カオサン通りなう


旅行に行く前の話。


彼女の人はどちらかというとマナーとか礼儀とか厳しめの人でありまして、食事に行って店員の態度が悪いと(というか彼女の中の何かを刺激すると)文句の一つ二つ、いや三つ四つほど言って猛然と席を蹴りかねないタイプであります。これまで「気が短い」でならしてきたワタクシが「まぁまぁ、向こうだって事情があるみたいだし、料理美味しいからここはとりあえず収めて料理楽しもうじゃないか」などと取りなすことが何度か。真面目なんでしょうね、多分。

そんなだから、時間やルールに対して緩くていい加減、そんな国に行ったらいちいちイライラしちゃって大変なんじゃないの?と常々疑問に思っていました。よくそんな国に何ヶ月も住んでたね。そしたら彼女の答えは「バンコクにいれば許せる」。そんなバカな。どこにいたってイライラはするだろうしそれで緩くなって日本に帰ってきたら、日本ではイライラしなくなるんじゃないの……


なんて思っていたんですけど、マジ本当だから困る。

例えばですね、僕は普段京都・河原町通りの狭い歩道を自転車に乗って堂々と通る人たちイライラしています。マナーとしても法律としても許されない行為だし何より危ないからなんですけど、バンコクに行ったらそんなもんじゃなく。生鮮食品店が立ち並ぶ幅1メートルの狭い路地をバイクに乗って平気で走って行くのです。


生鮮路地の狭い通りをばあちゃん乗っけてバイクで買い出し。ありえん。

だからなぜバイクで


一瞬、なんじゃこれは…

と思ったのですけどなんというか不思議に腹は立たなかったんですね。バンコクだから仕方ない。なんというか、その場所では僕が圧倒的に「部外者」でどういうルールになっているのか、マナー的な意味でも法律的な意味でも全くわからない。だから周りがOKっていってるから多分OKなんだよねー…というぼんやりとした受け入れがあって。驚きはするけど怒りはしない。

他にもロビーの人が適当で頼んだもの(トイレットペーパー)が来なかったり、でも途中でホテルの人を捕まえて話したらその場で渡してくれたり、なんかこうイライラしてたら体が持たない感じのことがあれこれと。もちろんぐだぐだになりすぎないよう守らないといけないラインって言うのはあるんですけど、それでもこういう感じで調和していくのがこの国で時間を過ごすコツなんだろうなぁ、ていうかそうか、日本でもそうやって生きていけば楽なんだよなぁ…



で、帰国した翌々日から早速自転車で寺町の人混みを突っ切ろうとする人や、新京極の服屋の前で店員がタバコ吸ってるのや、そういうことにイライラしています(苦笑)いやさあ、別に自分が引かれるとかこがされるとかじゃなければ別にどうでもいいじゃんか、それでイライラせずに生きていける方が楽だってバンコクで学んだじゃないか……

いや、それはそれ。

やっぱあれはそういう空気なんだなぁ。

バンコクではその流れに沿って緩く生きないとしかたないし、それで良いじゃんってみんなが言ってるからいいかという感じなんだけど日本ではそういう風ではないからやっぱりどうしてもイラッときてしまうという。イラッとくるかどうかを決めてるのは自分の特質だけじゃないんだなあという発見。日本という社会そのものが真面目で、若干イラッとしがちな社会なんだろうねぇ。それで便利になっているからそれはそれで必要なのだろうけど、良いとか悪いとかじゃなくて単純に違いとして。。



冒頭の彼女の人のセリフが、本当によく分かりました。その通りだわー。