「良いこと」も「悪いこと」も受け入れてみた

半年間お世話になっていた間、僕の目から見て「良い」と思うことも「悪い」と思うこともたくさんありました。レストラン経営というのはただ料理を作れば良いわけではなくて、お客様のこと、お金のこと、仕入れのこと、従業員のこと……やることが一杯あります。人間には良い部分も悪い部分もあるので、時には店に対して良くない影響を与えることもあります。僕自身の仕事に対する倫理観からすると、「目に付く「悪いこと」は訂正し改善していくのがスタッフとして当然のあり方」なのですが、今回はそれを採用しませんでした。



何かがあったらそれがどんな結果に結び付くのかまで注視する。


レストランに対して素人でありただの研修である僕ですから、僕が「これは改善すべき」と思っても、結果まで見ていくと「ああこれは必要なんだ」とわかることもたくさんあります。やり方や過程を真似するかどうかは別に、その「結果」の方をきちんと考えなければならないという意味で、とても勉強になります。逆に「ああやっぱりそうなるよね、」と思うことももちろんあります。そういうことも最後まで見て「だからこれはやってはいけないことなんだ」という実例として勉強する。

サラリーマンとしてはあり得ない態度ですけどね……でも自分でも店をやりたいと思って働いていれば、そうなります。働くって言うか、そもそも無給の研修ですからね。本当に大切なことを色々と勉強した気がします。「良いこと」と「悪いこと」の比率は4:6くらいですかね。うん。



ちなみに一番大事なことは「他人をリスペクトすること」

「他人」というのは関係する多くの人たち、お客様、家族、従業員、取引先、ライターさん、カメラマンさん、広告屋さん、大家さん、同業の人たち。そういった人たち皆にリスペクトを持って接することで、自分もリスペクトされるということです。逆にどこかの部分でリスペクトする気持ちが欠けていると、それが全体に影響を与えてしまう。お金を払ってくれるお客様を大事にするのは当然なのですが、こっちはリスペクトするがこっちはしないというようなことではなく、スタンスとして他人を尊重する気持ちがなければダメだよなと。

そういうのは空気として店の中に流れ出て行ってしまうよなと感じました。
やっぱり人が集まってなんぼですから。


仕事なら「自分のやることを把握して見通すこと」も大事

自宅のキッチンで家事としての料理をする分には、目標の数が少なく簡単に処理出来るのだけど、次から次に目標を処理していくことが求められる厨房では、順序よく並べてこなしていくことが必要です。自宅のキッチンでは料理1品に30分かかっても誰も文句言いませんけど(夕食の時間に間に合えさえすれば)、厨房でそんなことやってたらお客様は帰っちゃいます。それが仕込みだとしたら帰れなくなっちゃいますし。

複数の作業を組み合わせて丁寧かつ素早く処理していかなくちゃならない。というかま、仕事って大抵そうですけどね。同じ「料理」として家事にもあるから混同しがちだけど、「仕事にする」っていうのはそういうことだよね。頭では解っていたけど、現場に身を置いて初めて実感出来たことでした。




……あとまあ、書いていて思ったのは、年齢的な意味でもキャリア的な意味でも、僕の選択肢というのは限られているよなということ。「そういう店」だから採用枠が空いていたとも言えるし。だからといって諦めるつもりはありませんが。。