為替相場についてはあれやこれや付け焼き刃でニュースやコラムを読んで状況を知ってはいるのですけど、それが何を意味するかについては解らないままでした。ある出来事(例えばFRBが金利を引き下げる)が起きてそれによって為替相場がどう動く…と言うことは知っていいても、なぜその出来事で為替相場がそう動くのかは解らなかったのですね。別にプロの相場師でも無いのでニュースを追いかける分にはその程度の知識で十分なのですけど、好奇心的な意味ではずっと気になっていたのでした。相場って本当にプレイヤー同士の「ぼんやりした感覚」だけでふらふら動いてるのかな?そもそも「ある出来事」はどんな理由で起きたんだろう?


そんな折、finalventさんがこの本を紹介していて、これだと。

[書評]円高の正体(安達誠司): 極東ブログ

本の概要は、円高とは何か、為替相場が円高に傾く要因とは何か、これを是正するにはどうすれば良いか。様々に絡んでいる(ように見える)要因を一つずつ解きほぐしてなるべくシンプルに見せるあたりとても解りやすい。基礎として読んでおいて損は無いと思います。

本の概説についてはfinalventさんが書き尽くされているので今さら書くことは無いのですけど、個人的にプレイヤーの心情を決定づけるキーとして「インフレ率」が大きな役割を果たしているという指摘がとても面白く感じられました。そうなのかー

グラフの整合性についてはどの程度一致していれば「一致している」と見なせるのか解りませんが、少なくともよりインフレ率の低い国に資金が移動していく(物価上昇=貨幣の価値が下がるということなので、価値をより維持できる国に移動する。デフレならなお可)というのはとても解りやすいです。そういう側面が金融の様々な側面に顔を変えて表出しているのだとみると、色んな政策が理解しやすい。


しかしまぁ、とするとこれって意味あるのかなと言う…

日銀が資産買入基金を10兆円増額、CPI「1%目指す」 | Reuters

13─14日に開いた金融政策決定会合で、資産買い入れ基金の増額による追加金融緩和を決定した。リスク性資産も買い入れる基金について、国債の買い入れ枠を10兆円拡大。基金規模はこれまでの55兆円程度から65兆円程度となる。

政策金利は現行の0─0.1%程度を維持した。同時に、わかりづらいとの指摘が出ていた物価安定の考え方を「中長期的な物価安定の目途」として公表。消費者物価(CPI)の前年比上昇率で「2%以下のプラスの領域にあると判断しており、当面は1%を目途とする」とし、1%を目指して金融政策を運営していく方針を明確にした。


円高の当面の相手であるアメリカはこんな感じ。

米FRBが2%のインフレ目標導入、毎年1月に見直し | Reuters

米連邦準備理事会(FRB)は25日、2%のインフレ目標を導入すると発表した。長らくインフレ目標の導入を提唱していたバーナンキ議長の意向が実現した格好で、これによりFRBは歴史的な一歩を踏み出した。

今回初めて発表された「長期の目標および政策戦略」に関する声明で明らかにした。


この発表が1/25で、日銀の発表が2/14。単純に考えると、アメリカの方がインフレが進むんだったら円高の流れは動かないんじゃないの…?そりゃバランスってもんはあるから、現在の日本のデフレ状況におけるドル円バランスが1ドル76円であるなら、双方インフレに向かうことでそれが80円とか85円とかに向かうことはあるかも知れないけど、なんか遅かれ早かれというような…


日銀にいる人たちは僕より遙かに優秀な人たちなばかりなわけだし、何か考えがあってこういうことになっているんだろうとは思うけれど、finalventさんの指摘がもし正しいのであれば、結局は舵取りのブレーキになっているのは「政治」ということになるわけで、円高の正体がわかったとしてもどこか暗鬱な気持ちにならざるを得ないなぁ。ま、解りませんけどね。

自分の力でなんともならないから考えても仕方ないかなぁ。
支持を表明する先もないんだもんなぁ。