になるようなおそうざいを作ることを心掛けています。最初はメニューに記載しても伝わりづらく、名が通っているおそうざいに注文が偏ったものですが、最近はメニューの書き方が上手になったせいか、さまざまなおそうざいが均等に選ばれるようになってきました。せっかく選んで頂いているのに最初から味が混ざる盛り付けをしたらもったいない。もちろんお客様自身が選択し、混ぜて食べて頂くのは全く構いません。でも混ぜたくない人にはそういう食べ方も出来るように提供したい。

インドスパイスはもっとカレーやインド料理以外に使われて良いと思うんですよね。インドスパイスを買ったらカレーを作り続けなくてはならない、そんなことはないです。味のイメージでみりんを料理に使うように、インドスパイスもイメージで使えます。わかりやすい食材と聞き覚えのない風味、その発見を楽しんで頂けたら嬉しいですね。