ありがとう、ラグビー日本代表ブレイブ・ブロッサムズ 【ラグビーW杯2019】

最後は南アフリカの豊富な引き出しとパワー溢れるディフェンスに阻まれてしまった、そんな一戦でしたが、それでも前半終わって3-5。相手がティア1の、それもトップ4に入るようなチームであっても今の日本なら勝負出来る、それを強く感じる試合でもありました。前半終了間際に南アフリカのフォワードが足つってて、体力勝負になれば後半勝ち目がと期待もしたけれど、キツいのは日本も同じで、部分的には勝てる時間があっても最後には押し切られてしまう感じがあり。いくら中6日空いても、全力の戦いを5戦続けるのは至難の業なんだよなあ。他の強豪国は1戦か2戦楽に勝てる試合があったけれど日本はずっと激戦だったから……これが経験というものなのかもしれないですね。
(写真引用元:https://spread-sports.jp/archives/35083




全てが繋がって楽しくなる瞬間がある

……というような話は詳しい人の話を聞いたり読んだりすれば良いのでお任せするとして、僕個人の気持ちを率直に言うと、やっぱりねえ。超楽しかったとしか言いようがないです。今までだってラグビーの試合は何試合も見たことあるし、どこが強いとか、社会人や大学の強豪と言えばどことか、そういうのは知っていたんだけれど、ラグビーはどこが面白いのかという点についてはイマイチ理解出来ていなかった気がする。それが日本代表の試合にフォーカスしてその活躍に興奮し、なぜそれが凄いのかを調べて見返して学んでいくほどに、ラグビーそのものの凄さとか楽しさとかがわかってきてもっともっと楽しくなっていったというか。

最近はとんと見ていないけれど、昔まだNHKBSを見ていた頃、毎日アメリカンフットボールのNFLを見続けていた時期があって。その時、アメリカンフットボールのディフェンスの凄さに気付いた瞬間、というか気付かせてくれた選手というのがボルティモア・レイヴンズでLBをやっていたレイ・ルイス。2001年スーパーボウルのMVPに選ばれたプレイを始め、彼が出ているときに常に彼を見ていることで、アメフトの戦術や楽しさが広がって見えて、そこからアメフト自体が面白くなったのでした。今回、ラグビーで感じたのはそれに近い感覚、あるとき急に色んなことが繋がって見えるようになってすごい楽しくなるという。

その瞬間を超えた後はもうただただ楽しくて、日本代表以外の試合を見ても何がポイントで何が楽しいのかを、解説を手がかりに感じることが出来るようになって、ほんとに楽しかった。W杯はまだまだ来月2日の決勝まで続くけれど、それを気付かせてくれた日本代表にはほんとに心から感謝したい。それもこれも、色んなチームのプレー見た上で思うけど、日本代表のプレーが面白くてかつ強かったからだよね。スコットランド戦の2本目のトライ、最後に稲垣が抑えたトライは、もう何回も見たもん。格好良すぎる。福岡や松島が駆け抜けるトライも興奮するけれど、あの稲垣のトライはじわじわずーっと来るもんがあって、多分そう言うのがラグビーのほんとに楽しいところ何だろうな。倒れてすぐ立ってラインに戻る、しんどい時間でもそれを1人1人がやることで「人数が多く見える」。強いチームはみんなやってることだけれど、やる気があれば出来るということではないわけだし……あんなプレーされたら応援したくなる。



日本ラグビーの今後

「史上最強のチーム」と言われると、その後どうなるんだろうと心配になります。特にラグビー界は昔から動きが遅くてなかなか改革が進まない保守的なところなので、このまま強くなっていけるんだろうかなんて思ったりするわけですが……でも、よくよく考えたら今の強化の流れってもう8年も続いてるんですよね。


「2011年から代表というものが強くなった。ファンの方々も応援してくれる環境になった」と振り返った上で「一回で優勝を取れるような大会じゃない。みんながもっともっと努力して……。僕とかトンプソンはおっさんなので、これからの代表は厳しいかもしれないけど、ここには若くていい選手いる。これから日本はもっともっと期待できる人材がいっぱいいる。もっともっと皆さんに夢と希望を与えられるチームになってくれる」と思いを託した。

