万引きで思い出すこと

万引きのイラスト
僕自身は万引きをしたことはないけれど、周りには常習的にやっている奴らがいて見聞きはしてた。もう時効だと思うし、記事を見て思いだしたので書いておこうと思う。


万引きされたと思われる本をメルカリで特定して書店名のアカウントでフォローしたら万引きがなくなった話「執念の追跡」「万引きは死活問題」

万引きされたと思われる本をメルカリで特定して書店名のアカウントでフォローしたら万引きがなくなった話「執念の追跡」「万引きは死活問題」 – Togetter


高校は進学校だったけれど、市内さまざまな地域から生徒が集まってくるから、前の学校で繋がりがあった人間というのも入ってくるし、必然的に素行の良・不良に偏りが出る。中には良からぬことを以前からしてたのか、それとも思いついたのかし始める奴もいて、特定のクラスの特定の人間のところに定期的に「市」が立っていた。



音楽CDが売れていた時代

売り物は音楽CD。1990年代はまだ音楽CDがたくさん売れていた時代だったし、僕らは買うなり借りるなりしながら大量のJ-Popを消費していたから、そんな音楽CDが安価で買えるという話は確かに魅力的ではあった。話のやりとりを聞いている限りでは、リクエストを出して数日後に「入荷」するという買い方もあるらしい。すごい便利だけどでもそれ、合法……なのか?

友人・知人の悪事を大人にチクって正義ぶる、そんなヤツではなかったので「今日もやってんなあ」と思いながら関わらないようにしていたけれど、今思うと次第に沈静化していったので、誰かが捕まって補導されたり、警備やシステムが厳しくなって仕入れにくくなったりしていたのかも知れない。それで誰かが停学になったっていう話は聞かないから(居酒屋で飲んでたら同じ店で教師が飲んでて見つかったという話はあった)、後者かも知れないな。知らんけど。



クラスほぼ全員が参加した忘年会での菓子調達というシチュエーションでも彼らは「能力」を発揮していて、今思えばクラスメイトは全員ある意味共犯ではあった。会費を徴収されずに(もしくはわずかな会費で)菓子にありつくなんてことが起こりえるわけないんだけど、純朴な高校生たちは特に気が付いていなかった。多分、今でも気が付いていない人は大勢いると思う。

僕はと言えば、買い出し担当の一人として買い出しに行ったものの「俺らが買ってくるからここで待ってて」と店外で待機していて、大量の菓子を抱えて出てきた奴らを見て苦笑いするしかなかった。もちろんそのスーパーが誰かの実家だったということもない。詳しくは聞かなかったし、彼らも僕らを巻き込もうとしなかったけれど、多分そういうことだったんだろう。



「しょうがねえなあ」

単なる思い出話だから特にオチというものはないのだけれど、子供というのはそういうものなのかもしれない。CD屋やスーパーは万引きで大きな損害を出していただろうし、社会的に見れば罰を受けるべきことだろうとは思うけれど、そういうのを目にして自分がどういう行動を取るべきだったかは今でもよくわからない。怖くて黙ってたわけでは全然ないし、単に「しょうがねえなあ」と思っていたんだと思う。今の自分のまま当時に戻ったとしても、やっぱり「しょうがねえなあ」といいながら見て見ぬ振りをするんだろうと思う。