「モンドセレクション 最高金賞受賞!」って凄いの?



恐らく日本人だったら1回は聞いたことがあると思います。モンドセレクション。それも最高の賞を受賞したらしい。やっぱり良いものは世界で認められるのね。日本のもの作りは健在だな!

…で、モンドセレクションって何?

これだけ受賞履歴が声高に語られているにもかかわらず、不思議なことにそれがどういうものかはあんまり知られてないんですよね。僕も全く知りませんでした。

というわけで、調べてまとめてみます。



調べる前の僕の漠然とした印象

  • ヨーロッパの権威ある賞なんだろう
  • 出品された商品で良し悪しを競って良いものから順に「最高金賞」などが与えられるんだろう
  • 名誉ある賞であり、これを受賞することはかなりの名声を得ることになるんだろう





日経トレンディネットにおける特集記事Wikipedia(モンドセレクション)を参考にしながら、公式サイトを読んでいきます。

以下、ざっくりとしたまとめ。



モンドセレクションについて

  • 1961年にベルギー王国経済省と当時のECが共同で創設した
  • 一般に市販されている製品を対象に毎年行われる
  • 対象となる製品は主に食品

来年で創設50年ということで、歴史はそれなりにあるようです。対象となる製品は主に食品で、以下の部門に分かれて審査されます。

  • スピリッツならびリキュール
  • ビール、水ならびソフトドリンク
  • チョコレート、製菓ならびビスケット
  • 穀類製品
  • その他食品
  • ダイエットならび健康製品
  • 化粧品ならびトイレタリー製品
  • OIV(葡萄・ワイン国際機構)後援インターナショナルワインコンテスト
  • タバコ

各部門の下にはさらに細かなグループ、カテゴリーが設けられていおり、参加に当たってはそのカテゴリの中の1つを選ぶことになります。

ビールの例

  • グループ I 低温醸造ビール
    • カテゴリー A: ピルセン種
    • カテゴリー B: ドルトムント種
    • カテゴリー C: ミュンヘン種
    • カテゴリー D: ボック種
    • カテゴリー E: 特殊及び地ビール
  • グループ II 高温醸造ビール
    • カテゴリー A: ペール・エール種
    • カテゴリー B: スコッチ種
    • カテゴリー C: スタウト種
    • カテゴリー D: モルト種
    • カテゴリー E: 特殊及び地ビール、アビー
    • カテゴリー F: 白-ヴァイス-バイツェン
    • カテゴリー F: バーレー・ワイン
  • グループ III 自然発酵ビールを含む酸ビール
    • ランビック、グース、ファロ、クリークなど
  • グループ IV 芳香性ビール
    • カテゴリー A: 芳香性ビール
    • カテゴリー B: ビール・クーラー(パナシェ)
  • グループ V テーブル・ビール
  • グループ VI ノン・アルコール ビール
    • カテゴリー A: ノン・アルコール ビール NA – 0 ~ 0.5% プルーフ
    • カテゴリー B: 低アルコール ビール LA – 0.5 ~ 1.2% プルーフ
    • カテゴリー C: 低炭水化物ビール
  • グループ VII モルト飲料

いっぱいありますねぇ…



審査に参加するには

詳しい要項は「応募要項」に書かれています。

Monde Selection : 応募要項のダウンロード

概要は以下の通り。

  • 審査料を支払って自分で参加する
  • 審査料は1製品あたり1,100ユーロ、3製品以上応募する場合は3製品目から1製品あたり1,000ユーロ。
  • 応募期間は毎年10月から1月。


自分でお金を払って審査して貰うわけで、選ばれて表彰されるのとは少し違いますね。どちらかというと、美術品の鑑定に近いような気がします。



受賞の基準

審査は他の参加製品との相対評価ではなく、あくまでその製品の質が良いか悪いかで判断されます。なので一番良い賞を貰ったとしても、それが他の製品より優れているという意味にはならないのですね。そうなのか。

要項には以下のようにあります。

  • 優秀品質最高金賞: 90%以上の得点を得た参加商品
  • 優秀品質金賞:80%以上の得点を得た参加商品
  • 優秀品質銀賞:70%以上の得点を得た参加商品
  • 優秀品質銅賞:60%以上の得点を得た参加商品

つまり「最高金賞」というのは、「2010年度モンドセレクション最優秀賞」というのではなくて、モンドセレクションの審査で90%以上の合格を貰ったということなんですね。だから同じジャンルでも「最高金賞」を獲得する商品がたくさんある場合があると。ふーん。

また「最高金賞」を3年連続で受賞すると「インターナショナル・ハイクオリティー・トロフィー(国際最高品質賞)」を受賞できます。「最高金賞」の有効期限が5年間であるのに対し、「国際最高品質賞」は永久に有効、となります。サントリーがわざわざ3年連続で参加したのはそれを狙ったからなんでしょうね。



知名度は?日本だけなの?

賞の知名度は…よく解りません。「ヨーロッパに進出するための足がかりとなる」という意見から「あんなのやってるのは日本人だけだ」という意見まで様々ですが、賞の背景が一応しっかりしている(ベルギー政府の肝いりであることと創設されて50年近く経過していると言うこと)だけに、「日本人しか知らない」というほどは酷くはないかと。ただやっぱり日本の参加数が圧倒的に多いですね。

例えばビール部門の「国際最高品質賞」受賞製品はこんな感じ。

Monde Selection : 2010インターナショナル・ハイクオリティー・トロフィーは

全体の3割が日本ですね。


また、統計の中にある地域別参加数を見てみるとこんな感じになってます。


参加企業の78%がアジアじゃないかwww
もちろん、中国企業や韓国企業が積極的に参加している可能性もなくはないですが…これってやっぱり日本だよね…知名度はともかくとしても、参加者の殆どは日本企業というのは当たっているようです。


ちなみに2010年は全部で2130製品が参加して行われましたが、そのうちの19.1%が最高金賞、43.8%が金賞を受賞し、何も受賞できなかった製品は1つもありませんでした。参加しさえすれば少なくとも銅賞くらいはもらえるってことですかね。太っ腹だなぁ。




まとめ的な

事前に抱いていた印象は見事に裏切られる格好となりましたが、「無価値の賞を得て喜んでる我々」というよりも、「もともと地道にやっていた審査に大挙して押し寄せた我々」という方が印象的には当たっているような気がしました。結果としてペーパーカンパニー的な、もしくは、ディプロマミル(学位を貰うためだけに金を払う大学)になってますが、制度や賞自体はある程度きちんとしているみたいだし。

そんなものばっかり有り難がってしょうがないなぁと思わなくもないですけど、日本国内においてはその受賞が影響力を持つというのであればそれはもう仕方ないよね。たった13万でそれが買えるんであれば安いモンですね。ええ。もっと解りやすい形で年度別受賞製品一覧が示されていれば、「最高金賞」がどの程度の価値なのか僕らも客観的に判断できるんですけど、その辺を曖昧にするのがビジネスの妙なのかも知れません。さすが。




参考資料

Monde Selection
Monde Selection : Statistics 2010

「モンドセレクション」って何だ? – トレンド – 日経トレンディネット
モンドセレクション – Wikipedia

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