田中史朗、話す前から一人号泣 思いを隠さず「僕自身、誇りに思える代表だった」 | THE ANSWER スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト


そして今のラグビー協会は、実務の実質的なトップが清宮さんで、世界との交渉は岩渕さんがやってる。もっと偉い人が他にいて話題の若手を据えましょうという話ではなくて、実際に決定権があるところにそういう人たちが意欲を持って就いていることが日本にとっては大きな希望かなと思います。何ヶ月か前まで「弱いチームはお断り」と言わんばかりに2020年限りで追い出されることが決定していたサンウルブズについてもこんな話が出てて、世界的な手のひら返しすげえなと思うとともに、多分今これを好機とみて世界の色んな国とたくさん色んな話してるんでしょうね。日本を売り出すなら今しかないし!


ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は20日、準々決勝で日本が南アフリカに3-26で敗退。史上初の8強進出という快挙を果たした日本ラグビー界の今後に注目が集まる中、20年シーズン限りでスーパーラグビーからの除外が発表されたサンウルブズの復活に加え、代表チームはニュージーランドなど南半球の強豪4か国で争う南半球最強決定リーグ戦参加の可能性が急浮上している。ニュージーランド地元紙「ニュースハブ」が報じている。

(中略)

南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリア、アルゼンチンの4か国の合弁事業「SANZAAR」は25日に都内で日本側と会談予定。サンウルブズ復活に加え、毎年、南半球の強豪国4か国で争うリーグ戦「ラグビー・チャンピオンシップ」への日本代表の参加についても話し合うことになると報じられている。

日本代表、南半球最強リーグ参戦が急浮上 NZメディア「敗退の日本に朗報が存在」 | THE ANSWER スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト


手のひら返しだろうが何だろうが、継続することは良いことだし、そう期待されるほどの衝撃を与えたってことですよね。ほんとに素晴らしいと思う。



もっと彼らのプレーを見ていたかった

そう思うけれど、でも、そう、スーパーラグビーもトップリーグもあるわけですよ。引退してしまうトンプソンルークと福岡を除けば、まだまだプレーは見られるわけです。全国各地でラグビーが盛り上がるといいよね。堀江選手が、


1分け3敗だった11年大会から日本を支えてきたHO堀江翔太は「非常に嬉しいです。2011年の時にニュージーランドでW杯を終えて帰ってきたら、記者が2、3人やったかな。今、目の前にこんなにいることが本当に考えられない」と約200人の報道陣が集結した光景をかみしめた。

堀江翔太、200人報道陣に喜び「11年は2、3人やった」 人気向上へ「継続せなあかん」 | THE ANSWER スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト


といっていて、代表は今注目されるようになったけれど、リーグ戦はまだまだ。サントリーとパナソニックの試合でようやく観客数6,882人、トップチーム以外だと2,000人に満たない試合が多い。試合を見ようと思ったらDAZNかJSportsを契約する必要がある。まだまだなんですよね。日本代表の日当1万円に対し、ニュージーランドなど強豪国は1万ドル。この差は、必然的にスポーツがどれだけ国内で成功しているかです。日本のラグビー協会にはそんなボーナスを払えるお金はないからなあ……

今回の盛り上がりで国内のラグビーも盛り上がって、それが日本代表に還元される、そんな流れになったら良いなあと思っています。選手や現場はもちろん頑張っているけれど、組織のサポートも絶対必要で……清宮さん、ほんとよろしくお願いします。




ダメだなー。


何度か書こうと思ったのだけど、全然まとまらないんですよ。気持ちがね、高ぶりすぎ色んなこと考えすぎて。仕方ないんで思うがままにだらだらと書いてるけど、終わらないんでこの辺にしておきます。言いたかったことはこれだけだ、


ブレイブ・ブロッサムズ、お疲れさまでした!
素晴らしい戦いを本当にありがとう!
心から楽しかった!