告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)
湊 かなえ

双葉社 2010-04-08
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松たか子主演の映画も話題になった「告白」を読んだっす。

読後の一番最初の感想。


人間ってなんていい加減なんだろう。


なんでしょう。正直に言うと「よくわからない」です。

こう、なんていうのか...本でも映画でももしかすると実生活でもそうかも知れませんけど、自分に入ってくる情報は限定的で偏っているわけです。この本は主にモノローグとして構成されていて、章ごとに視点と語る人間が変わります。起きたことは1つであるはずなのですが、視点や語る人間が変わるとそれの見え方が全然変わります。小説ですから(本当は現実社会でもみんなそうなのですけど)、誰が悪いのか?を考えながら読むのですが文章に当たるたびに前章の結論が覆され、ぐるぐる回って最後はわからない。「少年A」は凶悪な犯罪者のようにも見えるし、ただの中二病にも見えるし、屈折したマザコン野郎にも見えます。主人公も同じ。


物語は最終的に落語の落ちようなきっちりとした「オチ」が付きますが、全体としては全然スッキリしない。結局これはなんだったのか、どうすればよかったのか、もしかして誰もが救いようのないダメな状況だったのか...と非常にもやもやしますが、しかしなんだ、そのもやもやが不快ではないんです。不思議なんですけど。不快ではないけど、キツイ。なんでしょうかね、これ。全然わかりません。

読んで不満ではなく面白かったですが、出口全部ふさいでから水で満たし始めるようなそんな流れが随分とキツかった。ただ考えてみれば、この「よくわからないもやもやのまま何となく忘れていく」というのは、現実に起きた事件に対する第三者の意識に近いのかも知れません。いや、そんなこと一言も書かれてませんけど、そんなことを思いました。良いか悪いかはよくわかりませんけれど。